第6回分

■スルーレート

SRの値を変えることはできないのか?限界はあるのか?

スルーレートは、どのように求められてきた値なのか?計算で求められるのか、それとも実験的に求められるのか?

オペアンプの出力段のトランジスタがどれぐらい電流を流せるか、で決まりますので、 設計時に決めるべき特性です。

スルーレートは大きい方が良いのか?

一般にはそういうことです。

スルーレートと理想的な出力の関係が分からない。出力の変化の速さと大きさは関係がないように思える。

正弦波の場合は、周波数と振幅から、「出力の変化の速さ」が決まります。

出力の変化の速さがSRを超えた場合、どのような問題が起こるのか?

変化の速さがSRを越えている部分が、傾きがSRの直線になってしまうことになります。

「dVo/dtの最大値<SR」という式があったが、「|dVo/dtの最大値|<SR」の間違いではないか?

失礼しました、そのとおりです。

■GB積

GB積やスルーレートを見ると、高周波では、利得の効率が悪くなるという理解で正しいか?

前回の疑問集のとおり、そういうことになります。

オペアンプの実験の時、高周波で利得が下がっていたのは、”3年の後半にならないと分からないこと”が原因なのか?

この講義の第12回でも少しは触れる予定ですが、 詳しくは3年後期の集積回路工学第2で扱う予定です。

高周波で利得が下がる原因を調べたいが、参考になるウェブサイト、もしくは本はありますか?

これがよいかと思います。

GB積はどこで使われるのか?どんなときに必要とされるのか?

高周波での利得の目安としてわかりやすいです。 もし利得が-20dB/decで下がり続けるのであれば、利得=1となる周波数、と 同じになります。

グラフの傾きは必ず-1になるのですか?

下がりはじめのところは、いわゆる1次のポールですので、 最初は傾き-1(-20dB/dec)になります。

GB積(利得)のグラフがなぜ反比例するのか?

下がりはじめのところは、いわゆる1次のポール、つまり 分母がωの1乗の式になるから、ですね。

■増幅率の影響

(R1+R2)/AがR1より十分小さい時とあるが、具体的にどのくらい小さい時か?

だいたい2桁以上小さければ、だいたいの場合で大丈夫(誤差1%程度)、というところでしょうか。

増幅率が有限である場合等を考えてきたが、今後はそれら全てを考えてオペアンプを考えていくのか?

いえ、今後も、特に断る場合以外は、ほとんどの場合は、無限大で考えます。

反転増幅器の増幅率は、大きいところでは精度が悪く、小さいところでは精度が良いということか?

そういうことになります。

■非反転増幅回路のオフセットの影響

入力オフセット電圧は、どのような目的で用いられるのか?

用いられる、というよりも、ほしくないけど現れてしまう、という性質のものです。

入力オフセット電圧は、現実では必ず発生するものか?

前回の疑問集でもありましたが、製造上、どうしても生じてしまうものです。

先週の入力オフセット電圧はVosでしたが、今週の入力オフセット電圧はVoffとなっていたが、どうしてか?

すいません、うっかり変えてしまいました。

■オペアンプ

増幅率はどのように決定されるのか?

回路設計上、です。 この講義の第12回で少し触れる予定です。

直流の入力に対しては、利得は一定とみなしてよいのか?

ほぼ問題ないでしょう。

利得が十分に大きい、というのは回路によって判断するのか?

そういうことですね。

増幅率やスルーレートは、オペアンプによって決まっているのか?

設計・製造時に決まってしまうものです。

オペアンプの利得は、大きいほど良いのに、利得の高いオペアンプや低いオペアンプがあるのは何故か?

利得を含めたいろいろな特性は、一般にトレードオフの関係がありますので、 他の特性を理想に近づけるために、やむを得ず利得が下がってしまう、ということです。

高周波・高利得で正弦波を増幅したい場合にはどのように工夫すれば良いのか?

スルーレートの大きいオペアンプを使う、ということぐらいでしょうか。

■その他

試験勉強に役立つ問題が掲載されている参考書を教えて下さい。

この講義の過去問はいかがでしょう。

○倍をデシベル表示にする意味は何か?

ゼロが多い(桁数が多い)数値を、端的に表現するため、ですね。

[dB/decade]と[dB/octave]の単位をどう使い分けるのか?

dB/decadeのほうが使われることが多いように思います。 dB/octaveは、実際にはあまり見かけませんね。

dBを表記する時には、decade,octaveなども単位の中に含めるべきか?

dB/octやdB/decは、減少する割合、を現す単位ですので、 減衰率を現すときにしか使いません。

Webの資料と板書の式の形が微妙に違っていて分かりにくい。

失礼しました、なるべくそろえるようにします。
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