第3回分
LCR回路のメリットは高周波まで使えることだけなのか?
実用上は、そのあたりだと思います。
1/(C1C2R1R2)=ω02の式は、C1=C2、R1=R2としたとき、ω0=1/CRとなりますが、時定数との繋がりのようなものはあるのか?
オペアンプを含む回路全体の時定数のようなもの、と考えることが
できそうですね。
H=−1/jωCRは1次LPFではないと言われたがHの分母に"+1"がないと1次LPFでないのはなぜか?
この式だと、通過域と遮断域の境目のカットオフ周波数(ポール)が
存在しないためです。
2次のLPF(その2)でω0=1/√LCとおいたのはωの最小値や初期値に関係があるからか?
初期値、といいますか、あの回路が扱うべき周波数の範囲、ということでしょうね。
どうしてオペアンプは扱える周波数があまり高くないのか?
詳細は第5回あたりで触れますが、オペアンプの中身は
トランジスタからなる能動回路ですので、
トランジスタ自身の周波数特性、すなわちどのぐらいの周波数まで
トランジスタとして機能するか、が、オペアンプ自身の
周波数特性に関わるわけですが、これは一般にLCRといった
受動素子よりも低いのが原因です。
オペアンプを使う場合は1次より2次の方がω→0のときH→0にいきやすいから使いやすいのか?
オペアンプを使う・使わないには関係なく、フィルタの次数が高いほど、
ご指摘のように、遮断域での遮断特性がよくなる、すなわち
フィルタとしての特性が良好、といえます。
VCVS型のVoの向きはどうしてオペアンプ側なのか?
オペアンプの中に電圧源があって、それが出力Voをつくっている、
と考えるとよいでしょう。
増幅機能をもつ、オペアンプを使った2次LPFも存在するのか?
もちろんあります。
(別の機会に余裕があれば紹介しましょう)
オペアンプの入力電圧V+とV−はどのように決めるのか?理想ならどちらでもいいようだが
入出力端子間の電圧が0、という状態だけを考えると
どちらでもよさそうですが、この状態は、出力の変動が、
それをおさえるように入力に制御がかかっている、
すなわち負帰還がかかっている状態でのみ、成り立ちます。
したがって、V+とV-を逆にすると、負帰還がかからないので、
このような状態を安定してとることができなくなります。
VCVS型でどう工夫すると増幅できるのか?
このままでは無理ですね。
他のオペアンプを使った能動フィルタを使うことになります。
オペアンプを使わなかったら、2次のLPFをつくるには必ずLが必要となるのか?
いえ、RCの1次LPFを2段つないでもできますが、
入力インピーダンスが小さく、出力インピーダンスが大きくなりがちに
なります。
オペアンプを使った1次LPFと使わない1次LPFではどちらがよく使われるのか?コスト的には使わないほうに分があると思うが…
そのあたりは微妙なところで、
オペアンプを使うことのメリット(増幅できる、など)もありますし、
現実には、オペアンプを含む能動素子のコスト、というのは、
実はLCRなどの受動素子のコストに比べて、場合によっては無視できるほど
低いものです。
特に電子回路全体を半導体チップ上に作りこむ集積回路では、
その傾向が顕著になります。
H(ω)を標準形に直すと何かいいことがあるのか?
フィルタとしての特性がみやすい(統一的に理解しやすい)、
ということじゃないですかね。
扱える周波数が高いと逆にどんなメリットがあるのか?
高い周波数の信号も扱える、ということじゃないでしょうか。
複素数の式変形が苦手なので、なにかコツはありますか?
ううむ。こればっかりは・・・
実部と虚部をしっかり分けて整理して式変形をする、
というあたりでしょうか。
H(ω)の算出について試験によくでますか?
さてどうでしょう・・・
(ちなみにこの講義の過去問は http://akita11.jp/class/ からどうぞ)
ただ、1回は自分でやってみるべき計算だとは思います。
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