第6回
逆にスルーレートを利用して特性を得ることはあるのか?
あまり聞いたことはありませんね。
スルーレートは、制限要因です。
スルーレートのように一次関数?なるのは何故か?
オペアンプがいくらがんばっても、スルーレート以上の速さでは
出力電圧を変化させられませんから、その、めいっぱいの速さで
変化することになりますが、その速さで変化すると、直線となります。
スルーレートの速さの単位は常にV/μsなのですか?
その単位を使うことが多いようです。
スルーレートの(R2/R1)ωV0が傾きになる理由がわからなかった。
反転増幅器の出力が歪まない条件が (R2/R1)ωV0 ≦ SR となるのがいまいちわかりません。
非反転増幅回路の場合ですね。
出力電圧は-(R2/R1)V0・sinωtとなりますが、その変化の速さ、
つまり傾きは、それを微分したもの、つまり-(R2/R1)V0ω・cosωtとなります。
スルーレートSRが制限要因となるのは、これの最大値がSRを
超える場合ですから、その最大値は、cosωt=1のときの値、
つまり(R2/R1)V0ωとなります。
SR < (R2/R1)ωV0のとき、歪んだ山の先端部分は本来の波形に向かってSRの割合で直線的に伸びるのか、それとも本来の波形の形に合わせて山形で変化するのか?
山の先端部分では、変化率(R2/R1)ωV0がSRを超えていませんから、
その部分では、オペアンプは、予定通りの出力を出すことができます。
つまりひずまず、予定通りの波形となります。
各理想条件の一つ一つが現実化したときの計算はできましたが、全てが現実化したときも計算できるのでしょうか?
やろうと思えばできますね。
基本的には、すべての項目は線形で独立ですから、鳳-テブナンの定理から、それらを独立に求めて加算すればよいわけです。
Aが有限のオペアンプの反転増幅器のところで、オペアンプに電流が流れるとしたら結果に違いがでるのか知りたい。
上記のとおり、それぞれの要因をあわせて計算すれば求められるはずです。
ぜひやってみてください。
理想と現実のオペアンプの違いによって生じる違いは何ですか?
要約すると、出力が予定通りとはならない、ということですね。
オペアンプを使うときは、常に理想との誤差を考えるべきですか?
理想からのズレが目立ちやすいのは、一般には高周波(数100kHz程度以上)、
小振幅の入力(数mV程度)の場合ですので、そういう信号を使う場合には
注意をするべきです。
Aが有限のオペアンプなのに、V0 = −(R2/R1)vi (A→∞)となったのがよくわからなかった。
これは、Aが有限の場合の式を導いて、Aを∞とすると、たしかに理想オペアンプの
場合の式と同じになる、ということを確認しただけです。
オペアンプが高周波域で増幅率が下がる主な原因は何ですか?
オペアンプの内部構成に関わるのですが、出力段に、必ず
等価的にコンデンサ(容量成分)がつき、これがLPFを形成します。
これのため、周波数が高いところでは、出力段が十分増幅できず、
結果として増幅率が下がることになります。
入力オフセット・バイアス電流がどういったものか分からない。
入力バイアス電流の影響がどういうものかよくわからなかった。
理想オペアンプであれば流れないはずの入力に、電流が流れてしまうもの、
と考えてください。
これもオペアンプの内部構成に関わるのですが、入力に
トランジスタ(バイポーラトランジスタ)を使った構成のオペアンプだと、
必ずベース電流が流れますから、これが入力バイアス電流になります。
バイアス電圧とかの"バイアス"の意味がわからない。
ゼロからのズレ、のことです。
オフセット電圧の影響が増幅率に左右されない方法はありますか?
残念ながら、これはないでしょうね。
入力の電圧を増幅するのが増幅回路ですから、その電圧の内訳である
オフセット電圧と信号電圧を分けることはできません。
最後の Rb = R1R2 / R1+R2 にすると影響が小さくなるというところがなぜなのかわからなかった。
Rbをこの値にすると、出力電圧の誤差の項が入力オフセット電流
だけになります。一般に入力オフセット電流は、入力バイアス電流よりも
小さいので、誤差を小さくできます。
逆に言えば、Rbがこの値でないと、誤差の項に入力バイアス電流が
直接入ってくるので、そのまま残ってしまうわけd瀬う。
今回はAが有限のオペアンプを考えたが、Aが有限ならば入力ん電流が流れないなどの家庭は使えないのではないでしょうか?
いえ、そういうことはなく、個別に考えられるはずです。
変数が多くでてきてどのようにおけばよいかがわからないです・・・
基本的には、各点の電圧と、各回路要素を流れる電流を変数でおくのが
スジですね。
疑問ではないのですが、ヒント(解答)を出すのが少し早いかと思います。
たしかにそうですね。ちょっと時間配分を考えてみます。
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