第9回分
位相余裕の意味が分かりません。
安定性の意味がよく分かりません。
位相余裕>0°で安定なのがよく分からなかった。
位相余裕がだんだん不安定になっていく理由が分かりません。
フィードバック回路の安定化の本質がいまいち分かりません。
フィードバックの出力が安定にならないという部分の流れが分かりません。
グラフの意味するところが分かりません。
配られたプリントの見方がよく分かりません。
正帰還、負帰還がよく分かりません。
なかなかすぐにはわからないと思いますので、何度も復習してみましょう。
位相余裕は回路のどの位置(素子)で設定するのか。
アンプの出力段にコンデンサをつけて、LPF的特性をもたせるのが一般的です
位相とdB/secを2つのアンプにより-180°、-40dB/secの傾きになるという事実は分かりましたが、位相というものがどうして出てきたのかと、カットオフ周波数ごとに-90°になる理由が分かりません。
位相が出てきたのは、LPFでの位相の変化(伝達関数の偏角)のことで、
フィードバック回路の安定性を考える上では、位相が180度となるところ、が
重要な分かれ目になるため、です。
またカットオフ周波数ごとに90度ずれるのは、フィルタ回路(1)のところを参照。
位相余裕を0に近づくと動作が不安定になるということは分かったが、その分フィードバックが増えて出力が正確になるのですか。
いえ、フィードバックがプラス、つまり出力が安定しないほうに向くので、
本来出てきてほしい出力からは大きくずれていくことになります。
位相余裕がないフィードバック回路では、fc2<fc1と考えてよいのか。
いえ、fc1, fc2の位置関係ではなく、フィードバック量が0dBとなるところでの
位相変化が何度か、というのがポイントです。
位相余裕がないフィードバック回路では、f>fxの場合は安定するのか。
入力や回路中に出てくる信号が、必ずfx以下の周波数しかないのであれば
安定ですが、実際にはアンプの非線形性などによってfx以上の周波数成分が
現れますので、現実的には全体では不安定になってしまいます。
「入力の差:f=fxの信号にとっては和になる→安定でない」というのはどういうことか。
出力の変化を抑える方向にはたらく(負帰還)のではなく、
その逆の出力の変化を大きくする方向(正帰還)になる、ということです。
3つ以上のオペアンプをつないだ時、安定性は2つのときと同じになるのか。
3次のポールの位置しだい、ですね。
直感的には電源電圧が一定なら安定している気がするが、そうではないのか。
フィードバック回路は出力を入力に戻しているので、
考察のとおり、不安定となることがあります。
2段アンプのボーデ線図の説明のとき、fc1<fc2としたが、fc2<fc1でも同じようなグラフになるのか。
まあそれはそうですね。
というか、そのfc2をfc1とおけば同じことですね。
2段アンプのボーデ線図でA=A1*A2のグラフがA1+A2のように書いていたのはグラフがdB表記だからですか。
そういうことです。
アンプ縦列にをつなぐと何故AがA1*A2になるのか。
入力をA1倍したものを、さらにA2倍するから、ですね。
アンプを2段にすることにより、どんな利点があるのか。
全体の増幅率をかせげます。
2段アンプの結果は何とかイメージできたが、3段、4段となるとどうなるのか。
同じノリですね。
2段アンプでのf、A、θの変化の仕組みがよく分からなかった。
なかなかすぐにはわからないとおもうので、よく復習しておきましょう。
正帰還のフィードバック回路はどのように使われているのか。
発振回路なんかには使いますね。
それ以外は、あまり積極的には使いません。
フィードバック量xが大きい(あるいは小さい)とき、どうなるのか。
フィードバック量が大きいと、出力の変動が、より大きく
入力に影響をあたえることになり、結果として出力の変動への
影響が大きくなります。
フィードバック量xの単位はdBですか。
そういうことです。
「フィードバック量x=0dBで出力が1倍になって入力に戻る」が分かりません。
ちょっと説明が不十分でした。
厳密には、x=0dBというより、Aが落ちていくところと1/β(水平)との交点では、
Aβ=1、となりますので、このときは、Aとβのループをひとまわりすると
振幅は1倍となりますので、アンプの入力の信号がそのまま出力に
出てくることになります。
このとき、位相が180度だと、正帰還となって不安定となることになります。
なぜポールと言うのですか。
特性が折れ曲がるところ、だからですかね。
2次のポールはグラフが2次関数になるですのか。
Aの分母がω2と近似できるから、ですね。
発振における入力がなくてもVoが出るとはどういうことか。
発振とはどういう状態なのか。
入力を与えなくても、ある周波数の出力が勝手に出てくる、ということですね。
dとΔの違いが分かりません。
dは微分、Δは有限の変化量、で、まあおおざっぱにいえば
同じものです。
(Δx→0とした極限が微分)
資料などでなぜθの値が負になるのか分かりません。
フィルタ回路(1)の回を参照。
安定かどうかの判断の仕方は、最後のまとめで分かったが、そこへ行き着く過程で位相余裕があるかないかのあたりから分からなかったです。
まあ位相余裕というのは、安定性を判断する手段の一つ、と考えてください。
安定的な意味での余裕かと思いましたが、数値的な意味もあったのですね。
そういうことです。
安定かどうかの判断についてもう少し詳しくやって欲しいです。
この講義の全体の中での位置づけでは、これぐらいがせいいっぱいです。
興味のある人は、勉強してみてください。
特に、いわゆる制御理論、と呼ばれる分野が関連が深いと思います。
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