第11回

●現実のオペアンプの回路・全般

オペアンプを実現するのにトランジスタは必須なのか

電流の流れを入力に応じて変えるために、トランジスタのような、 いわゆる「能動素子」が必要になります。

オペアンプの作り方には他にどのようなものがあるのか。差動増幅回路を用いないオペアンプはあるのですか

オペアンプは差動増幅そのもの、ですね。

回路の各所で使われている抵抗はどう効いてくるのか。抵抗値の大きさは動作に影響ないのですか

抵抗は、加えた電圧に応じて電流を流す素子、と考えるとよいでしょう。 抵抗の大きさは、実際の設計ではシミュレーションをしながら 決めていきます。

回路図中でどこにどう電圧がかかる等がいまだによくわからない

電流の流れる向き=電圧の高い→低い、とみていくと、 いいんじゃないですかね。

相互コンダクタンスgmとは何か

ベースに加える電圧と、コレクタに流れる電流の比、と考えてください。

V1, V2, I1, I2を変化分(v, i)にして考えるのはなぜか

トランジスタの相互コンダクタンスgmが、交流分(変化分)に対する 小信号等価回路で与えられるためです。

差動増幅回路では電流の変化分を扱って、カレントミラーでは電流そのものを扱っているのに、それらを合わせてその違いは問題にならないのか

カレントミラーに流れる電流のうちの変化分を、と考えればよいでしょう。

最後のio=gm(v1-v2)のioをvoにしたら、カレントミラーと差動増幅回路を組み合わせたものがオペアンプの回路になるということなのか。ioをvoに変える回路を知りたい。何か素子を接続しないとvoにはできないのか

電流を電圧に変換する一番簡単な方法は、抵抗をつなぐことです。(V=IR) ただしこれだと、肝心の負荷にあまり電流を流せないので現実的ではありません。 他には、例えばトランジスタ(MOSではない)でエミッタ接地増幅回路などを 構成すれば、ベースに流れる電流からコレクタに現れる電圧への変換回路、 として使うことができます。

差動増幅回路のgmはオペアンプの利得と同等のものなのか。相互コンダクタンスはオペアンプの増幅率Aと関係あるのか

gmに、上述の最後に電流から電圧に変換するときの増幅回路の利得、を かけたものが、オペアンプ全体の利得、になります。

●差動増幅回路

差動増幅回路はオペアンプなどで最もよく利用される回路なのか。オペアンプ以外ではどのようなところに使用されるのか

差動増幅回路の単体は、オペアンプのための回路、と言っても過言では ないかと思います。

最初の回路図で、下端が両方とも接地では電圧をかけられるものなのか

厳密には、あの下端の抵抗は電流源として働くべきもので、 2つのトランジスタのエミッタ電流の和が一定になる、というのが ポイントになります。

例えばv2 > v1 となった場合など、電流の向きを考えたときに式はどのようになるのか

電流が負になるだけで、同じじゃないですかね。

ベースが接続されているわけでもないのに、2つのトランジスタのベース電圧が等しいことがよくわからない

?これはカレントミラーの話?

v1, v2が同じ比例定数gmで表されていたが、それぞれ別の比例定数にならないのか

同じ相互コンダクタンスgmをもつトランジスタを使う、ということです。 実は差動増幅回路の設計では、この2つのトランジスタの特性をあわせるのが 重要になります。

●カレントミラー

カレントミラーはI1=I2となるからカレント"ミラー"なのか

そゆことです。

カレントミラーの仕組みがいまいちよくわからなかった。カレントミラーを用いたときの利点がよくわからなかった

あるところに流れている電流を、別のところに「コピー」できる、と 考えればよいでしょう。

オペアンプ以外ではどのようなところで使われているのか

電流源として使われます。

IC = βIB の式で、βが低いときでもIBを無視していいのか。直流増幅率が100倍程度でも本当に無視していいのか

普通のトランジスタは、β(直流増幅率)は非常に大きい(小さいものでも100以上) ので、IBはほぼ無視できます。 まあ程度問題ですが、βが100以上(つまりIBはICの1/100以下)であれば、 IBは無視しても、ほとんど差し支えはないでしょう。

I1-I2を求めるところで、I1 = IC1+IB1 としていたがIC1+IBではないのか。IBをIB1としたのはなぜか

お。失礼しました。板書で間違えていたようです。 ご指摘の通りです。

Io = I2-I1 からIo = I1-I2になっていたが問題はないのか

まあI1とI2を入れ替える、ということで・・・

IE1 = IE2となる理由がよくわからなかった。トランジスタのベース電圧が等しいことからくるというのがよくわからなかった

2つのトランジスタのベースはつながっていますから、同じ電圧です。 トランジスタのエミッタ電流IEは、ほぼベース電圧で決まりますから、 2つのトランジスタのエミッタ電流は等しくなります。

●その他

テストがんばります

はい。

雪が結構積もっていて車で来るのが大変です。先生の愛車は何ですか

日産のLAFESTAというやつです。 やや燃費が悪いのが玉にキズ。 あと天井がガラス張りにできるのですが、 夏は暑くて、冬は雪がつもって空が見えないのが、盲点です。