第7回分

実験で使う発振器は確か10Hz〜1MHzの大きな幅で調節できたが、Rを調節するだけでそれほどの幅が表現できるのか?

そういうことですね。

発振と似た言葉で共振があるがどう違うのかわからない。

共振、というのは、ある周波数の信号に対して、回路のインピーダンスが 0または∞(理想的な場合)になる状態、をさします。 発振は、この共振をうまく使って、増幅器を使って、 共振が起こる周波数の信号のみがずっと続くようにした現象のことです。

発振器は発振のみで電源は別に必要なのか?

増幅器の電源(エネルギー源)、としての電源が必要になります。

発振器は入力がないのにどうやって発振するのか?

出力の一部を入力に負帰還をかけているから、と考えるとよいでしょうか。

どうしてRe(AH)を電力条件というのか?

Re(AH)=1は、信号の増幅と減衰がつりあい、 信号の振幅が一定、つまり電力が一定になる条件、という意味でしょうか。

|AH|=1ならばRe(AH)=±1ではないのか?

その通りなのですが、AH=-1では、ループ利得の位相が0度ではなく 180度となり、発振が継続しません。

AHを「複素する」とはどういうことか?

複素数として考える、という意味でしょうか。 (聞き間違い/書き間違い?)

Re(AH)=1というのは実際の回路で実現できるのか?

実はなかなか微妙なところで、 実用的な回路では、出力の振幅を見ながら、 増幅器の利得(増幅率)を、電力条件が成立するように 自動的に調整する回路を組み込みます。

∠AH≠0で位相がずれるということがよくわからない。

ループ利得の偏角(∠AH)が0でない、ということは、 ループによって信号の位相がずれる、と考えられます。 複素数のインピーダンスと同じ考え方です。

Voutが発振するときの最大値はどのくらいなのか?

実はVoutの振幅は電力条件・周波数条件だけからは決まりません。 実際の回路では、上述のように、最初は|AH|を1よりやや大きくしておいて Voutの振幅を大きくし、その後、Voutが所望の振幅で一定となるように 増幅器の利得を自動的に調整します。

定常的という条件のみで電力条件と周波数条件を設定したのに、それが必ず正弦波になる理屈が理解できない。

あらゆる信号波形は、いろいろな周波数の正弦波の重ね合わせ、として 考えることができます(フーリエ展開)が、その中で、電力条件と周波数条件を 満たす周波数の正弦波のみが、生き残って、発振回路の出力信号となる、 という理解でよいと思います。

ウィーンブリッジ発振回路でR1=R2=R、C1=C2=Cとおかないでできるのか?

いえ、計算の簡略化のためにそうおいたまでです。

どうしてR4=2R3が発振条件なのにf=1/(2πCR)の発振周波数とは独立なのか?

R4=2R3が成立するときに発振し、そのときの発振周波数fが その式で与えられる、つまりCを変えればfを変えられる、という理解で よいかと思います。

コルピッツ発振回路でAの範囲の選び方がわからない。

電力条件から求められるものですね。

コルピッツ発振回路とは具体的にはどういった用途で用いられる回路なのか?

一般にコルピッツ発振回路は、実用的なC・Lの値の制限から、 かなり高い周波数(数十MHz以上)で用いられます。 (現実の)オペアンプは、なかなかそこまで高い周波数の信号は 増幅できませんので、オペアンプを使ったコルピッツ発振回路は、 あまり実用的ではなく、オペアンプの代わりにトランジスタ単体の 増幅回路を用いるのが一般的です。 トランジスタを使ったコルピッツ発振回路は、 無線通信などの高周波信号を扱う回路で、よく用いられます。
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