第12回分
差動増幅器
差動増幅器の回路がよく理解できなかった。
あまり詳しく触れられませんでしたので、
興味のある人は教科書などを参考にしてください。
オペアンプは入力が直流では増幅されないのか?
交流信号に対する等価回路で考えましたが、
直流信号に対する等価回路で考えても、似た結果が得られます。
オペアンプの回路が複雑なのは増幅率を上げるためで、基本構成はOTAと考えて良いのか?
あとは詳しく触れませんでしたが、負帰還をかける量が大きくても
安定となるように位相補償をかける部分や、
出力段で電流駆動能力を高めるための電力増幅器、でしょうか。
D/A変換器
DACの精度とは何のことか?素子の精度のことなら、比精度も悪くなる気がするのだが。
いえ、比精度はよい、というのが集積回路上の素子(RやCなど)の特性、なのです。
C0の精度が悪い、の意味が分からない。例えばちょうどC0=1のコンデンサを作るのが困難、という意味だとすると、複数個作るのも困難であり、2C0、4C0の精度も保証されないのでは?
いえ、上記のように、比そのものは、面積比ですので、
精度よくつくることができます。
容量アレーDACで、精度が上がる理由がよく分からなかった。
↑のとおりです。
容量アレーDACはコンデンサの面積で回路規模がすごいことになりそうだが、何bitくらいまで変換可能か?
まあ許される面積しだい、というところでしょうか。
容量アレーDACの一番右側のC0は何のためにあるのか?
これがないと二進数の入力に対応する出力の式にならないですね。
容量アレーDACについて、すべてのCを放電する、とあるが、容量がチャージされていることが前提なのか?
前のD/A変換のときに各Cが充電されていますので、
リセットをかけておく、という意味です。
Vout(C0+ΣCi)=(Vref-Vout)ΣCiとなる理由がよく分からなかった。
容量アレーDACの電荷保存則の計算過程で、Vout(C0+ΣCi)=(Vref-Vout)ΣCiからVout(C0+ΣCi)=VrefΣCiへの変換がよく分からなかった。
電荷の保存則ですね。Voutがつながっているところの、
左辺は正、右辺は負の電荷になります。
抵抗ストリングDACがなぜDACとして動作するのかいまいちよく分からなかった。
抵抗ストリングD/A変換器のディジタル信号がどこから入ってきてD/A変換されるのかが今ひとつ分からなかった。
分圧してしまっておいて、そこから、入力のディジタル値に対応する
電圧だけを選んで出力とする、ということです。
電流加算DACの作り方が資料と違うと思う。
おや、そうでしたか?
A/D変換器
ADCの電圧の動作が分からなかった。
復習しておきましょう。
SARとはどういうものなのか?
上位から順番に1ビットずつ値を確定していくため、
確定したビットの値を保持しておくメモリ(レジスタ)が
必要になります。
逐次比較ADCの動作がよくわからなかった。
冷静に考えるとわかると思いますので、
動作を丹念に追ってみてください。
逐次比較ADCにおいて、ADCの途中時DACをはさむことによる誤差はないのか?
いえ、このDACがないと、2ビット目以降の比較ができないですね。
並列比較ADCのラッチコンパレータがよく分からない。
ああ、これは回路構成上の工夫で、
原理的には、ただのコンパレータと考えてもらって結構です。
並列比較ADCは何ビットで2^n個のコンパレータを使う、とあったが、N=9以上は無理なのか?
現実的なチップ面積と許容消費電力では、
実現が困難、という意味です。
並列比較型ADCは、逐次比較ADCでやっている比較方法を並列に行う、ということか?量子化レベルをあらかじめ用意しておいて、一気に比較しているということか?
まさにそういうことです。
粗変換と密変換で使われるADCは決まっているのか?
もちろん設計時にビット数等をきめておきます。
直並列ADCが駆け足で分からなかった。
直並列ADCはどれくらい速いのか?
すいません、時間が足りませんでした。
興味のある人は教科書や資料を参照しておいてください。
直並列は、前半が直列で後半が並列でいいのか?
いえ、並列を2回順番に(直列に)行う、という意味です。
ADCは現在も研究が盛んに行われている、とあったが、具体的にどこが研究不足なのか?
ビット数と変換速度、消費電力、回路規模、のトレードオフのあたり、です。
講義の感想
A/D・D/A変換について理解が深まった。
それはよかったです。
回路設計をする人は頭がすごくいいのだな、と思った。
そうなんですよねえ・・・ADC/DACは、知恵の集まりですよね。
早くてよく理解できなかった。
ぜひ復習しておいてください。
その他
A→DとD→Aで、回路構成が大きく異なるのはなぜか?
ディジタル値の方が情報量が少ない(有限)ので、
理論上は無限の精度(分解能)をもつアナログ信号を
ディジタル値に変換するADCは、大変なんだ、ということでしょう。
講義で扱ったDAC・ADCのうち、よく使われるものはどれか?
ケースバイケース、ですね。
講義で扱ったDAC・ADCは、すべて実際に用いられているものなのか?
ええ、そうですよ。
Vrefのrefは何の略でどういう意味か?
reference(参照・基準)です。
『比精度が高い』というのは、一つ一つの素子の値はばらついているが、ばらつき具合は一定である、ということか?
ばらつき具合、というか、比率、です。
たとえば、C0とC1を1:2の面積比でつくると、
C0=1[pF], C1=2[pF]かもしれないし、
C0=1.5[pF], C1=3[pF]かもしれないけど、
比そのものは精度よく1:2、ということです。
抵抗の比精度が高いのはなぜか?ばらつきより充分値が大きい抵抗を使うということか?
いえ、抵抗も比精度はよいですよ。
過去問はどこかにあるか?
ここから
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試験は手書きノートと配付資料以外は持ち込み不可、ということでよいか?
これらに加えて教科書もOKとします。
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