第12回分
リフレッシュ動作は一秒に何回程するものなのですか?
メモリセルのキャパシタがどれぐらいの間電荷を保持できるか、
によります。一般的に数十μ秒といったところではないでしょうか。
リフレッシュ動作は煩雑ではないのですか?
もちろんそうです。
が、DRAMにはそれを補って余りある、大容量という利点があるのです。
リフレッシュ動作を行う回路の原理はどのようなものですか?
基本的にアクセスを行っていない間をみはからって
順番に自動的に読み出し(と回復)をする、ということです。
リフレッシュ動作を制御する回路はどこですか?
外部につけておきます。
セル数が多くなるとリフレッシュ時間は延びないのですか?
長くなってしまうので、頻度をあげて、セルあたりの
リフレッシュ間隔は必要時間を確保します。
DRAMは実際にどのようなところで使われていますか?
大容量が必要な、いわゆる主記憶(メインメモリ)は
ほとんどDRAMですね。
複数のメモリセルがあるときに増加するモジュールはどれですか?
行・列デコーダ、ですかね。
センスアンプはどうしてCを充電できるのですか?
けっこう動作が複雑でしたが、よく考えると充電はしていません。
つまり値が'1'の方のデータ線の電位はVCのままですから、
それを変えず、本来0Vだったのに電荷の再分配で電位が上がってしまった
'0'の方のデータ線を0Vに戻す、ということです。
ダミーセルとは何ですか?
メモリセルからの読み出し電圧を'1'か'0'を判定するための
基準電圧をつくるための回路ですね。
読み込み動作は多くの段階があるが,全て1クロックで終了するのですか?
クロックの半周期でプリチャージし、
残りの半周期でデータ線の充放電と読み出しを終わらせられますから、
1クロックで完了できます。
今回習ったメモリ構造は今後抜本的に変わるようなことがあると思われますか?
ノイマン型コンピュータの記憶装置、という意味では、
この構造がベストのような気がします。
メモリセルは小さくても周辺回路があるので結果的に大きくならないのですか?
DRAMは、それを補って余りある大容量化の可能性をもっている、ということです。
メモリとは、それほど多くのメモリセルがある回路なのです。
メモリセルのコンデンサと寄生容量の比率はどの程度ですか?
だいたい1/100ぐらいじゃないですかね。
何故破壊読出しが起こるのですか?
プリチャージしたデータ線から、値が'0'で電荷がたまっていなかった
メモリセルのコンデンサに電荷が流れ込む(電荷の再分配)ことで
電圧が上がってしまうから、ですね。
φPが良く分かりませんでした.
データ線をあらかじめプリチャージしておくための制御信号です。
DRAMのコンデンサからのリーク電力はDRAM全体の消費電力に占める割合は?
DRAMが読み書きを行っていない、ただ値を保持していないときに
消費する電力のほとんどは、コンデンサからのリークですね。
コンデンサからのリークを減らす方法にはどのような方法がありますか?
絶縁膜の品質を高くする、またはメモリセルのコンデンサの構造を
工夫する、というところでしょうか。
コンデンサを使うRAMはすべてリフレッシュが必要なのですか?
原理的にリークが避けられませんから、リフレッシュは必要です。
集積回路上でコンデンサを作ることは難しくないですか?
実は案外簡単です。
というのもメタルの配線が重なっているところはコンデンサですから、
いたるところにコンデンサがあります。
ただし大容量のコンデンサを作る、ためには、
誘電体をはさむなどの追加の製造プロセスが必要になります。
コンデンサはどのような機構でリークが発生するのですか?
絶縁膜が完全な絶縁体ではない、ということですね。
センスアンプの抵抗の大小が良く分かりませんでした.
なかなか動作が複雑なのですが、
構成しているMOSトランジスタのチャネル抵抗の大小で
考えるといいかと思います。
センスアンプを追加する位置はどこですか?
データ線の端のところ、でしょうか。
センスアンプの名称の由来は?
センス(sense; 感知)するアンプ(amp=amplifier; 増幅器)ですね。
センスアンプは1bit毎に1つ必要ですか?
いえ、データ線1組ごと、ですね。
DRAMは複雑な動作をするが動作速度は遅くならないのか?
そのとおりで、SRAMよりはどうしても遅くなります。
PCで使われているSDRAMとはどこが違うのですか?
SDRAMは、SynchronousDRAMの略で、
メモリセルはDRAMそのものですが、読み出し方法を、クロックに同期して
連続に高速に行うことができるようにしたものです。
ダミーセル,センスアンプは全てのセルで共有できますか?
理論的にはそのとおりですが、
現実的にはあまりデータ線が長くなるとその充放電・電荷の再分配の
時間が無視できないので、ある程度のブロックごとに区切って
ダミーセルやセンスアンプを置きます。
Trが"On"とはチャネルの部分が導通しているということですか?
そのとおりです。
書込み動作の説明をもう少し詳細にして欲しかった.
すいません、時間が足りませんでした。
Webページのほうを参照しておいてください。
期末テストはいつですか?
2/4ですね。
期末試験の勉強で特に重要な点を教えてください.
んーだいたい講義での時間配分どおり、といったところでしょうか。
トランジスタやコンデンサでの実装になると少し理解が難しかった.
そうですね、ただそのあたりの、回路図と物理的実体とを
つなげて考える、というあたりが集積回路の面白みでもあります。
値の読み出し差動増幅器を使うのが面白いと思った.
差動増幅器のように差をとる、という考え方は、
かなりいろいろな場面で使えますので、
覚えておいて損はないと思いますよ。
センスアンプ回路の理解が難しいです.
たしかにセンスアンプはなかなかマニアックな動作ですね。
DRAMやセンスアンプのことがとても知りたかったのでとても面白かった.
DRAMの書込み読出しの動作が良く分かった.
内容の濃い授業だった.
プリチャージ,読出しの説明がとても分かりやすかった.
ダミーセルやセンスアンプの必要性を理解することができた.
どうもありがとうございます。
一つや二つに収まらない疑問の数なのが悲しいです...
ぜひぜんぶぶつけてみてください。
センスアンプを考えた人が偉大だと思いました.
ですね。
このテのアナログの回路は、そういうのが多いです。
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