第11回分
バイアスとオフセットは同じですか。
原点からのズレ、という意味では同じですが、
ニュアンスとして、バイアスはかけるもの、オフセットは出てしまうもの、
という感じでしょうか。
図3.19(b)のGNDとは何か。
電圧をはかる基準(0Vのところ)、です。
入力抵抗、出力抵抗の意味が分かりません。
ちょっと簡単に流してしまいましたね。すいません。
入力抵抗は、信号を与える側からみた、電圧と電流の比、
つまり、その回路がどのような等価的に抵抗に見えるか、という値で、
出力抵抗は、それの出力側からみたものです。
ゲイン=増幅率でよいか。
それでっけこうです。
v_iとv_oの比である電圧ゲインは分かるが、i_1と電流源から出る電流との比で表す電流ゲインはどのような意味を持つのか。
電流が何倍に増幅されているか、ということですね。
あまり直感的には考えにくいですが、とりあえずは、
まあそういう量も定義できる、という程度の理解で結構です。
任意/一定=∞が分かりません。
これもちょっと説明不足でした。
電流源の両端電圧を変化させても流れる電流は一定ですので、
ΔV/ΔI=∞、という理解でよいと思います。
トランジスタモデルとは、トランジスタの中立素子を使って表したものだという解釈でよいか。
それで結構です。
抵抗を無視するとあるが、実際どのくらいの差があればよいのか。
これはケースバイケースで、一般論はないので、
個別の例で、まあそういうものか、と理解してください。
(試験の時には、近似の条件は明示します)
トランジスタが無くても等価回路を組んだら同じ働きをするのか。
それが等価回路というもおのですね。
「I_C−V_BE特性はダイオード」とはどういう意味か。
B-E間はPN接合ですからダイオードそのもので、ICとIBは比例しますので、
ICとVBEの関係はダイオードの電流-電圧の関係と同じになります。
V_T=kT/qとのことですが、温度が高いと電圧が高くなるのは何故か。
そういう物理現象なんですね。
(統計力学から半導体の理論を学ぶとでてきます)
T=27℃というのは定常状態ですか。だとしたら、T=30℃や20℃のときはどうなるのか。
温度が変わると電流が変わってしまいますが、
この講義で扱っている範囲では、温度は一定、と仮定してください。
gmが何なのかよく分かりません。
vbeとicの比、ですね。
gm:伝達関数とは何か。
トランジスタ単体を、入力vbeから出力icを得るための回路、と
考えると、その比=伝達関数がgmになります。
伝達関数とはどういうものか。
↑のとおり。
gmが伝達関数と区別されるのは、トランジスタの出力がアンプと違って電流だからなのか。
伝達関数は一般的な名称、gmはvbeとicの比、ということです。
gmのmとはどういう意味か。
gmは、別名、相互コンダクタンス(mutual conductance)と呼びます。
そのmutualのm、ですん。
gmの単位[S]とは何か。
あまり出てこない単位ですかね。
[S]とは、ジーメンス、と読み、Ωの逆数のこと[A/V]です。
例題3.5のような問題のとき、入力抵抗はBc側の抵抗であるr_π、出力抵抗はC側の全体抵抗すなわちr_oとR_Cの並列抵抗と考えてよいのか。
この場合はそういうことになります。
ただ他の回路では、ほかの抵抗がある場合があるので、
そういう場合は、そのような抵抗も加味する必要があります。
例題3.5における出力抵抗はr_πとは違うのか。
入力抵抗のことですかね。
入力抵抗の定義は、vi/ii、で、エミッタ接地回路の場合に
それを求めてみるとrπになる、ということです。
r_o//R_Cの値がr_o/R_Cなら、そうでないときはどうするのか。
おや?そうではなくて、roとRcの並列合成抵抗のことをro//Rc、と書くのです。
r_o//R_Cは式にそのまま使用し、答えを出すときだけ計算してもよいか。
基本的にはOKです。
(それぐらい一般的な表記方法です)
Ic=○(e^(V_RC/V_T−1))の○は結局必要なかったということなのか。
小信号等価回路では、変化分だけみますので、
それを求めるのに微分してみたら消えてしまった、ということです。
V_BE/V_T=ln(I_C/a) → dV_BE/dI_C=I_C とあるが、aの部分とV_Tは何故消えたのか。
定数なので微分したら消えました。
「動作」「動作点」とはどういう意味か。回路に電流が流れていれば「動作」なのか。
そのような理解で結構です。
動作点は、どれぐらいの電圧をかけて電流を流すか、というのの
変化の中心をあらわします。
「V_BIASの「動作」自体を考えるときには無視できる」というのが分かりません。
エミッタ接地回路でV_BIASやV_CCが無視できる理由は何か。
エミッタ接地回路でVoの一定分を無視するのは何故か。
動作を考える、とは、変化分がどうなるか、ということだけ考える、
ということですので、変化しない成分であるV_BIASは無視できる、
ということです。
エミッタ接地回路のイメージ図がよく分からない。
なかなか一発では理解できないと思いますが、
今後も使う話ですので、ぜひ復習してください。
ベースやコレクタの接地回路はあるのか。
もちろんあります。コレクタ接地は次回やります。
授業では計算式の途中でも単位を書いていたが、書いたほうがよいのか。
まあケースバイケースですね。
全然理解できていないまま進んでいるので不安です。また質問に行ってもよいですか。
もちろんどうぞ。
2限の半分までの時間枠ですが、いつも1限で終わってませんか。
おや、困りましたね。
何回か前に、長すぎる、という苦情があったので、
1限のうちに終わるようにしているのですが、
逆に早すぎる、という苦情とは・・・さて、どうしましょう。
期末に向けてどういう勉強をすればよいのか。教科書の問題が解ければよいのか。
基本的には、「これはやっておきましょう」と指示した
例題・練習問題などはやっておきましょう。
期末テストの範囲は全てですか。
講義で扱ったところ全部、です。
休講の分は補講になるのか。
ありません。
期末試験はいつなのか?中間試験はないのか?(多数)
この感想集を読んでいる人ならすでに知っていると思いますので、
ここに書いても無駄でしょうが、
講義のWebページを参照のこと。
●感想
トランジスタのモデルがよく分からない。
復習しましょう。(としか言いようがない)
どこまで覚えるべきなのかよく分からない。
「これだけはぜひ覚えておこう」と言ったことは、ぜひ覚えてください。
それ以外は、一通りは計算などを経験しておけばOKです。
電流から電圧に変わる図がよく分からない。
んーと、どの図のことですかね。
各回路で、電流と電圧の関係を、よく整理して理解しておきましょう。
r_oやr_πが混合してしまう。
紛らわしい記号が多いのは事実ですので、
ぜひ一度、整理しておきましょう。
例題3.5が分からなかったので復習したい。
がんばってください。
V_BIASがないとトランジスタが動かないのは負のVが出たらダメだからなのかと考え、V_BIAS>|v_i|になっているのかと思った。
それもありますが、簡単に言うと、VBE>0.6以上でないとICが流れませんので、
VBEが低くても0.6Vになるように、大きめにV_BIASをかけます。
ただ、VBEがぎりぎり0.6Vぐらいだと、VBEの変化とICの変化が
比例しない(比例するとはみなしにくい)ため、
もう少し大きめのV_BIASをかける(=動作点を設定する)のが一般的です。
●要望
電流源の話をもっと詳しく知りたいです。
文献も多数ありますので、興味がある人はぜひ調べてみてください。
電流ゲインのところの回路が見えにくかったので、Webに載せて欲しい。
電流ゲインの話がよく分からなかったのでもう一度説明して欲しい。
エミッタ接地回路の電流ゲインの話ですかね。
それほど複雑な話でもないので、教科書のa_iの定義のところを
さらっと見返してもらえばわかるかと思います。
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