第3回分

■負帰還

帰還の意味は分かったが、負帰還の意味が理解できなかった。授業で取り扱った回路は全て負帰還か?

この講義で扱う回路は、ほとんどが負帰還です。 例外は、第7〜8回で扱う発振回路、です。

正帰還回路というのは、プラス側が入力になるので、使われることはないのでしょうか?あれば例を挙げて欲しい。

第7〜8回で扱う発振回路、が代表的なものです。

減衰器が、抵抗の値だけで決まると何故高精度なのか?

抵抗の値を精度よく作りやすい、ということですね。

(減衰器の精度が良いのに対して)増幅率Aの精度が低い理由を教えて欲しい。

増幅器を構成するトランジスタの特性を精度よく作るように 製造を制御しにくい、のが原因ですが、それは、 トランジスタが小さいために、 トランジスタのP/N領域の不純物密度やトランジスタの寸法のバラツキが どうしてもある程度大きくなる、ということです。

ViからH倍したVoを引くのに、増幅されていくのが不思議だった。すっかり0になると思っていた。

まあ、そこに出力が落ち着くのが、負帰還の不思議というか、面白いところですね。

負帰還で出力の一部を入力に戻すとどうなるのか?

結果として、式で求めたように、出力がある値に落ち着いています。

負帰還はどういうところで使うのか?

詳細は時間がなくて触れられませんでしたが、 システム全体の利得を抑えることで、 システムの安定度を増すために用いられます。

■オペアンプ

現実には、増幅率Aがいくつなら無限大とみなせるのか?

つくる回路(増幅器)の利得しだい、というところですね。 その利得よりも十分大きければ、無限大と近似してもあまり影響はありません。

オペアンプの増幅率を無限大にしても良い理由を教えて欲しい。

実際には十分大きいから無限大と近似してもよい、 という説明で、理解してもらえるでしょうか。 (質問の意図とずれているような気はする)

今まで何倍に増幅されるかは、オペアンプによって決定されると思っていた。しかし、ほとんどの場合、Aが無限大であるため、入力電圧が何倍になるかは、抵抗によって決まると考えればよいのか?

そういうことです。

負帰還に使われる増幅器は、どのような構造ですか?

直感的には、マイナス側の入力を持つもの、ということになります。 ただし、増幅器自体にはマイナス側の入力がなくても、回路構成上、 それと等価なものをつくる手法もあります。

■受動フィルタ

フィルタって何ですか?

周波数ごとに特性が変わる回路、という理解でよいとおもいます。

LPFは何に使うのか?

名前の通り、低い周波数の信号がほしいとき、ですね。

伝達関数HからLPFになることが理解できない。

ωが小さいところではH=1となって通過し、 ωが大きくなると、Hがωとともに減少する、ということから 理解できるかと思います。

1/(jwCR)のグラフが直線なのはなぜか?

縦軸を対数軸で描いているからですね。

伝達関数Hについて、wが小さい時、1に近づいていくのは何故か?

虚部が実部(1)に対して無視できるから、です。

伝達関数Hは、wを十分に大きくすれば、0に近づくか?

LPFの場合は、そういうことになります。

wCR=1の時、H(w)=1/(1+j)が分かりません。

wCR>>1の時、H(w)=1/(jwCR)が分かりません。

再度、計算をしてみましょう。

■オペアンプを使った1次フィルタ

導出の元となる式が分からなかった。Web上にかいていますか?

反転増幅器のR2のかわりにRとCの並列インピーダンスを おけば導かれます。

何故C1とR2を並列にすればよいのか?

結果としてLPFの伝達関数が得られる、ということでしょうか。

この回路の電流の流れ・電流値が分からない。

反転増幅器の式の導出を参考に、再度、計算をしてみましょう。

■VCVS

1次と2次のLPFの違いは何か?性能差はあるか?

2次の方が、遮断域での遮断特性がよくなります。 つまり、ωが大きくなるほど、より急激に|H|が小さくなっていきます。

2次のLPFの伝達関数Hは覚える必要があるのか?

いえいえ。

C1側とC2側の電圧値が同じなのは何故か?

理想オペアンプだから、ですね。

最後の方程式の右辺の2項で、jwC1(v1'-V0)にR1(1+jwC2R2)をかけている所が分からない。

板書での式の導出を忘れてしまいましたね・・・ どうしてもわからなければ、ノートを持って質問に来てください。

■フィルタ回路全般

フィルタ回路で、Cを抵抗のようなものにみえるとあるが、抵抗と置き換えると間違いか?

あくまでもインピーダンスですから、抵抗と置き換えてしまってはまずいですね。 あくまでも、「イメージ」です。

ハイパスフィルタもあるのか?LPFの他にどのような種類のフィルタがあるのか?

もちろんハイパスフィルタ(HPF)もあります。 そのほか、ある範囲の周波数の信号だけ通すバンドパスフィルタ (Band Pass Filter; BPF)などがあります。

ハイパスフィルタの具体的な回路を知りたい。

よい文献が多くありますので、いろいろ調べてみてください。

カットオフ周波数という言葉の意味を知りたい。

カットオフ周波数はどのように用いられるのか?詳しい解説をして欲しい。

その周波数よりも先(LPFならば、より高い周波数)の信号は (周波数によって程度は違うものの)減衰される、という意味です。

■その他

講義中に出てくる式の導出過程は覚えるべきか?

いえ、導出過程そのものは覚える必要はありませんが、 そこで使っているテクニック(理想オペアンプでは2つの入力の電圧差=0、など)は よく見て納得してもらうとよいと思います。

PSpiceでは、このような回路の計算をどのように行っているのか?

地道に微分方程式を解いているんですね。

宿題について、PSpiceの手順などを詳しくウェブサイトに載せて欲しい。

課題2のところの解説では不十分でしょうか? さすがにあれ以上は・・・

voやviは交流で、ViやVoは直流ですよね?今までは直流で考えてきて、PSpiceの時だけ交流でシミュレーションしたということでいいか?

交流の、ある瞬間の電圧に対して、反転増幅器などの特性が 成り立ちますから、基本的には、大丈夫です。

宿題について、増幅率の値をどのように決めるか分からなかった。

非反転増幅器の増幅率を求める式を使ってください。

オペアンプの中身は、回路素子を組み合わせて作れない素子なのでしょうか?

もちろん作れます。 第5回あたりで、多少みていく予定ですが、 オペアンプも、トランジスタなどからなどからなる回路です。 ただし、まともに作るとトランジスタなどの素子数が多いので、 Student版PSpiceでは、残念ながらシミュレーションができないようです。

基本的なことですが、電圧VとGNDの間にコンデンサがあった場合の回路において、電流が流れるとどうなるのか?

電荷がたまって、コンデンサの両端の電圧が上がっていきますね。

宿題について、通常のオペアンプの記号と違う記号(電圧制御電圧源)を使ったのですが大丈夫か?

大丈夫ですよ。 ただ、できるだけ、オペアンプ(OPAMP)を使ってください。
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