第4回分

ローパスフィルタとハイパスフィルタの違いが分かりません。

LPF、HPF、BPFはどのようなものに使われるのですか。

周波数の高い信号と低い信号、どちらを残したいか、で使い分けることになります。

フィルタを使って何が出来るのでしょうか。

ほしい周波数の信号だけ取り出すことができる、ということですね。

BPFの中くらいの周波数とはどのくらいのものでしょうか。

バンドパスフィルタはどんな周波数のためのものですか。

それは目的にあわせて設計することになります。

フィルタがどうして適さない周波数を通さないようにするかが分かりません。

伝達関数をもとめて調べてみるとそういう特性を持つ、という理解でよいかと思います。

1次ローパスなどがあるのなら2次、3次もあるのですか。

それは次回にみていくことにしましょう。

1次ローパスフィルタでGの値はローパスフィルタの値に反転アンプや非反転アンプの値がついているものと考えてよいのか。

今回みていった2種類の1次のフィルタでは、そういう結果でしたね。

「1次ハイパスフィルタの非反転アンプ」の非反転とは?

文字通り、非反転アンプです。第2回参照。

フィルタを2つ以上回路に入れると、グラフの形は変わりますか。

基本的には、それぞれの伝達関数の積(dB表記のゲインならば和)、で 考えればよいでしょうね。 グラフの形を直感的に求めるのは、ちょっと難しそうですが・・・

フィルタの範囲指定はどれくらいしっかりできるのでしょうか。曲の編集ではかゆいところに手が届かないのですが…

それは、主にフィルタで表現しきれること(=周波数ごとの振幅の調整)の限界、 ではないかと思います。

CやLは抵抗と異なり、エネルギーを消費しないはずですが、フィルタの場合、カットされた部分はどこへ行くのか。

なかなか鋭い質問ですね。 フィルタは、周波数とともに、入力の信号源にとってのインピーダンスが 変わる回路、と見ることもできます。(実際、求めてみると、変わる) それにより、カットされる周波数の信号に対しては、信号源からエネルギーが 伝わって来にくくなる、という理解でよいかと思います。

ゲインと角周波数の図を書くときに、どの程度正確に書けば良いですか。

ゲインをωが小さいとき、大きいとき、1のときで求めてグラフに書く際は、それぞれの境目の傾きは適当に書けばよいのですか。それともある程度細かい値をつける必要がありますか。

カットオフ周波数のところでのー3dBと、ωが十分大きいところでの傾き(-20dB/decade)が 正しければ、そのつなぎ目の部分は、けっこう適当でOKです。

G_DCが出てきたあたりで、G_DC=1のグラフ(ボード線図)を上に移動して、|G|≒(1/ωGR)*G_DCとしているところが分かりません。

ちょっとここは、講義では簡単に流してしまいましたが、 実はけっこう複雑なことをやっているので、次回、もう少し詳しく みていくことにしましょう。

1/(1+jωC)でω<<1のときローパス、jωL/(R+jωL)でωが大でG=1ではハイパスですか。

そういうことになりますね。

ω=1/RCのCとRが、素子がたくさん繋がっているときにすぐに分かる方法はありますか。

1次のRCローパスフィルタならば、RとCは1個ずつなので、一意に決まりますね。 オペアンプつきの1次LPFならば、RとCで分圧になっているところのRとCです。

1とωCRの関係を「1>>ωCR」、「1<<ωCR」、「1=ωCR」の3通りでしか分けないことに戸惑いました。普通、jωCR/(1+jωCR)=jCR/(1/ω+jCR)のようにするべきでは?

考えやすいやり方があるのであれば、それでいいと思いますよ。

ω=105, |G|=1/105CR=10-5=-100dB と書いてありましたが、途中のCRはどこへ行ったのですか。

これは、CR=1と仮定して、求めていました。 (この仮定は、計算を簡略にするためのものです)

|G|=√{(1^2+(ωCR)^2)/(1+(ωCR)^2)^2)} のθ=tan-1(-ωCR)ということで教科書のθ=tan-1(-1/ωCR)は誤りということでよいですか。

そのとおり、ということでよいようです。

例題1.8で、1次ローパスフィルタのゲインが(R2+R3)/R3・1/(1+jωC1R1)なのに対して、G=1のとき(R2+R3)/R3=1となればよいとしているのは、1/(1+jωC1R1)がω<<1で無視できるからですか。

この1次ローパスフィルタの「ゲイン」とは、|G|が一定となる領域でのゲイン、を指します。 つまりω<<1のときのゲイン、を考えればよいことになります。

例題1.8で非反転アンプのゲインが全体のゲインとなるのはなぜか。

↑のとおりです。

例題1.8の教科書の解答で、R3を使わないでR2をオペアンプ指定の値を用いるのはなぜか。

これは、現実のオペアンプに特有の問題で、R2=0とすると、動作しない(発振する) オペアンプもあるので、そのオペアンプのデータシート(仕様書)に指定されている 値を用いましょう、ということです。 この、動作をしない場合がある、という話は、この講義の後半で扱うことにしましょう。

例題1.8の回路はどのようになるのですか。教科書のはR3=0となっているのですが…

ちょっとまぎらわしかったですね。というか、ちょっと誤解をまねきそうですね。 例題の解答にある「R3を使わない」とは、R3をつながない、という意味です。 それは、R3=∞にするのと同じ意味になりますが、R3=∞ならば、R2によらず、 非反転アンプのゲインは1倍となります。 あるいは、R2=0として、R3を0でない任意の値としても、やはり非反転アンプのゲインは 1倍となります。 どちらでもよいのですが、ふつうはR3をつながず、R2を0、または 0では↑のようにマズい場合は、指定されている値を用います。

octaveとdecadeはどのようなものか。またどのように使い分けるのですか。

octaveとは周波数が2倍、の意味で、 decadeとは周波数が10倍、の意味です。 LPFの減衰域(ωが十分おおきいところ)での減衰の割合を表すのに、 -6dB/octaveと書いても、-20dB/decadeと書いても同じことですので、 どちらでもよいのですが、経験上、-20dB/decadeのほうを よく使うような気がします。

20dB/decade、6dB/octaveはグラフの傾斜のことで合っていますか。

そのとおりです。

20log0.5=-6dBは、整数で-6ではないと思いますが、問題はないのですか。

まあ、有効数字1桁で同じこと、ということにしておきましょう。

非反転アンプや反転アンプを適用するところが、考えないと分かりません。これは慣れでしょうか。

今日の1次LPFの二種類の回路から非反転アンプや反転アンプを探すのは、 まあ、言われたらそうだね、ぐらいでよいかと思います。

オペアンプの「+」に信号が繋がっていれば非反転アンプで、「-」に繋がっていれば反転アンプだということですか。

第2回を、しっかり復習しましょう。

進むペースが早い気がするのですが、こんなものですか。

講義時間をもっと減らして欲しかったです。

なんとなく理解できているが、頭の中で整理していると先に進んでしまうので、もう少しだけゆっくりにして欲しい。

最初の方をちょっとゆっくりやりすぎましたかね。 次回からはちょっと分量を見直してみます。 (本来は、演習の時間をとるために1.5コマ分あるのですが、 現在はほとんど講義になっていますね)

試験の過去問は見れますか。

この講義(電子回路第1)は、今年から始まった内容ですので、過去問は存在しません。

式は覚えるべきですか。

いえ、暗記は不要です。 ただ、非反転アンプや反転アンプなどの「導き方」は、ぜひ覚えておきましょう。

問題集はやった方が良いのですか。

けっこうマニアックな問題も多いようなので、 すべてはやらなくてよいように思います。

●感想

ボード線図についてよく分かりません。

ちょっとややこしいですが、今後よく使うものですので、 しっかり復習をして理解をしておいてください。

フィルタを用いることで帯域をカットすることができることを知りました。

今日の講義の内容は理解できました。

それはよかったです。

フィルタについてまだよく分かりませんでした。

全体的によく分かりませんでした。

GW明けで忘れており、復習が必要だと感じた。

復習すれば覚えられると思います。

反転アンプ、非反転アンプなどを復習していなくて分からなかったです。復習して再び解いてみたいと思います。

logを使用したり、いろいろ式が増えていってかなりこんがらがってきています。

反転アンプ、非反転アンプが混ざっているというのが分からなかったです。

ローパスフィルタとハイパスフィルタのグラフを理解するのが大変でした。

今回の内容は計算での考え方が分かりにくかったです。

ボード線図のところの分圧の話で分からなくなりました。電気の基礎が抜けているのを感じました。

∠Gのあたりがよく分からなかった。

G_DCをおいたときのくだり(ユニティゲイン周波数のところ)がややこしかった。

↑のような人もいるので、レベル設定が難しいのですが、 現在のレベルは、最低限必要なところであると考えています。 講義中はわからなくても、ぜひしっかり復習をして理解をしておいてください。

分からない用語が多いです。

かなり適宜注釈を加えているつもりですが、具体的にはどのあたりでしょう?

反転アンプや非反転アンプなどを回路をぱっと見て判断できるようにしておきたい。

これは慣れ、でしょうね。

赤ペンの文字が見えにくかった。

うすいペンが多いんですよね。 交換を依頼しておきます。

ハイパスフィルタが全く分かりませんでしたが、ローパスの方と大体同じそうな気はするので、分かりそうです。

まああまり深く気にしなくても結構です。

●要望

例題をもう少しゆっくり解説して欲しいです。

例題をもう少し増やして欲しいです。

これは、今後、なるべくそうしていきたいと考えています。

授業中にやった演習問題が理解しきれなかったので、詳しい解説をアカンサスにでも載せて欲しいです。

うーむ。ややこしそうな問題は、補足を加えていますが、 教科書にある説明で十分と思われるものは、あえて補足を加えていません。 逆に、教科書の解説で理解を試みてみてください。 それでもわからなければ、質問にどうぞ。
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