第11回

メモリ関係

それほど大きなメモリを用いないのであれば,最新のものを使わなければ理想的に保てるのですか.

SRAMのリーク電流のことですね。 たしかにそうです。

DとNのつながり方がよくわかりません.

両側の横にある2つのnMOSが、WLでONになる、と考えてください。

書き込み時にN=1のときON抵抗を小さくすればN=0となるのがわからなかったです.また読み込みのときはどうしているのですか.

もう一度回路図を整理してみるとよいかと思います。 抵抗の分圧、になります。 読み込みのときは、Dと/Dに出てくる電圧を電圧比較器に入れて 読み出します。

読み出し,書き込み時の"頑張って"と"頑張らない"の定量的な違いがわかりません.Rnの値を制御するのでしょうか.

Nの電圧が抵抗の分圧で決まりますので、Rnを小さくなるように設計する、 という意味になります。

書き込み時と読み込み時でどちらの方が消費電力は大きくなりますか.また,最後以外は同じということですか.

ほとんど同じですが、書き込みの方が、一時的な貫通電流が流れますので、 消費電力がやや大きいように思えます。

SRAMのメリットがなくなっているのになぜ改善を考えてまで使うのですか.

電源さえ入れておけばデータが保持される、という利点があるから、ですね。

WLを使って行を選択するのはわかりましたが,そのあとどうやって列を見ているのですか.D,Dバーはたくさんあるはずなのに.

まったくその通りです。 講義では触れませんでしたが、そのD, /Dの中から、狙いのものを セレクタで選んで、アクセスすることになります。

メモリは2次元でなく3次元の配列で考えることはできるのでしょうか.

理論的には可能ですが、実際には作るのが大変そうです。

とても大きいメモリが開発されたというようなニュースを見ましたが,ハードディスクは必要なくなるのですか.

そのあたりは、微妙なところで、まだはっきりとした見通しが 立てられないところのように思います。

256MbitSRAMのとき,2^14*2^14で14入力2^14出力になぜできるかがわかりません.

2^14通り、は、14ビットで表されますから、 14ビットの2進数から、2^14本のうちの1本を選ぶアドレスデコーダ回路を つくることができる、ということです。

行でコーダの入力がA0~AN-1で,なぜ出力がWL2^N-1まであるのかわかりません.

Aの数はN本なので、WLは2^N本で、WL(0)〜WL(2^N-1)、ということです。

DDR,○○SRAM,DRAMの話もできればしてほしいです.

DRAMは次回・・・

SRAMが安定しているときにメモリがされている値が劣化してしまうことはないのですか.

電源さえ切らなければ、インバータペアの値は消えません。

SRAMのSとは何ですか.

Static...

SRAMがなぜインバータが2つ含まれているのですか.1つだとだめなのですか.

1つだと、値を「保持」できない、です。

SRAMの動作速度はどれくらいですか.

SRAMのアクセス速度は、ほとんどがWLやD, /Dの充放電に要する時間ですので、 そこの設計方法しだいなのですが、10ns程度のものは普通に見かけますね。

最近のSRAMの消費電力が大きくなっているということは,消費電力が制限されるせい頻度は最新のSRAMを使っていないのですか.

SRAMには電源を切らなければ値が消えない、という特長がありますから、 適材適所、というところでしょうか。

規模が小さい事がSRAMは優れたメモリであるということなのでしょうか.

いえ、電源を切らなければ値が消えない、というのが 最大の特長と言えると思います。

デコーダは具体的にどのようなものなのかわからないです.

積和標準形の論理式で考えてみるとよいと思います。

パソコンのメモリには,DIMMやDDRなどいろいろありますが何が違うのですか.

基本的には、メモリLSIから外へのデータの読み出し・書き込みの 方法の規格、ですね。

書き込み動作のところで,NはpMOSでVDD,nMOSでGNDにつながっているとの事ですが,逆はありえますか.駄目ならnMOSとpMOSの違いを教えてください.

nMOS, pMOSは、それぞれVGSが正または負のところで 「ON」になることができますので、逆はできません。

微細化・リーク電流関係

SRAMにスケーリングによる微細化を行うとリーク電流が発生するのはなぜですか.

微細化とリーク電流のつながりを詳しく知りたいです.単純な反比例などの関係ですか.

要因はいろいろありますが、主なものは、ゲート電極の下の 酸化膜が薄すぎて電流がもれてしまう(ゲートリーク)ことと、 ソース-ドレインの間が近くなりすぎて、OFFのときでも 電流が流れてしまうこと、です。

リーク電流はメモリには影響を及ぼさないのですか.

値の保持自体には影響はありません。

リーク電流のあるかぎりSRAMの今以上の性能の向上は望めないということでしょうか.

リーク電流を以下に減らすか、という工夫がポイントといえます。

トランジスタの微細化が進むと,リーク電流は大きくなるのですか.

基本的には上記の理由のため、増えます。 いろいろと減らす工夫は研究されています。

その他

最近のUSBメモリは電源もないのにどうやって値をずっと保持し続けているのですか.HDDみたいな磁気ではないと思うのですが.

この講義の最後にお話しますが、不揮発性の半導体メモリ、というものが 存在します。