第10回分

ベース端子は99%通り抜けるのに、なぜ存在するのか。

その1%の電子をつかまえるため(それがIBになる)、ですね。

pn接合を通ってコレクタへ行く電子がほぼ全て通るのはなぜか。

ベース領域(P型)が非常に薄いため、です。

ベースが薄いのなら、ベースに電流が流れなくても多少はC-E間に電流は流れたりはしないのか。

C-E間は、N-P-Nという構造ですので、2つのダイオードが逆向きに つながっている状態、といえます。 この状態では、C-E間に電圧を加えても、どちらかのダイオードが 逆方向に電圧が加わっていますので、電流は流れられません。

コレクタに到達しなかったごくわずかの電子はどこに消えるのか。

ダイオードの順方向電流と同じで、ホールと再結合し、 その分が、IBやIEとして電子・ホールが補充されます。

トランジスタのI_CとI_EはC-Eを導線と見なしてI_C=I_Eでよいか。

結果としてそういうことですが、 IC=IEとなるのは、上記のようにベース領域が薄いのがポイントです。

V_CE=-I_C/(∂I_C/∂V_CE)の右辺の符号-は、なぜ消えるのか。

アーリー効果でV_CEのマイナスがなくなるのはなぜか。

それがアーリー電圧の定義だから、ですね。

R_Eにかかる電圧の求め方が分かりません。

ん?R_Eってなんだ?そんなものは今回の講義では扱っていないぞ?

h_FEは何を示していますか。

とりあえずはβと同じもの、と考えておいてください。 正確には次回触れますが、エミッタ接地増幅回路での ibとicとの比、として定義されます。

問題にV_BBとありましたが、Bが+であり、-でもあるという意味ですか。

ああ、これはちょっと例外ですね。 あの電圧源の名前がV_BB、ということです。

βとは何か。また例題3.3でβの単位が[Ω]になるのはなぜか。

IBとICとの比、のことです。 また、βは、このように無次元で単位はないはずですが・・・おかしいですね。

なぜV_BE≒0.6Vなのか。また、テストでも0.6Vか。

ダイオードの順方向電圧が、ある程度電流が流れているときには ほぼ一定とみなしてよい、というのと同じ理屈です。 テストでは、基本的には、そのような仮定をしてよい、と指示をします。

I_B-V_BEがダイオードと同じ関係となるというのが分かりません。

B-E間は、P型-N型の接合で、ダイオードと同じ構造だから、ですね。

ダイオードはなぜ逆方向に電流が流れないのか。

電子とホールの再結合(出会い)がおこらないので、 電子とホールの補充が起こらないから、です。

I_F=I_S*(exp(-V_D/nV_T)−1)のI_S、n、V_Tとは何か。また覚える必要はあるか。

いえ、覚えなくてよいです。 とりあえずは、なんかの定数、と理解しておいてください。 (ただし、講義では触れませんでしたが、V_Tは、実際には温度に比例する定数です)

I_Fの式は教科書ではexp(V_D/nV_T)となっているが、どちらが正しいのか。

同じ式じゃないですかね。

N型とP型とはどういう意味でどのように使い分けるのか。

負電荷の電子が多いのがnegativeなのでN型、 正電荷のホールが多いのがpositiveなのでP型、です。 使い分けは、一般論はありませんので、ダイオードやトランジスタなどの 個別の例をみていってください。

pnpとnpnの性質の違いは何か。また2つのタイプがある利点は何か。

基本的にはpnpとnpnは、電圧・電流の向きを逆にすれば 同じ特性になります。 また実用上は、電源電圧と信号電圧の大小関係などから 使い分けることになりますが、とりあえずは気にしなくて結構です。

ダイオードやトランジスタを使うと何ができるようになるのか。

今回は触れませんでしたが、ダイオードは整流などに使い、 トランジスタは、たとえば増幅回路に使います。(これは次回に扱います)

トランジスタは電源の向きが変わるとどうなるのか。

電子とホールの動きを考えてもらうとわかると思いますが、 IBにあわせてICなどが流れないんじゃないですかね。

ツェナーダイオードはスルーしたが、やらないのか。

とりあえずは講義でスルーしたところは、スルーで結構です。 (情報/生命情報コースの必修科目である「電子回路第1」として 大切と思われるところを、時間との兼ね合いで選んで扱っています)

なぜケイ素にリンやホウ素を混ぜると電子や正孔が含まれるのか。

興味がある人は、そのテの文献を探してみてください。

リンとホウ素を両方混ぜるとどうなるか。

等量なら、電子もホールもなくなって、何も加えないシリコンと同じですね。

半導体素子に用いるものとしてシリコン以外に何かあるのか。

基本的にはIV族元素のSi・Geがあります。 そのほかに、III族とV族の化合物(GaAsなど)もあります。

アーリー電圧を考慮する意味とアーリー効果の仕組み、求め方がよく分かりません。

ここは時間がなくてはしょってしまいました。 アーリー効果の仕組みは、実はけっこうおくが深いので、 講義では扱えなさそうですので、興味のある人は、 そのテの文献をあたってみてください。 とりあえずは、VCEが増えるとICも少し増えて、のばしていくと1点で 交わる、という事実だけ、でけっこうです。

アーリー効果は何に活用するのか。

活用、というか、でてしまう現象、というところですかね。

カソード、アソードの名前の由来は何か。

もともとは化学の用語で、 陽イオンのことをanion、陰イオンのことをcathionといいます。 そこに、電極をあらわす接尾辞(-ode)をつけて、 陽極(プラス極)をanode、陰極(マイナス極)をcathodeといいます。 ダイオードの場合、順方向電流を流すときに 電圧源のプラスをつなぐのがanode、 マイナスをつなぐのがcathode、ということです。

期末試験はいつ頃ですか。

こちらを参照。 7/23の予定です。

ものづくりプロジェクトに興味ありますが、ネタを持っていっても構いませんか。

ええ、もちろんどうぞ。

秋田先生はどんな研究をしているのですか。

このあたりこのあたりからご参照ください。

●感想

オペアンプの知識がそのまま使えるので分かりやすい。

今日の講義の内容は、あまりオペアンプとは関係ないと思いますが・・・ ちゃんと講義聞いてます?

やはりトランジスタの特性は分かりにくいです。

トランジスタはいかんせん足が3本あるので、 ごちゃごちゃになりがちです。(自分もそうです) ぜひ整理しながら、よく復習してみてください。

例題が分かりにくかった。

復習してみてちゃぶ台。

●要望

講義中に会話している人を注意して欲しい。

私も気づいたらそうしますが、まずは、学生諸君の自助努力を期待します。
戻る