第11回分
基本増幅回路
増幅回路の構成が通常の回路と異なるのはなぜか?
いえ、増幅回路も「通常の回路」ですよ?
出力が逆相であることで何か問題などはあるのか?
いえ、そういう性質がある、ということですね。
交流的に接地とはどういう意味か?
時間とともに電圧が変化しない、という理解でよいと思います。
vgsが下がるとvoutが下がるロジックがよく分からなかった。
vgsが下がるとidが小さくなり、RLの電圧降下分が小さくなるので、
RLの下端であるvoutは下がることになります。
ゲート接地増幅回路で、「vinがあがるとidが下がり、voutが上がる」理由がよく分からない。
↑と同じように考えるとよいでしょう。
ソースフォロアの説明が早すぎて聞き取れなかった。
すいません、あまり本題と関係なかったので急いでいました。
必要であれば復習をしておいてください。
ドレイン接地増幅回路はvin≒voutで、つないでもあまり意味がないように思えるのだが、どのように使うのか?
入力インピーダンスが小さく、出力インピーダンスが小さいので、
バッファ回路として用いられます。
ドレイン接地増幅回路では、どう見てもドレイン端子は接地してないのだが。
いえ、ドレインの電圧がVDDで一定なので、「交流的に」接地されいる、といいます。
カスコードとはどういう意味か?
縦続接続、のような意味です。
カスコードアンプは具体的にどのような用途で使用するのか?
増幅率を稼ぎたいとき、ですね。
カスコードアンプの増幅率のgmはゲート電圧にVbiasがかかっているMOSのgmのことか?
いえ、下側のほうです。
カスコードアンプにおいて、Rout = vout/id = ron(1 + gm・Zs) + Zs 〜 ron・gm・Zsとなるのはなぜか?
ron, Zsが、ron・gm・Zsより十分小さい、と近似できるから、ですね。
カスコードアンプにおいて、MOSの代わりに大きな抵抗をつないだ方が良いのではないか?MOSに与えるための電源が必要で煩わしいのでは?
カスコードアンプにしなくても、単純にソース接地のRLを大きくするのではだめなのか?
あの回路図だけ見るとそのように見えるのですが、実はソース接地増幅回路では、
RLを大きくしても、増幅率はRLとronとの並列に比例するため、
それ以上は増幅率を大きくできません。
カスコードアンプは、その制限を解消できることになります。
カスコードアンプの増幅率について、RL//ronからron・gm・RL//ronになってもronより大きくなることはないので、利得はあまり変わらないのでは?
ちょっと説明のしかたが悪かったようです。
ゲート接地のMOSとソース接地のMOSのペアで、
等価的にronが大きなMOSとしてはたらき、
これに(十分大きな)負荷抵抗RLがつながっている、と
考えるとよいと思います。
つまり最初に考えた回路のZsが、ソース接地のMOSのronのこと、
ということです。
カスコードアンプで、MOSトランジスタを多くつなげば増幅率を増やしていけるような気がするのだが、どうなのか?
各MOSトランジスタのVDSがある程度以上大きくないと(飽和領域)、
所望の動作をしないため、加える必要があるVDDがどんどん高くなってしまう
(つまり低電圧動作ができなくなる)、という問題点があります。
カスコードアンプ内で負荷Zsに対応すると思われるRLの位置がS側からD側になっているように見えるが、どちらにつけても良いのか?
交流的には同じことです。
まぎらわしかったですね。
カスコードアンプなどでMOSトランジスタのSとDがどっちがどっち?
ソースは、キャリア(nMOSでは電子、pMOSではホール(正孔))が
供給される源(source)、という意味ですので、
nMOSはGNDに近いほう、pMOSはVDDに近いほうがソース(S)、となります。
カレントミラー
カレントミラーの利用手段にどのようなものがあるのか?
一番多いのは、電流源として、でしょうか。
あとは、増幅器の負荷(次回の差動増幅回路で出てきます),でしょうか。
カレントミラーでIin=Ioutとなるのはなぜか?
(gmが等しい)2つのMOSトランジスタのvgsが等しいから、ですね。
カレントミラー回路の出力Voutはどこにあるのか?
右側のMOSトランジスタのドレインの電圧、に相当します。
カレントミラー回路とVDSの関係がよく分からなかった。
VDSをある程度以上(飽和領域にはいるように)加えれば、
Ioutは一定(=Iin)になる、ということです。
カレントミラーのidの式にvds/rdがなかったのだがどうしてか?
おっと、そうですね。
しかしIinにも、Ioutにも、vdsが等しいとすれば両方に同じように含まれますね。
やはりIin=Ioutとなりますね。
カレントミラーは電流増幅回路と考えて良いのか?
まあそういう言い方もできると思います。
(1倍の場合は増幅してませんが・・・)
カレントミラー回路において、ゲートに流れる電流は0と見なしてよいのか?
MOSトランジスタのゲートに流れる電流は0と近似できます。
これはゲートがMOSトランジスタ本体から離れている(電気的に絶縁されている)から、
です。
gm1≠gm2のときでもカレントミラーと呼ぶのか?
電流をgm2/gm1倍にして右側に写す回路、という意味で、
カレントミラーと呼ばれます。
演算増幅器
講義ではMOSトランジスタのオペアンプをあつかったが、一般的にはどのオペアンプがよく使われているのか?
おや?演算増幅器は今回は扱っていないはずですが・・・
ちなみにMOSトランジスタ型とバイポーラトランジスタ型は、
用途に応じて使い分け、でしょうか。
講義の感想
2年の時の講義で扱った内容なので復習になった。
オペアンプなどの関連性を感じたのでためになった。
それはよかったです。
小信号等価回路を忘れていて、復習が必要だと思った。
ぜひ。
回路図が多かったので配付資料があるとありがたい。
そうですね、次回からそうしようと思います。
板書で、アルファベットの小文字が小さすぎて見にくかった。
失礼しました、留意します。
その他
図の三角形の記号はGNDを意味するものではないのか?
いえ、△は普通はVDDですね。▽はアナログGNDをあらわします。
講義とは関係ないが、TD62083(トランジスタアレイ)はどのような仕組みで電流を増幅しているのか?
なかなかマニアックなパーツですね。
記憶では、普通のエミッタ増幅回路、だったはずです。
vとV、iとI、rとRは、それぞれどういう意味として使い分けているのか?
小文字は交流分(変化分)、です。
rdとronは同じものでよいのか?rdをわざわざronと書くのはなぜか?
すいません、別の文献を参考に講義の準備をしたため、
違う書き方をしてしまいました。
次年度からはそろえたいと思います。
vout/iout→∞, vout≠0 ⇔ iout=0 とあるが、ioutは限りなく0に近いと考えて良いのか?
ええと、これはどこの話ですかね。
カレントミラーのことであれば、Ioutは一定になりますので、
その変化分ioutは0とみなせることになります。
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