第3回分
RCAの長所は何なのか。またRCAの欠点を補うような加算器はどのようなの物があるのか
RCAの長所は、回路構成が単純となることですね。
それ以外の加算器の構成は、次回以降にお話をします。
0桁目の加算器はHAのほうが安くつくのではないか
まったくそのとおりです。
でも、その分のコスト(価格またはハードウエア量)が、
加算器以外の回路が大規模で、これが相対的に無視できるできる場合は、
0桁目もFAを使ったほうが、構成が規則的になる、という大きな利点があります。
cn=an・bn+(an[XOR]bn)・cn-1の[XOR]を+に変えても結果が同じになるというのがわからない
a[XOR]bとa+bは、a=b=1の場合以外は値が同じで、a=b=1の場合のみ、a[XOR]b=0, a+b=1となります。
ところがa=b=1のときは、生成項gn=1となりますから、伝播項pnにかかわらず、
必ずcn=1となります。
したがって、このとき、pn=an[XOR]bnであればpn=0、pn=an+bnであればpn=1と
なりますが、どちらにしてもcn=1ですから、
pnがどちらの式で定義してあっても、結果(cn=1という)は同じ、ということです。
HAからFAにするのには、規則性があるのは分かったが、HAからFAにすると演算時間はHAの時よりも遅くなるのか
そのとおりです。
FAをあえて使う理由を説明されたが、あまりメリットを感じなかった。同じものを使うということは設計者から見て、そんなにもメリットがあるのか
コピー&ペーストが効く、ということですね。
全加算器の作り方を2通りやったが、作り方によって性能は変わるのか。またどのような使い分けをすればよいのか
HAやFAのアーキテクチャは今日の講義のものが一般的なのか。また、さらに高速に動くアルゴリズムの可能性があるのか
なかなか鋭い質問です。
講義でもお話しましたが、全加算器の作り方だけで
1冊の本ができるほど、いろいろなやり方があります。
それぞれで性能が違う(一般に速いものほど回路が大きい)ので、
適材適所、というところですね。
キャリー伝播加算器を用いれば何桁の加算でも出来そうだが、回路が複雑になったり効率が悪くなったりするのではないか
回路が複雑、といっても、ただ並んでいるだけですから、
このようなものは、「大規模」ではありますが「複雑」とは言いません。
ただしキャリーの伝播が全体の演算時間を決めますから、
演算速度は、桁数に比例して遅くなります。
加算器で減、乗、除算をするより、それぞれの専用回路を使った方がDSPのように速いのか
もちろんそのとおりです。
どの程度まで専用回路を持たせるかは、ハードウエア量との兼ね合い、になりますね。
ALUは加算器でその他の演算をしているのかそれとも専用回路を持っているのか
そのあたりは、第7回あたりで詳しくご紹介しましょう。
論理ゲート数においてはFAとHAを用いたRCAが最小なのか
そういうことになりますね。
RCAより高速な回路はどのようなものなのか
次回以降に詳しくご紹介しましょう。
なぜRCAでHAをFAにしてもよいのか
FAでcn=0とすれば、HAと同じ機能になるからです。
加算器を作るとき、FAを用いた方がいいという話だったが、逆にHAを用いた方がいい場合もあるのか
桁上がりを加味しなくてよい場合、つまり1桁の加算の場合だけは、
HAでもできますね。
生成項とか伝播項の意味がわからない
もう一度復習してみましょう。
今日の講義でやったことが電卓を作る際の基本なのか
電卓を計算機と定義するならば、計算機は加算が基本ですから、
そういうことになりますね。
戻る