第12回分
トランジスタを使っての安定化が分かりにくかった。
前回のをもう一度。
ざっと、でいいです。
3端子レギュレータの注意がよく分からなかった。どのように使用すればよいか良く理解できなかった。
基本時には脈流のような、ほぼ安定化された電圧を与えるだけで
安定化された直流が供給できる、と考えてもらえればいいです。
5Vなら7805となるけれど100V以上はないのですか?
実際には24Vぐらいまでですね。
レギュレータに流れる電流Icは常に1Aなのですか?
いえ、負荷によって変わります。
たとえば5Vで、5Ωの抵抗を負荷につないでいたら1A流れますが、
10Ωの抵抗が負荷だったら5V/10Ω=0.5Aしか流れません。
レギュレータは、そのように負荷に流れる電流が変わっても、
電圧を一定に保つ働きをしてくれるわけです。
3端子レギュレータを用いて電圧を上げるところが分からなかった。どの程度まで上げることができるのだろうか?
3端子レギュレータでは電圧は上げられませんね。
いったん交流にして、トランス(変圧器)を用いて電圧を上げます。
3端子レギュレータで消費される電力のことはあまり分からない。
前回にも触れたように、入力と出力の電圧差を、
レギュレータでは抵抗での電圧降下として作り出しています。
ですから、この抵抗に電流が流れた分での電力消費がおこるわけです。
3端子レギュレータが増幅器のような役割も持っているのだろうか?
入力から入ってくる電力よりも、出力から負荷に供給できる電力のほうが
必ず小さいですから、増幅器にはなりえませんね。
3端子レギュレータの左右(入力と出力)にコンデンサCi、Coを接続するのはどうしてか?
基準電圧との差をみて電圧を制御する差分増幅器が
条件によって正帰還がかかって発振してしまうことが(よく)あるから、と、
理解しておいてください。
直流電圧を下げるには3端子レギュレータを使用したほうがいいのですか?
まあそれが一番お手軽で便利じゃないですかね。
レギュレータに入力する脈流は例えばNJM7800だったら約10Vでないといけないのですか?入力電圧に応じてシリーズを使い分けるのですか?トランスで電力の損失無しに電圧を変えているということは出力電流が変化しているということですか?
入力電圧は、出力電圧よりも数V高ければ、何Vでも大丈夫です。
(ただし入力電圧を高くすると、その分レギュレータでの電力消費が大きくなる)
またトランスでの変圧は、電力は変わりませんから、
電圧が増えれば電流はもちろん減っています。
電源回路の演習だけど、電源回路の実用ではないですか?
そうでした。すいません。
なかなか電源回路は演習問題にはしにくくて・・・
スイッチ電源は電源回路と比べて効率的にどっちがいいですか?
スイッチング電源は、レギュレータでの電力損失がありませんから、
かなり効率がよいです。
スイッチング電源はどういう場合に使うのか?
電力の損失が好ましくないとき、ですね。
専用のICの中身はどうなっているのですか?親指ほどの大きさの中に抵抗やコンデンサやダイオードが入っているのですか?
そういうことです。
そのあたりの詳しいことは、3年生の集積回路工学第1・第2で・・・
スイッチング電源で交流から直流にする時に使うICは3端子レギュレータと何が違うのか?
スイッチング電源では、スイッチングをする発振回路などが必要ですね。
普通は電圧を下げるときに抵抗を使うのでエネルギー消費が生じるが、レギュレータを使うとエネルギー消費なしで電圧が下がるので不思議に感じた。電圧を変圧器で下げるとき、そこでは本当にエネルギーが失われていないのかが気になった。
レギュレータで電圧を下げるときには、上記のとおりエネルギー消費があります。
変圧器では、エネルギー損失は、ほぼありません。
もちろん現実には変圧器のコイルの抵抗成分がありますから、
そういったところでエネルギーの損失は少しはあります。
トランスで磁界によって交流電圧を変えるということが良く分からなかった。
変圧器の仕組みがよく分かりませんでした。変圧器での電力消費はどれぐらいなのでしょうか?
変圧によりレギュレータの損失が少なくなるのは分かりましたが、変圧の際には損失が出ないのですか?
ファラデーの電磁誘導の法則、というやつです。
変圧器での電力消費は、上記のように少しはあります。
その損失は、モノにもよりますが、1%程度、というところでしょうか。
変圧器のところで出てくる電圧はコイルの巻数で決まるとあったがその出てくる電圧とコイルの巻数の関係はどのようなものですか?直流の電圧を変化させるために変圧器は必要ですか?
ファラデーの電磁誘導の法則から、電圧はコイルの巻き数に比例します。
また変圧器は、電圧の「変化」で発生する磁界を利用しますから、
直流は電圧を変化させることはできません。
実験で安定化回路にツェナーダイオードを使ったのですが、それはあまり利用されないのですか?
前回触れましたが、電流をほとんど取り出せない(ちょっと電流を取り出すと
すぐに電圧が下がってしまう)ため、
たくさん電力を取り出したい電源回路では、
それを基準電圧に使って、制御をするわけです。
レギュレータが抵抗とみなせるなら安定化回路はていこうだけでもOKですか?
固定の抵抗では、負荷に流れる電流によって電圧が変わってしまうので、
安定化されているとはいえず、まずいですね。
負荷に流れる電流が一定、であれば、これでもかまいませんが、
こういう用途はほとんどないはずです。
電圧差とはなんなのか良く分からなかった。
オームの法則、というやつです。
安定化回路は電圧を下げるのは分かったけど波形を脈流から直流に変えられるのか?
そうなるように抵抗を制御しているんですね。
変圧器で変化させた後の交流を整流、平滑化した後は安定化しなくても良いのでしょうか?
もちろんそれは脈流ですから、安定化をしないとまずいです。
ただし出力としてほしい電圧に近い電圧になっていますから、
レギュレータでの損失が少ない、ということです。
授業とは関係ないのですが、レジスタとメモリとはどう違うのですか?回路を構成する素子レベルでの違いを知りたいのです。
構造としては、同じものと考えてかまわないと思います。
プロセッサの近くにあってデータの一時記憶に使われる記憶装置をレジスタ、
プロセッサの遠くにあって、データを長い間ためておく記憶装置をメモリ、
と呼ぶように思います。
テストは具体的にどのような形で出題されますか?
それは・・・
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