第11回

●電源回路・整流回路一般

それほどに脈流の変化分を取り除く電源回路はどこに使われているのか。今回のものは一般的な家庭で使用されていたりする整流の方法なのか

ほとんどあらゆる電子機器は、かなり安定した(変化が少ない)直流電源が 必要なので、電圧安定化回路が入っています。

現実の回路には全波整流回路と平滑回路を用いた仕組みが使われているのか。整流回路だけでいい実用的なものはあるのか

さすがに平滑回路を入れないと、「直流っぽい」とはいえませんね。

全波整流+平滑化+安定化の回路を組み合わせたものが電源回路と考えていいのか

簡易的にはそういうことです。

実際に電圧安定化回路を組んだとしてそんなにうまくいくものなのか

まあ、それが、うまくいくものなんですね。

●半波整流回路

効率は悪いが半波整流も実際に使われているのか。半波整流を使うことの利点はあるのか。全波整流・半波整流の使い分けはどのようにすればいいのか

半端清流回路のメリットは、部品点数(ダイオードの数)が少ないことです。 部品点数と効率のどちらを優先するか、というところで 選択することになります。

●全波整流回路

全波整流の回路構成には他の方法はないのか。ダイオードを少なくする方法はないのか。実験ではダイオードが2個の構成をやったが、それは実用では使われないのか

ダイオード2個でも全波整流回路をつくる方法はありますが、 入力側で、中間電位が必要になります。 具体的には、中間タップのある変圧器が必要になります。

●平滑回路

脈流が何なのかよくわからなかった。脈流が生じる原因がよくわからなかった。半波整流した電圧を平滑回路に入れた場合でも脈流というのか

脈流とは、変動が小さいけど、一定ではない波形、と考えてください。 生じる理由は、コンデンサへの電荷の出し入れがおこるためです。 半波整流回路からでも、もちろん脈流になりますが、 電圧がゼロの期間が長いので、変動は大きくなります。

Cを十分大きくするだけでは脈流は取り除けないのか。どの程度の精度まで脈流を小さくすることが出来るか

脈流の変化分を完全に0にすることはできないのか

脈流を取り除く際、LやCを組み合わせるだけで軽減できないのか

もちろんCを大きくすれば脈流の振幅は小さくなりますが、 あまり大きなCは、物理的に大きいので、 実際の利用は現実的ではありません。 結局、物理的サイズの制限と、許容する脈流の振幅との兼ね合いで、 Cの値を決めることになります。 またインダクタを使うことも現実的ですね。

並列のR,Cに入力する前に直列に接続されているRにかかる電圧は考えなくてもいいのか。この抵抗Rは何のために用いているのか

負荷に流れる電流しだい、ですね。 実際にはこのRはゼロでもかまいませんが、 電圧の変動分を考えやすくするために、仮に入れました。

平滑回路の入力をフーリエ展開すると、ピークより低い直流成分と交流成分の和となる。Cが十分大きければ、交流成分に対してはVo=0となるので直流成分のみが残るが、重ね合わせの理から、全体のVoは、この直流成分のみとなり、入力電圧のピークより低くなるのではないか?

フーリエ展開すると、交流成分の無限級数になりますが、 各成分はCによってゼロに近い無限小になりますが、 その無限級数和は不定形となります。 その総和が、差分になるという理解でよいかと思います。 (2007/2/13訂正) 説明が間違っており、かつ不十分でした。訂正します。 半波/全波整流した電圧波形を、理想的な電圧源として与えると、 たしかにご指摘のように、直流分のみが残ります。 つまり得られる直流電圧は、整流した電圧波形の波高値ではなく、 その1/π倍(半波整流の場合)となります。 しかし正弦波交流をダイオードで整流する場合、 整流後の電圧がコンデンサの電圧よりも低くなった場合、 ダイオードが逆方向接続になるために正弦波交流の電源側に 電流が流れず、コンデンサの電荷は、負荷にのみ流れます。 そのため、脈流が得られます。 (ダイオードを用いない場合は、この状況でコンデンサから電圧源側に 電流が流れ、コンデンサの電圧が下がる)

●電圧安定化回路

電圧安定化回路の仕組みがよくわからない

出力電圧をみながら調整する回路、と考えてください

Voが一定でないと電子回路にはどのような影響があるのか

簡単に言うと、動作が不安定になりますね。

実験ではツェナーダイオードを使っていたが、今回やったトランジスタやオペアンプを使った方法と比べてどんな違いがあるのか

Vrefがなんなのかよくわからなかった。どうやって安定した参照電圧源を準備するのか

ツェナーダイオードは、一定の電圧をつくることができますが、 あまり電流を流すことができません。 そのため、電流を負荷にたくさん流すことが必要な 「電源回路」としては不十分といえます。 ただし一定な電圧ですので、電源安定回路の参照電圧として 使うことができます。

オペアンプだと利得が非常に大きいため、不具合があると容易に問題が生じそうだが大丈夫なのか

負帰還がかかっているので大丈夫ですよ。

可変抵抗Rを作るときのトランジスタの動作がよくわからなかった。電流・電圧を用いての抵抗値を変え方がよくわからなかった

トランジスタとはそういうものです。 結果としてC-E間の電流と電圧の比(=抵抗)が変わる、ということです。

●その他

コンデンサと充電できる電池とは同じものなのか

ある意味、同じといえます。 ただしコンデンサは、電流が流れると電荷が減って、 それにあわせて電圧が下がりますが、 電池は、あまり電圧が下がりません。

トランジスタがトランス・レジスタの造語であるように、電子回路の用語には他にも造語はないのか

ぱっとは思いつきませんが、けっこうありそうですね。