第5回分

TGは実際何につかわれますか.

TGを組み合わせることで他に何か回路を作ることはできるのですか.

いろいろと使いでがありますよ。 いろんな論理ゲートを作ることもできます。

全加算器はやはりその3のTGを使うものが主流なのですか.

結局は用途次第、ですね。 TGの構成は、トランジスタ数は少ないので、回路規模は小さくなります。

TGとCMOSスイッチは違うのですか.

同じもので、呼び方が違うだけ、です。

TGを用いた全加算器とセレクタを用いたそれでは,回路の効率的にはどれくらい違うのでしょうか(スピード,コスト,実用面etc.).

用いるトランジスタの大きさなどのパラメータによるので 一概にはいえませんが、前述のように、一般に回路規模はほぼ最小になります。

TGはなぜ,nMOS,pMOSをくっつける必要があったかわからない.それぞれ一つにしても同じ動作だと思うのですが,常に二つで一組ですか.

MOSトランジスタを、理想的なスイッチとして考えるとわからないのですが、 実際には、nMOSは、理想的なスイッチ、すなわち両端の電圧が同じになる、 ということはなく、高い電圧を加えたときは、両端の電圧が、 nMOSのしきい値Vtの分だけ差が生じてしまいます。 つまり、1を伝えるときに、少しだけ電圧が下がってしまうことになるので、 そういうことが起こらないpMOSを並列につないであるのです。 逆に0を正しく伝えるために、nMOSが必要になります。

全加算器の作り方で,なんで急にTGがでてきたのかわかりませんでした.

まあ、そういう作り方もある、ということで、紹介しました。

回路を小さくするにはTGを使う以外にも方法はあるのですか.

回路構成次第、でしょうか。

◎の演算の式がよく分からなかった.

まあノートをゆっくり見返してみましょう。

BCLAが結局難しく計算して速くなっている気がしないです.

次回紹介しますが、結果として、劇的に速くできる方法があります。

BCLAのO(log2N)がよく分からなかった.これは時間計算量のことですか.

計算に要する回路の段数、すなわち演算時間のオーダー、ということです。

BCLA改良後における演算時間はどうなりますか.更に改良の余地はありますか.

いやあ、O(log2N)以上にはできないですね。

BCLAでN桁の◎段数がO(log2N)となるのがわかりませんでした.

BCLAのオーダーの出し方がよく分からなかった.

BCLA(改良後)の構成をとると、8桁なら3段、16桁なら4段、というように 確かに段数がO(log2N)になります。

CLAには4ビット〜8ビットまでという制限があったがBCLAには高速で動作させることが可能なビット数の上限はあるのですか.

基本的には構造が規則的で、多入力のゲートもありませんので、 何ビットでも大丈夫そうです。

MOSトランジスタを用いたBCLAなどよりも小規模な加算器も存在するのですか.

回路規模、という意味では、RCAの方が小さいですし、 さらに、1ビットの加算を順にクロックごとに行う方式の加算器のほうが さらに回路規模は小さいですね。

BCLAで一番下の桁G-1,Q-1は0なのに回路に入っているのが無駄に感じるのですが,なくすと設計できないのでしょうか.わかりやすくするために入れているのでしょうか.

全体の構成を規則的にするための措置、と考えるとよいでしょう。

回路規模が大きく複雑でも,ルールを定めてしまえばコンピュータに設計させることができ,"複雑"というのがハードルに思えないのですが,実際に設計に携わらないとわからないですか.

複雑さ、は、たしかに問題にならないのですが、 CLAの場合は、複雑さ、より、多入力ゲートが必要、という意味で 多ビット化は現実的ではなくなってしまいます。

集積回路だと規模より規則的な事が重要との事ですが,規則的だとどんな風に有利なのですか.

同じもの(回路ブロック)を、ただ並べればよいから、ですね。

セレクタを使った回路にするといかほど処理の速さや消費電力に影響がでるのでしょうか.

用いるトランジスタのサイズなどのパラメータ次第で、 一概には言えないのですが、回路は小さいのですがやや遅い、 というところでしょうか。

SnのCn/(An+Bn+Cn)はAn(EXOR)Bn(EXOR)Cnではだめなのですか.

いえ、もちろんそれでもいいのですが、 このように書くこともできて、EXORを使わない構成もとれますね、 という意味です。

最後のセレクタでSnを求めるのはA(EXOR)B(EXOR)C= Cn(A(EXOR)B)N+CnN(A(EXOR)B)だと思いました.

確かにそうですね。

セレクタを使った全加算器がよく分からなかった.

全加算器の作り方のその2でSnのしきの作り方がよく分からなかった.

全加算器のCnを先に求める方法がよく分からなかった.

ぜひもう一度ノートを見返してみてください。

(Gn+Qnqn-1)+Qnqn-1=gn+qnがわかりません.

そのようにおいてみましょう、という話です。

教室は変更できないのでしょうか.

すいません、無理のようです。

Cn=AnBn+Cn-1(An(EXOR)Bn)はCn=AnBn+Cn-1(An+Bn)でもいいと言っていましたが,An=Bn=Cn-1=1の場合結果が変わる気がします.

いえ、変わりませんね。 An=Bn=1の時点で、AnBn=1ですから、必ずCn=1となります。

(g0,q0)=(G0,Q0)◎(g-1,q-1)=(G0,Q0)◎(G-1,Q-1)という式でなぜ(g-1,q-1)を(G-1,Q-1)に置き換えられるのですか.

それは(g-1,q-1)が、その直前の式変形と考察から、(G-1,Q-1)と 等しくなっていたからです。
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