第5回分

dBの計算がよく分からなかった。20dB=10倍,10dB=3倍などはどのようにして出すのですか?

むかし習っているはずですので復習しておいてください。 ポイントは、増幅率AをdBであらわすと、20log10A、である、 ということです。 ですから20dB=10倍、40dB=100倍、10dB=100.5=3倍、となります。

現実のオペアンプの等価回路が難しくてよく分からなかった。現実のオペアンプの等価回路で電源の向きは実際どっち向きなのか疑問になった。

LM358は差動増幅回路とカレントミラーだけで構成されているわけではないと思うんですけどLM358の内部等価回路のほかの部分はどういう意味があるんですか?

現実のオペアンプの内部等価回路はかなり複雑で、 習っていないテクニックもたくさんはいっていますので、 まずは「ああ、差動増幅器とカレントミラーがあるなあ」という程度で かまいません。 (実際には出力増幅回路、位相補償回路などがあります)

反転増幅器以外のオペアンプを使った回路でもVout=(1+R2/R1)VIoという関係があるのかが気になった。

いえ、非反転増幅回路などでは別の式になるはずです。 ぜひ求めてみてください。

入力オフセット電圧のところで電池一本で動く機器に使うのがキツイとかいう話がよく分からなかった。

電源電圧が電池1本だと1.5Vですから、中で扱われる音声などの信号も まあせいぜい1.5V程度の振幅のはずですよね。 そんなところに、「実は誤差が0.6Vです」といわれているような ものですから、1.5Vの信号に0.6Vの誤差では、 何が正しい信号かわからなくなってしまう(=ちゃんとした音などが出ない)、 ということです。

入力電圧が交流のとき、電圧利得Avが下がり始める周波数fの値とGBはどう関係しているのですか?

f=0のときの増幅率が、データシートに載っている電圧利得Avで、 -20dB/decで下がっているところの周波数と利得の積がGB積ですから、 例えばf=0でのAv=100dB、GB積=100dBであれば、f=1[Hz]で利得が100dB ということですから、だいたい1Hzぐらいから利得が下がり始める、 ということがわかるわけです。

LM358の等価回路では抵抗が無いのに、カレントミラーにはあるのはなぜですか?

実はカレントミラーの回路でついている抵抗は、電流を流すための 負荷で、LM358の中では、上についている差動増幅回路から電流が 流れてきますから、その電流に対して「カレントミラー」として はたらく、ということになります。

現実のオペアンプでは何処まで理想オペアンプに近づけるのか?ズレを少なくする方法を知りたい。

現実的には、すべての項目で理想的なオペアンプをつくることは不可能です。 課題で皆さんに調べてもらっていますが、 用途に応じて、どれかの項目が特に理想的なものを選んで使う、というのが 現実的です。

電気特性の表で今回触れなかった項目がよく分からない。スルーレートとか。

いい質問ですね。次回に少し触れることにしましょう。

一次のポールとは何?

例えば1次の(RC受動)LPFの伝達関数は1/(1+jωRC)で、ω=1/RCを境にして 特性が大きく変わる(それまではほぼ一定、それ以降は-20dB/decで下がる) わけで、こういうところをポールと呼びます。 伝達関数では、分母がゼロになるところ、として出てきます。 このようなポールのうち、最初に変わる(一定→-20dB/dec)ところなので 1次のポールと呼びます。 (ちなみに伝達関数の分母が2次式だと、そのさきで-20dB/dec→-40dB/decと 減衰がさらに急になるところがあって、そこが2次のポール)

データシートでバイポーラオペアンプは等価回路が書いてあるのになぜCMOSのやつは書いてないでしょう?

この講義の第9回ぐらいで触れますので、お楽しみに。

オフセットで標準があるのに最大もあるのはどういうことですか?全て標準に整えてしまわないのですか?

もちろんそろえたいのですが、実際には製造時のバラツキが生じることは 避けられず、メーカとしても、標準値と、最大/最小値(=保証値)とを 記しているわけです。

オフセットは反転増幅器以外には無いのですか?

もちろんあります。 非反転増幅回路での例を次回みることにしましょう。

入力オフセット電圧のところで、I2になぜ電流が流れないんですか?

入力オフセット電圧VIOを外に出したことで、 オペアンプ自体は理想オペアンプとみなすことができます。 理想オペアンプの入力には電流が流れませんから、 I2=0となるわけです。 (I2=オペアンプの入力に入っていく電流、のこと)

カレントミラーの動作と意味などが分かりませんでした。

この講義の第9回あたりにもう少し詳しく触れることにしましょう。

差動増幅回路がよく分からなかった。

この講義の第9回あたりにもう少し詳しく触れることにしましょう。

差動増幅回路とかカレントミラーの関係がいまいち分からなかった。

この講義の第9回あたりにもう少し詳しく触れることにしましょう。
戻る