第5回分
どうして周波数が高くなると、電圧利得特性は小さくなってしまうのか?
増幅器の中の増幅回路の出力には、GNDに対して等価的についている
コンデンサがどうしても存在しますが、周波数が高くなると、
このコンデンサのインピーダンス(1/jωC)が小さくなり、
出力電圧が小さくなるため、という理解でよいと思います。
現実のオペアンプでもある範囲内で使う場合は影響を全く無視していいのか?
ほとんどの場合は、理想オペアンプとみなせる範囲内で使うようにします。
何故現実のオペアンプにはVioがあるのか?
オペアンプの2つの入力部分を構成するトランジスタの特性のバラツキ、が
主な原因です。
Vioはオペアンプの+入力側には無いのか?
いえ、+入力と-入力の電圧差をVioとしています。
Vioが左向きになる理由が分からなかった。
これは例として示しただけで、実際にはVioが負(等価的に右向き)の
こともありえます。
入力オフセット電圧を計算するときに、入力バイアス電流を考えなくていいのか?
もちろん実際には考慮しなければなりません。
講義中では、簡略化のため、1つの項目ずつ考えていきました。
スルーレートの値はどのような要因で決まるのか?
オペアンプ内の増幅器の出力についている増幅回路(アンプ)が、
どれぐらい大きな電流を流せるか、で決まります。
これが大きいほど、出力に負荷としてつく容量を
素早く充放電できるため、出力電圧を大きく変化させることができ、
スルーレートは大きくなります。
現実のオペアンプの出力電圧Voの変化速度に限界があるのは分かったが、入力電圧は図の通りほぼ無限大の速度で変化するのか?
もちろん現実に無限大の速度、はありえませんが、
近似的に、と考えるとよいでしょう。
NJMの電気的特性の各項目について最小、標準、最大の各値が揃ってないのは何故か?
一般に、標準値は、平均値ですので、回路設計時にはアテにはなりません。
つまり、その特性を期待して設計しても、実際にはそれより悪いことが
ありうるためです。
そのため、特性の「最悪値」が示されています。
例えば増幅率(利得)では、最悪値として最小値が示され、
入力オフセット電圧は、最悪値として最大値が示されています。
最大や最小は保障されてはいるが、このような誤差は何故生まれるのか?
ほとんどは、製造時のトランジスタの特性のバラツキですね。
GB積を計算するとき、0dB→×1、20dB→×10と置き換えたとはどういう変換式を使ったのか?また、置き換えするようならf×Av=一定とは言えない気がするのだが。
電圧利得では、0dB=1倍、20dB=10倍、のことでした。
置き換え、というより、言い換え、ですね。
Taとは何か?
今世界で最高性能のオペアンプでは増幅率はどれくらいあるのか?
直流に対する利得であれば120dB(最小)というのは見たことがあります。
最高性能、は、どんなものなんでしょうね。
何故デシベル表示で20という係数をつけたのか?
デシベル表示とは、もともとは、電力利得を、0dB=1倍、10dB=10倍、
20dB=100倍・・・と表記するためのものでした。
これは、ただ単に見やすいから、10という係数をつけたのでしょうね。
電力=電圧×電流=電圧^2/抵抗、ですから、
電圧利得のデシベル表記では、この係数は20となります。
A[dB]=20logAと書くと少しややこしいが何故同じAを使うのか?
増幅率(利得)がAで、それを違う単位で表記している、と
考えましょう。
Rinにおいて、値が∞なら電流は流れないが、充分に大きいときに電流速度は遅くなったりするのか?
電流で考えるとそうですね。
言い方を考えると、電流を流さなくても、電圧を加えるだけでよい、
ということもできます。
先々週のVCVS2次LPFでω0=1kHz、Q=1/√2、R1=R2=1kΩとするとき、C1、C2を求める問題はやらないのか?
それはぜひ自習で。
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