第1回分
オペアンプ、負帰還回路
V+−V−=0だとVOも0になってしまってAの意味が無くなってしまうと思ったのですが、一体何を増幅しているのか?
理想オペアンプでは、Aが無限大ですから、V+-V-は、厳密には
ゼロではなく無限小、ということになります。
したがって、無限小×無限大で、有限のVoが出てくることになります。
Aの充分大とはいくつくらいの値から充分大と扱われるのか?
扱う信号や、反転増幅器などの全体の増幅率(R2/R1)によりますが、
目安として、反転増幅器であればR2/R1の10倍程度以上あれば、
十分大、とみなしてよいでしょう。
A(増幅器)はなぜ微調整が効かないのか?元からの仕様なのか?
増幅器を構成するトランジスタ1個1個の特性を、厳密に制御して
製造することが困難であるため、です。
詳しくは、3年生の集積回路工学第1/第2などで触れます。
オペアンプの入力に電圧電流が流れないのは何故か?オペアンプの内部抵抗が高いからなのか?
そういうことです。
オペアンプ、負帰還回路は実際どのような機器にどう使われるのか?
増幅回路ではほとんどすべて、といってよいでしょう。
オペアンプでの出力Voが有限の値をとると言える理由はあるのか?
「無限大の電圧には、現実にはならない」という背理法でいかがでしょうか。
オペアンプの回路は全て負帰還回路の一種という話がよく分かりませんでした。
負帰還回路で出力の一部を入力にマイナスとして加えるメリットは?
実はちょっとごまかしてしまいました。すいません。
反転増幅器の例をよく見ていただくとよいのですが、
例えばオペアンプの出力が、本来の値から何らかの要因で増えてしまったと
しても、出力の一部がオペアンプの−入力に帰還されているため、
それを戻す(減らす)ように働き、結果として出力が一定に保たれます。
これが負帰還のはたらき、です。
反転増幅器、非反転増幅器のボード線図はあるのか?
はい、もちろん考えることはできます。
ただしオペアンプの利得A自体が、実際には周波数特性をもっていて
振幅も位相も周波数によって変わりますので、
けっこう複雑なボード線図になります。
負帰還回路でHはR1、R2からなる回路と黒板に書かれていたが、減衰器は必ず2つの抵抗によってつくられるのか?
いえ、かならずしもそうとは限りませんが、
抵抗2つで分圧するのが、一番簡単な減衰器でしょうね。
減衰器と増幅器の違いが分からない。
入力を大きくするのが増幅器、小さくするのが減衰器です。
負帰還回路で戻ってきた入力ともう1つの入力との間に電圧差が生じたりしないのか?
それを「○+」のところで足してしまう、のです。
反転増幅器で増幅率R2/R1と言ったが増幅率∞とするとR1→0かR1→∞でないといけない。そのような状況になりえるのか?
いえ、反転増幅器自体の増幅率はR2/R1で、有限の値になります。
それを構成している(理想)オペアンプの増幅率が無限大、ということです。
反転増幅器の増幅率は−(マイナス)の部分は含まないのであっているのか?
増幅率、というと、出力/入力の絶対値、を呼ぶことも多いようですので、
それにならいました。
Hは負の値でもいいのか分からなかった。|H|<1ということか?
Hが負の場合もありうるでしょうね。
|H|<1、と考えればよいと思います。
負帰還回路の回路図では三角を使わずに四角形で表すのはなぜか?
習慣、ですかねえ。
負帰還回路の出力が一部入力に戻るというときの電流の過渡状況が分からない。
講義の後半で触れたブロック図のやつは、あまり意識しなくて
よいと思います。
反転増幅器、非反転増幅器の中の電流の流れを
確認しておくだけで十分かと思います。
その他
もう少し声を大きくして欲しい。
すいません、気をつけます。
情報回路第1は復習した方がいいですか?
直接には関係がある部分は少ないですが、
抵抗の分圧やRC回路など、当たり前のように使う基礎知識も
多いので、ざっと復習しておいていただくのがよいと思います。
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