第1回分
●オペアンプ
オペアンプは何に使うのですか
講義中でも順にいろいろと紹介していきますが、
いわゆる「アンプ」の実体として、かなり広い応用範囲で
用いられています。
利得Aはどうして精度良く作りにくいのか
アンプの利得は、トランジスタの直流増幅率βなどに依存しますが、
これは、製造時のバラツキの影響が、どうしても大きくなります。
(トランジスタの製造時の、例えば不純物濃度などの少しのバラツキが
増幅率に大きく影響してしまうため)
オペアンプの入力に+と-という違いがある意味がわからない
反転増幅回路の図で+と-を上下逆にしているのはなぜか
なかなかよい質問です。
細かいことは機会を見てお話しようと思いますが、
+と-を逆にすると、負帰還がかからなくなり、
安定した動作をできなくなるため、です。
2つの入力は同じくらいの電圧にしないとオペアンプは壊れるのか
抵抗などを接続して、適切なフィードバック(ほとんどの場合は負帰還)を
かけていれば、結果として2つの入力の電圧が同じになる、
という意味です。
強制的に2つの入力を異なる電圧にすることもできますが、
出力が、その差のA倍になって、∞になりそうなところ、
実際の回路では、ほとんどの場合、出力が電源電圧まで
「振り切れ」て、値が一定になってしまいます。
なぜオペアンプは電流が流れないのに回路として機能するのか
電流が流れなくても電圧が加わっていますから、
その電圧による電界によって動作する、と理解すればよいと思います。
オペアンプの入力端子に電流が流れないとはどういうことか。流れたらどうなるのか
流そうとしても、抵抗が大きすぎて、流れない、ということですね。
Vo = A(V+ - V-) で、A:∞ (V+ - V-):0は常にVo=0が成り立つのではないか
いえ、不定形ですから、Vo=0、とは限りません。
(例えばlimx→∞x・1/x = 1は、∞×0=1、となる例です)
オペアンプは理想的でないとどう違ってくるのか
講義の5回目あたりで詳しくお話しますが、
特に扱う信号の周波数が高い場合に増幅率が∞とみなせなくなり、
反転増幅器などの特性が、理想特性からズレてきてしまいます。
そのほか、微小な信号を扱う場合も、理想特性からのズレが
大きくなりやすくなります。
入力信号の周波数はなぜ無制限なのか
そのような仮定をするのが理想オペアンプだから、ですね。
出力電流が無制限なのはなぜか。普通の回路は出力電流に制限はあるのか
実際にはあります。
というのも、実際のオペアンプの出力電流の源は、電源です。
すなわち、少なくとも電源から供給される電流以上は流せないわけです。
それ以外にも、回路を構成するトランジスタが流せる電流の
限界などが制限要因になります。
増幅率が100,000くらいなら無限大としてもいいのか
用途にもよりますが、一般的には、100,000倍ぐらいあれば、
無限大とみなしても十分でしょう。
理想に近いオペアンプはすでに学んでいる素子で構成できるのか
オペアンプを反転増幅回路などのように抵抗などを使わずに単体で信号増幅に用いるとどうなるのか
●ナレータ・ノレータ
ナレータ・ノレータはどういうものかよくわからない
ノレータの任意性がよくわからない。なぜ電圧と電流が任意にできるのか
まあ、そういうものだ、と思ってください。
何故ナレータ・ノレータでオペアンプと等価な回路を表現できるのか
オペアンプの、(1)入力に電流が流れない、(2)2つの入力の電圧が
同じ、という特性を、ナレータで表現しているわけです。
何故わざわざオペアンプをナレータ・ノレータによる等価モデルで記述するのか
そうすると考えやすい(人もいる)から、じゃないですかね。
●反転・非反転増幅回路
反転増幅回路と非反転増幅回路がよくわからない
2つの回路の違いをもっと知りたい
Voを求める手順が解りづらかった。式変形についてもっと詳しく説明して欲しい
非反転増幅回路でVoからR1,R2へと電流Iが流れるのがよくわからない
オペアンプの特性とあわせて、もう一度復習しておきましょう。
何が反転しているのかよくわからない
出力電圧と入力電圧の電圧の符号が逆、という意味ですね。
反転増幅回路でVo=0-R2*I としていたが、ノレータの存在は考えなくてもいいのか
結果としてノレータは、まわりの条件(抵抗R2など)から決まる
電圧がかかり、かつ、出力側に接続する負荷(反転増幅器の回路図には
描いてありませんが、実際の回路の使用場面では、必ず負荷が
つながります)に流れる電流が流れ出る必要がありますが、
これらをつじつまがあうようにしているのがノレータ、ということです。
●負帰還回路
負帰還回路がよくわからない。図の意味がわからない。なぜ"負"帰還と呼ぶのか
出力をH倍したものを、入力から「引いている」から、ですね。
負帰還回路はどのようなところで使用されるのか
増幅回路としては利得が減るのに負帰還回路はどうして使うのか。負帰還を行うことでどのような利点があるのか
負帰還回路では、出力が何らかの事情で変化すると、
回路全体として、その影響を抑える向きに働きます。
つまり、全体として、「安定」になっている、といえます。
増幅器と減衰器がよくわからない。増幅器と減衰器をどういう風に使い分けるのか。具体的にはどのように構成するのか
減衰器は、ほとんどの場合、抵抗などによる分圧、でつくります。
また増幅器は、オペアンプのように、「十分増幅率が大きい増幅器」
として使います。
減衰器の減衰率Hの決め方がよくわからない
抵抗の分圧そのもの、ですね。
減衰率Hのほうが増幅率Aに比べてより高い精度で作りやすいのはなぜか
先の「トランジスタの製造時のバラツキ」のところを参照してください。
減衰器の減衰率H(0
1/H>1となりますから、出力電圧は入力電圧より大きいわけで、
「増幅している」といえます。
負帰還回路でVi=V1 となるのがよくわからない
?
負帰還回路の計算で,A(Vi-A*H*Vo) = Vo(1+AH) となるのはなぜか
式を丹念に追ってみてください。
●その他
具体的にどういうことを学んでいく授業なのか
最初にお配りしたレジュメの通りです。
もうちょっと板書を濃く書いて欲しい
すいません、、気をつけます。
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