第3回分

●フィルタ全般

フィルタはどんなところで使われるのか

信号を扱うもの全般、ですね。 講義中には、例として、オーディオのイコライザや 高音・低音の調整の話をしましたが、それ以外でも、 信号を扱うシステム全般、で使われます。

LPFはどのような働きをするのか?どういうところで実用化されているのですか

例として低音強調の話をしましたが、LPFとは、要は高い周波数の信号を 取り除くわけですから、例えば、いわゆるノイズは高い周波数の成分の 信号であることが多いので、ノイズの除去にも使えるわけです。

多重帰還型フィルタ回路のような複雑な回路も身の回りのものにたくさん使われているのか

上記のように、フィルタはいろいろなところで使われますが、 一見複雑な回路でも、設計してしまえば、実際に作るのは 実は案外面倒でもないです。

HPFはどんなフィルタですか

その名のとおり、(カットオフ周波数より)高い周波数の成分の 信号を通すフィルタ、です。

2次LPFはωが大きいと1次LPFよりH(ω)が小さくなるという感覚がよくわからない

ωがカットオフ周波数より大きいところでは、H(ω)の分母にωがあるのと、 ω2があるのを比べれば、後者のほうがH(ω)は小さくなる、 ということでしょう。

2次LPFをグラフにするとどのようなものになるのか知りたい

ωがカットオフ周波数よりある程度大きいところでは、H(ω)は ω2に反比例しますから、対数軸で描けば、 傾きが2倍の直線、になります。

1次,2次LPFがそれぞれ何種類もあるが、種類が多いとどんな利点があるのか

素子感度や回路規模などの特徴が異なりますので、 用途に応じて使い分ける、わけですね。

●VCVS(Voltage Controlled Voltage Source)型

VCVSは何の略ですか

上記のとおり。

VCVS型フィルタの説明で、等価回路を環状にしていたがいいのか

あの回路では、あのように考えるとわかりやすいかな、と 個人的には思うので、あのような等価回路で考えてみました。 他に自分でわかりやすい方法があれば、それでもよいです。

●多重帰還型

多重帰還は何を帰還するのか

出力を、2回にわけて入力のほうに帰還している、という意味ですね。 出力から入力にいたる経路が2つあります。

多重帰還回路のRはなぜ感度が小さいのか

伝達関数の式を解いてみると、ということになります。 具体的には、H(ω)をRで偏微分すると、わかるかと思います。

●伝達関数H(ω)

交流電圧源の表示は、交流なのに+を用いて表記しているのはなぜか?なぜわざわざ+と明示するのか

viとvoは交流なのに向きが決まるのはなぜか

交流電圧源が2つありますので、どちらが+かを示さないと、 キルヒホッフの電圧則(KVL)を適用するときに困るでしょう。

伝達関数H(ω)を求める計算が複雑でよくわからなかった。もっと詳しくやってほしい

式変形の上手いやり方がわからない

式の導出がとても難しいのだが、覚えなければいけないのか

今日やったようにオペアンプを使った回路から実際に伝達関数を求めるような問題はテストにでるのか

覚えなくてもいいですが、ぜひ一度は、自分で求めておいたほうが よいでしょう。 複素数の計算を、丹念に追っていくしか、ないようです。

KCLとは何ですか

キルヒホッフの電流則(Kirchhoff's Current Law)です。

3種類の2次LPFでH(ω)の式は同一であるものの、ωc, Qを異なる値としているように思われるので、同一になる理由がわからない

ωcやQは、回路中のCやRで決められますから、 同じωcやQをもつ2次のフィルタを作ることは可能ですから、 式の要点が同じであれば同じような回路と考えてよいでしょう、 という意味です。

3種類の2次LPFでωc, Qの値が各々違うことから優劣はどのように決めるのか

上述の素子感度などが、主な評価要因ですね。

LPFのωc, Qのおき方がよくわからない。 多重帰還型2次LPFで、なぜQ=(1/3)*√(C1/C2)とおくのか

2次のLPFのH(ω)の標準形、というのがありまして、 その形にあわせるために、Qをそう置いたのでした。

●素子

素子感度の大きい小さいはどこで決まるのか

素子感度についてよくわからなかった

H(ω)を、CやRなどの変数で偏微分したものの大小、ということになります。

「素子感度が小さい」というのはフィルタの動作が各素子による誤差が小さいという意味か

そう考えてよいと思います。

LがCやRに比べて作りにくいというのはわかったが、オペアンプが一番小さくなるというのはなぜか

なかなか鋭い質問です。 オペアンプは、実際には集積回路(LSI)として作られますが、 集積回路では、抵抗やコンデンサよりもトランジスタのほうが 小さく作ることができます。 この講義の最後のほうで、少しだけ触れる予定です。 詳しくは3年生の集積回路工学第1/第2で・・・

コイルを使うと高くつくのはなぜか

導線を巻かないといけないから、ですね。

●その他

復習でやった内容はいつの復習になるのですか

基本的には先週のはずです。

先週は休講だったと思うのですが演習があったのですか

前回(10/6)は、第1回(オペアンプの最初)に関する演習、ですね。

テストには式の証明はでるのか

証明はないですね。 その場で式を導くのは、多少はあるかもしれません。 気になる方は、過去問をどうぞ。

Cが抵抗になるのがよくわからない

インピーダンス(「抵抗のようなもの」)のことですかね。 Cでも、交流であれば、電圧を加えれば電流が流れますから、 その両者の比が、インピーダンス、という意味です。 直流では、オームの法則から、この比は抵抗そのものになります。
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