第6回分
●オペアンプ全般
理想的なオペアンプとそうでないオペアンプをどういうときに使い分けるのかわからない
理想オペアンプからのズレがひどくなると動作に問題はないのか
実際のオペアンプを使うとき、このようなことも考慮に入れて設計するのか
実際のオペアンプでの測定の際に気をつけなければならないことは何か
扱う信号の特性によって、考えます。
周波数が高い場合や、振幅が小さい場合には、特に気をつけるとよいです。
今日の演習の条件は理想オペアンプの設定も入っているようだが実際のものなのか
実際のオペアンプのある特性について考えるとき、注目しているもの以外を理想であると仮定していたことがよくわからない
何かの特性に着目するときは、その他は理想として考えるのが一般的です。
実際のオペアンプを使用するときには非常に複雑な式を扱うことになるのでしょうか
式で考えることは、実はあまりなくて、spiceなどによる回路シミュレーションや、
最後は、実物の計測とtry&error(試行錯誤)、ですね。
実際のオペアンプの理想からのズレを中心に考えているが、他の回路の場合も同様に誤差を減らせるのか
ある程度は回路構成の工夫で低減できる手法があるようです。
興味のある人は調べてみましょう。
実際のオペアンプの理想からの誤差は、具体的にはオペアンプのどのような内部構造によるものなのか
そのとおりです。
実際のオペアンプは種類によってどの程度特性・性能の幅や偏りが生じるものなのか
今回のレポートで調べていただいたとおりです。
ナレータ・ノレータは理想でないオペアンプでも使えるのか
いえ、無理です。
ナレータは、理想オペアンプを等価回路で考えるときのものです。
●演習全般
ズレ分が正の値であったり負の値であったりするのは何かと関係があるのか
電流の流れる方向によって電圧が"+"か"-"か変わるので、非常にわかりづらかった
実際には符号はあまり気にしません。
vo = A(V+ - V-) の式がよくわからなかった
ぉぃ。(オペアンプのおおもとの式です)
v'やI'の意味がいまいちよくわからない
有限な増幅器の影響と入力バイアス、オフセット電流の影響を同時に考えた場合、v- = v+ = Ib+ * Rb, vo = v- - (I - Ib-)*R2 となるかどうかわからない。v' = Rb*Ib+ で"-"がつくのはなぜか
ノートをもう一度見返してみましょう。
今日の非反転増幅器の演習のように答えを覚えておくといい式は他にあるか
まあ反転と非反転の式、ぐらいで十分じゃないかと思います。
●スルーレート SR
SRを求める過程がわからない
ノートをもう一度見返してみましょう。
「出力が歪む」とはどういう状態かよくわからない
波形が、理想(本来こうあるべき、という形)とは異なってしまう、
ということですね。
例えば音であれば、いわゆる「ひずみ」の原因になります。
SRは波形歪みの他にも入出力に様々な影響を与えるものなのか
いえ、基本的には出力波形のひずみ、だけです。
1つ目の演習で 10ωVo ≦ SR という条件式が出てきたが、入力電圧の振幅が大きい場合でも周波数が小さければ問題ないということか
そのとおりです。
ω=10kHz とあったが、2πはつけなくていいのか
角周波数が10kHz、という意味ですね。
周波数fでいえば、f=(10/2π)[kHz]です。
SRの(注)での回路が非反転でも同じように求めることが出来るか
もちろんそうです。
SRはオペアンプ自身が、出力にどこまで追従できるか、という
パラメータです。
●増幅率の影響
オペアンプの増幅率が有限値のときに、v- ≠0 なのにオペアンプに電流が流れ込まないのは正確でないのではないか
いえv-が0でなくても、電流は流れ込みません。
それが(入力インピーダンスに関して)理想オペアンプ、というものです。
●入力オフセット電圧
オフセットが何かよくわからない
もう一度ノートを見返してみましょう。
入力オフセット電圧には入力からVIO下がっただけと考えていいのか
入力オフセット電圧の影響を考えるときに、入力オフセット分だけ入力電圧をずらして入力しておいたならば、オペアンプを理想と考えてもいいのか
そのような理解でよいと思います。
変数の置き方で、v+, v-ではなくv'を用いて表現する利点は何か
そう書いたほうがわかりやすいかな・・・と思って置きましたが、
もちろん自分がわかりやすい置き方でよいですよ。
入力オフセット電圧に注目する際には増幅率の大きさとズレの小ささとどちらをより重視するものなのか
それは用途しだいでしょう。
入力オフセット電圧は現実に何が原因で生じているのか
オペアンプ自身の中身の回路の中のトランジスタの、
製造時のバラツキ、です。
詳しくはこの講義の最後に触れますが、
具体的には差動増幅段のトランジスタ、です。
入力オフセット電流≠0 で入力オフセット電圧=0 というオペアンプが存在するのか
理論的にはありえますが、現実には、オフセットを完全に0にすることは
不可能です。
入力オフセット電圧と入力オフセット電流を別々に考えたが、実際は同時に存在するはずで、その場合にはnoをどのようにして求めればいいのか
両方がある場合の等価回路で考えるとよいでしょう。
●入力バイアス電流・入力オフセット電流
入力バイアス電流・入力オフセット電流がよくわからない
Ib-, Ib+の意味がわからない
入力バイアス電流と入力オフセット電流の違いがよくわからない
もう一度ノートを見返してみましょう。
バイアス電流の値をどのように調べればいいのかよくわからなかった
実際にはなかなか難しいですね。
微小電流を計測できる電流計で測るのが現実的でしょうか。
Rbによって入力バイアス/オフセット電流の影響を小さく出来る原理がよくわからない
式の上でそうなる、ということですね。
ちょっと直感的には理解しにくいかと思います。
入力バイアス電流・入力オフセット電流があるとどのような影響が生じるのか
出力が理想からズレてくる、わけです。
一般的に バイアス電流 > オフセット電流とあるが例外はあるか
あまりないですね。
その理由は、オペアンプを集積回路としてつくるときに、
トランジスタの特性は、相対的にはあまりズレない、という
特徴にあります。
オフセット電流は(Ib- - Ib+) の絶対値になるのではないのか
まあ、そのとおりです。
入力オフセット電流は絶対値で定義されているが、Ib-とIb+のどちらが大きくなるのかは完全にランダムなのか
ランダム、というか、オペアンプの製造時のバラツキ方しだい、です。
入力バイアス電流Ib+は接地しているので電圧は0だが、電流は流れているのか
そういうことです。
入力バイアス電流のところで、どんなときにGNDから電流が流れるのか
オペアンプ自身が電流(入力バイアス電流)を流す、ということです。
入力バイアス電流でなぜ Rb = R1*R2/(R1+R2) ならば、と仮定するのか
Rbをその値にすると、入力バイアスの影響を低減できる、という意味です。
入力バイアス電流を表現するのにRbを使うという発想がどこから出てくるのか見当がつかない
それは、あまたがいい人が思いついたうまい方法、ということでしょう。
本当の反転増幅器にはRbが付いているのか
入力バイアス電流の影響を少しでも低減したい用途では、
Rbをつけたほうがよい、ということになります。
●試験
中間試験はあるのか
ありません。
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