第12回分
最初のトランジスタの小信号等価回路でv_o=-(r_o//R_c)gmとなるのが分かりません。
それは前回(第11回)の内容ですね。復習しましょう。
最後の(ただしv_i=0)とはどういう意味か。
出力インピーダンスを求めるときの条件、というか、定義、ですね。
〜接地とはどういうことか。
もともとは、GND(基準電位)につなぐ、という意味です。
転じて、小信号等価回路でのGNDにつなぐ、という意味にもなります。
ベース接地回路はあるのか。
もちろんあります。
この講義で使っている教科書には載っていませんが、
興味のある人はそのスジの文献をあたってみてください。
トランジスタやエミッタ接地回路を、v_iからi_cを得る回路とみると、どんな利点があるのか。
電圧→電流の変換回路、とみるわけですので、
出力の電流を、あとで別途、必要であれば電圧に変換することができる、
というあたりでしょうか。
ベースとコレクタのP-Nが何故コンデンサになるのか。
講義では飛ばしてしまいましたが、興味のある人は
教科書のダイオードのところの最初のほうに載っていますので、
参照してください。
簡単に言うと、逆バイアスの電圧がかかっている状態のP-N接合は、
電荷が、接合をはさんで向かい合ってたまる状態になりますが、
これがコンデンサそのもの、ということです。
接合容量はあらかじめ計測しておくことが可能なのか。
もちろんです。
エミッタ・フォロワの入力インピーダンスの部分で「入力の信号源はほとんど流さなくてもよい」とあったが、これは微弱な電流であっても動作するということなのか。
そういう理解でよいと思います。
エミッタ・フォロワの出力インピーダンスの求め方が分かりません。
ちょっと時間がなくて飛ばしてしまいました。
出力インピーダンスの定義にしたがって求めてみましょう。
エミッタ・フォロワのRsは何のために付けるのか。ほぼ0とするなら必要ないのではないか。
まあそうなのですが、教科書の説明では載っていたので、
それに沿ってみました。
エミッタ・フォロワとミラー効果で何をするのかがいまいち分かりません。
ミラー効果は実際どんな用途で使うのか。
エミッタフォロアは、信号源の負担(電流供給)を減らすもの、
ミラー効果は、特に周波数の高い信号で、寄生している容量成分が
大きく見える、という現象ですね。
ミラー効果の本領は、残念ながらこの講義で扱う範囲では出てきませんが、
電子回路第2では扱う予定です。
エミッタ・フォロワとボルテージ・フォロワの違いが分かりません。
用途というか性質は似ているのですが、
ボルテージフォロアはオペアンプでつくり、
エミッタフォロアはトランジスタ1個でつくる、ということです。
エミッタ・フォロワはボルテージ・フォロワのトランジスタが入ったバージョンみたいなものか。
入った、というか、トランジスタで作った、というところでしょうか。
エミッタ・フォロワで出てきたi1は、R_sとr_πで起こった電圧降下がv_i−v_oだから、あとはオームの法則でi_1=(v_i−v_o)/(R_s+R_π)となるということでよいですか。
その理解でよいです。
エミッタ・フォロワでR_s≒0と近似したが、実際は近似のようにならないこともあるのか。
まあ実際には、近似の条件次第、というところです。
理想でなく現実のエミッタ・フォロワでもa_v=1とできるのか。
それはRLなどの条件などによります。
ミラー効果の原理がよく分かりません。
一応、復習しておきましょう。
ミラー効果はどの辺がミラーなのか。
Millerさんが発見したから、ですね。。
ミラー効果のAA'より右側のインピーダンスの式で何故Z1=v1/i1なのか。
それがZ1の定義だから、です。
ミラー効果でC_πは計算に使わないのか。
C_fの計算には関係してきませんね。
去年はミラー効果を扱っていなかったが、そこまで重要ではないのか。
それは情報回路第1と電子回路第1の、カリキュラム構成の違いです。
電子回路第1では、扱うからには重要なことがらです。
入力電圧=出力電圧となる現象はどのような場合に用いられるのか。
入力=出力を用いる、というか、そうであっても、
入力インピーダンスが大きいので、
入力の信号源の負担(流す必要がある電流)を減らす効果がある、
という理解でよいと思います。
入力インピーダンスが大きくなると、何故負担が少なくなるのか。
電流を流さなくてもよい(流せない)から、ですね。
添え字のおき方(C_fやC_π)に何か法則はあるのか。
小信号等価回路のところや、ミラー効果のところでは、
ありそうな、なさそうな・・・というところでしょうか。
C_Mの単位は[F]ですか。
もちろんそうです。
v_o=1/(1+(rπ/(1+h_FE)))*v_iのv_iはどこから出てきたのか。
小信号等価回路からこの式が導かれます。
pP.112で、何故(a)を(b)や(c)と等価と見なせるのか。
等価回路ですので、じっくりく考えてみてください。
この電子回路はどういった研究で使っているのか。
第1回参照。
近似が多いですが、それはそういうものだとして覚えるべきか。
近似が多過ぎて、何を近似できて何が近似できないのかが分からなくなりそうだと思った。
なかなか近似を使うタイミングというか勝手がわかりにくいと思いますが、
講義中に、こういう近似をしよう、と説明したところで、
行った近似を真似してくれればよいと思います。
近似は実際の値とそんなに差は無いのか。
まあどの程度を差がないとみなすか、によりますが、
ふつうに使うレベルであれば、だいたい問題ないものが多いです。
「〜は置いといて」という表現をよく用いますが、スルーしても大丈夫ですか。
はい、よいです。
試験は範囲が多いが、何問くらい出題するのか。
さあ、どうでしょう。
試験は例題、練習問題の類題が出ると考えてよいか。
基本的には、そのあたりをおさえておけば、単位はとれるように
しようと考えています。
●感想
例題が分からなかった。
エミッタ接地回路がいまいち感覚的に理解できない。
エミッタ・フォロワの式変形の流れが良く理解できなかった。
エミッタ・フォロワの入出力インピーダンスのところがよく分からなかった。
復習しましょう。
問題などでオペアンプの復習をしておきたいです。
それはよい心がけです。
電圧が変わらなくても、インピーダンスの変化で役立つ回路(エミッタ・フォロワ)があると分かった。
エミッタ・フォロワで、新しい回路が出てきても小信号等価回路にして考えればよいと分かった。
そうですね。
電圧が変わらないエミッタ・フォロワは電流の大きさが増幅されるオペアンプなのかなと思った。
オペアンプ、は、出力が電圧で、∞の利得を持ちますので、
エミッタフォロアとは違いますが、なんとなく言いたいことはわかります。
a_v=v_o/v_i=1/(1+(h_FE/(1+h_FE*(1/gm*R_L))))=1となり入力電圧と出力電圧が等しくなることが分かった。
そゆことです。
●要望
今更だが、小テストや宿題があればなお良かったです。
もっといろんな例題や問題をWebに載せて欲しい。
時間との兼ね合いなんですよねえ。
教科書の例題でも、十分な質・量がありますので、まずはそちらを。
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