第1回分

講義や試験に関して

集積回路工学第1とは、内容が違うのか。

第1は、トランジスタ1個ずつを扱うレベル、 第2は、トランジスタ単体ではなく、それが集まった回路ブロックを扱うレベル、 と考えてください。

今後の授業はプロジェクタを使うのか、黒板を使うのか、2つを併用していくのか。

最初だけはプロジェクタを使いましたが、 次回以降は板書だけ、を予定しています。

成績の評価方法と試験形式は?持ち込み可なのか。

成績の評価方法はシラバスに書いてあるとおりです。 試験形式はまだ決めていませんが、例年通りを予定しています。

声が聞きとりにくので、マイクの音量をあげてもらえるとありがたいです。

すいません、気をつけます。

>スケーリング則、微細化に関して

スケーリング則が限界に達した後、どんな形で高性能化するのか。 いろいろと研究・開発されてているようですので、 興味がある人は調べてみると面白いと思いますが、 最近のプロセッサの流行は、マルチプロセッサ化、のようですね。

スケーリング則のデメリットは?

作るのが大変になる、ぐらいでしょうか。

微細化ができなくなる要因で、Si原子の大きさによるもの以外は何か。

微細化にともなうトンネル現象による漏れ電流、が主な要因のようです。

微細加工技術などを研究しいている人たちは、あと10年ぐらいしかもたないのに研究しているということか。

そういうことです。 とはいってもまだ10年あるわけですから、先は長いですね。

物(立体)で1/kということは、寸法としては1/3√kになるということか。

いえ、寸法が1/k、ということです。 したがって面積(集積回路では平面上に回路を配置するので面積が 効きます)は1/k2になる、ということです。

機能単価、価格に関して

工場建設やスケーリングの技術開発で費用がかかっているのに、なぜPC等の価格が一定なのか。

なかなか鋭い視点です。 たしかに設備投資や開発費は急激に上昇していますが、 やはり製品価格に一番効くのは、材料費、なのですね。 材料費、たとえばシリコンの価格は、それほどは変わっていません。 そのため、結果として製品価格はあまり上昇しない、ということです。

機能単価が低いといいというのはわかったが、何に使うのか。

講義中に何度も指摘したように、機能飢餓との兼ね合いですね。 「それがほしければ」使う、ということです。

スケーリング則に限界があるということは、機能単価も上がらなくなるのか。

回路構成の工夫などで、スケーリングに頼らずに性能を上げることも ある程度は可能でしょう。 上述のマルチプロセッサ化は、その一例といえます。

その他

マイコンを使って設計してみたいが、どこから手をつけたらいいか。

ぜひ、ウチの研究室のマイコン部へどうぞ。

マイコンのようなものを作る際にパッケージを小さくすることが要求されると思います。現時点で、バスカードに入れる技術はあるようだが、この技術について、向上は求められているか。

パッケージなどの実装技術も、スケーリングに伴って ずいぶん進歩しています。 例えば、昔はDIP型という2.54mmピッチで足がはえているパッケージが ほとんどでしたが、最近は0.5mmピッチ以下で、足がはえていないで ハンダの電極だけが出ているパッケージ(BGA)もあり、 また1つのパッケージの中に複数の集積回路のチップを入れる 技術も活発に研究・開発されているようです。
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