第8回分

メモリ全般

なぜこういった構造でメモリが実現できるのか不思議な気がするけど、ヒトの脳のメモリ構造も不思議だと思う。

ヒトの脳は、ランダムアクセスでないところや、類似度検索などの機能と 有機的に融合しているのが、不思議なんですよね。

不揮発性メモリにはどのようなものがあるのか?

USBフラッシュメモリはSRAMですか?DRAMですか?電源なしでどうしてデータを保持しているのですか?

それは第10回に詳しく。

センスアンプは何に使うのか?

次回のDRAMのところで詳しく触れますが、 データ線DLが長いために寄生容量が大きく、 読み出し時のDLの電圧変化が小さいため、それを増幅する働きがあります。

メモリセルの数が (2^n×2^m)となるのはなぜか?

行アドレス線、列アドレス線が、それぞれn, m本(ビット)だから、ですね。

WOM(write only memory)は、例えばどのようなものに使われるのか?

WOMにどのような目的で作られたのか?書き込めても読み込めなければ意味がないのでは?

ジョークですよ、ジョーク。

SRAMとDRAMの違いをもう少し詳しく知りたい。

次回のDRAMのところと比べるとよくわかるでしょう。

DRAMは、電源を切ってからどれくらいの時間が経つとデータが消えるのか?

それは次回に詳しく。

SRAM

インバータのしきい値が回路にどのような影響を与えていたのかよく分からなかった。

書き込み時に、DL, /DLのどちらかの電圧を高くしますが、 それがインバータしきい値を越えた方が、"1"が書き込まれる、ということになります。

SRAMはどうして高速なのか?

一義的には、リフレッシュ動作が必要ないから、と考えて 差し支えないと思います。

SRAMはどのようなものに使われているのか?

高速性を利用したキャッシュメモリや、 非動作時の低消費電力性を利用した組み込み機器、などがメインです。 (ただし後者は、近年はMOSトランジスタの微細化に伴って漏れ電流が大きくなり、 必ずしも成立しなくなってきています)

SRAMの記憶保持ではインバータを2つ使うが、インバータなしでは電圧を"0"か"1"に保てないのか?

値を「保持」するところがどこにもないので、無理ですね。

SRAMがstaticだと、どうして待機電力を食わないのか?

インバータのpMOS, nMOSのどちらか一方だけがONになっていて、 VDDからGNDまで電流が流れる経路がないから、です。

データの揮発性があるということは、HDDなどとは異なる構造をしているということか?

そういうことになります。 不揮発な半導体メモリについては、第10回でみていくことにしましょう。

どうやって読み書きをするメモリセルを指定しているのか分からなかった。

行・列アドレスによって、WL, DLの一本だけがアクティブになり、 その交点のメモリセルのみがアクセスされることになります。

書き込まれた値がどこに保持されているのかよく分からなかった。

インバータのどちらかが1、もう一方が0、というところです。

電源が入っていればアクセスしなくともずっとデータを保持できるのか?

SRAMでは、基本的にはそういうことです。

電源を切るとインバータが動作しなくなり、電荷の逃げる場所が無くなって保持される気がするのだが、なぜデータが消えてしまうのか?

その電荷はしばらくすると漏れ電流によって自然に放電されてしまいます。

SRAMにおいて、「rnを小さくするときトランジスタは大きくなる」とあったが、なぜトランジスタが大きくなるのか?

MOSトランジスタのON抵抗は、ゲート幅に反比例するため、 大きいトランジスタほど、ON抵抗が小さくなります。

VinvとV1・V2の関係がよく分からなかった。

もう一度整理してみてください。

V1・V2の中身は電源をオンにした瞬間に決まるのか?

最初だけは、確率的に決まることになりますね。

TGとは何のことか?

トランスファ(転送)・ゲート、です。

ワード線WLは何の信号線か?

たくさんある行から1行のみを選択する(その行にあるすべてのメモリセルが DL・/DLにつながる)ための信号線です。

DL、/DLを見れば読み出しができるとあったが、具体的にどうやって読み出すのか?

次回みていくDRAMの場合と似ていますので、そちらを参照してください。

SRAMの読み出し・書き込みについて、どちらもWL=1とする必要があるが、どうやって2つを区別するのか?

WL=1で、対象の行がアクティブになり、そのときにDLに現れる電圧を 増幅して読み出すのが読み出し、逆に外部から電圧を加えて メモリセルの値を決めるのが書き込み、ということになります。

読み出しの際DL=V1、/DL=V2になっていたら書き込みと同じ動作が起こるのでは?

そういうことです。 そうならないように、読み出し時にはDL, /DLの電圧を、あらかじめ 中間電位付近にしておきます。(プリチャージ)

V1=rn/(Rp+rn)のrnはどこの抵抗にあたるのでしょうか?

トランスファ・ゲートのON抵抗、です。

SRANの書き込み動作のところで、0/1の書き込み動作の説明が違っていたのでは?

ご指摘の通りです。失礼しました。

感想

黒板を中途半端にあげると、下の方が見えなくて困ることがあるので、きっちりあげてほしい。

なるほど。失礼しました。今後は気をつけます。

メモリに値を記憶する仕組みが理解できて良かった。計算機アーキテクチャよりも分かりやすかった。

講義の合間の小話が面白い。

それはよかったです。

インバータの動作をいまいち理解していなかった。

基本回路ですので、ぜひ復習しておいてください。

SDカードとかはなんのメモリなのか気になったので調べてみたい。

不揮発性メモリ、で、第10回で紹介するフラッシュメモリ、ですね。
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