第7回分
■正帰還回路と発振条件
発振回路の初期電圧はどのようにして与えるのか?(発振回路は回路を組んだ後、外部から電圧を与えて発振させるのか?)
なかなか鋭い質問です。
実は、発振のはじまり、は、なかなかやっかいで、
最初のうちは|AH|>1としておいて、
発振が安定したらAH=1とするような制御をかける方法もあります。
発振回路以外で、正弦波は与えられないのか?
まあ、正弦波を出すのが発振回路、です。(禅問答のようですね)
発振回路は、正弦波のみを出力するものか?
いえ、方形波や三角波を出力する発振回路もあります。
ただ、まずは一番理論的に扱いやすい、正弦波の発振回路を
扱いました。
発振回路は、帰還回路を使わない方法で実現できるか?
基本的には無理じゃないでしょうか。
いまの出力の状態がわからないと、周期的に出力を変える、
ということはできないはずです。
実験で使う発振器で、ダイヤルを回すと周波数が変わるが、どのような操作(R,C)が行われているのか気になった。
ほとんどの場合は、ダイヤルはRを変える可変抵抗器で、
レンジ切り替えが、コンデンサCを切り替えていると思われます。
現実の正帰還で、|AH|>1ならば、Voの上限はどのように決まるのか?また、壊れないのか?
増幅器Aが、どの程度まで大きな出力電圧を出せるか、に依存します。
一般には、壊れることはなくて、ただ、それ以上の電圧が出せないので
一定値になってしまう、ということです。
発振回路の図で、どうしてV1とV2を分けたのか?
発振回路を考える時に、回路を切って考えた意味が分からない。
ループ利得AHを考えやすくするため、ループのスタート地点と
ゴール地点を設定してみました。
パルス波の発振回路などもオペアンプで設計されるのか?
いえ、もっと別の方法もあります。
少し、次回の演習のときにみることにしましょう。
AHが実数でない時、位相が変わり収束しないことが分かった。しかし、AHが実数でAH=1のとき、V1が正弦波でもOKだというところが分からなかった。正弦波というのは位相が変わっているのではないか?
その瞬間瞬間で、V1が収束して有限の値になっている、という
理解ではいかがでしょうか。
周波数条件を解いてみると、ある周波数の正弦波しか
発振条件を満たさないので、その周波数で時間と共に変化する
正弦波が得られる、という理解でよいと思います。
AH=-1にする方法が思いつきません。
例えばAに非反転増幅器を使えばできそうですね。
AH=-1の時(負帰還の時)に、なぜVoが一定になるのか?(-AV1とAV1で振動するのではないのか?)
負帰還の一般式は Vo = A ( Vi - H Vo ) ですが、Vi=0, AH=-1とすれば、
これは恒等式になり、どのようなVoでも満たされることになります。
時間と共に変化する正弦波もOKですが、それ以外のどんな波形もOKなので、
時間とともに周期的に変化する信号のみを得るための発振回路とは
なりえない、という理解でよいと思います。
発振回路が、AH=1である理由が分からない。
消去法で消していったら、可能性があるのがAH=1の場合だけ、
ということです。
Im(AH)=0が、なぜ周波数条件になるのか分かりづらかった。
多くの場合、Im(AH)=0から、発振周波数が求められることから、
このような名前がついている、ということです。
出力が余弦波の場合もあるのか?
余弦波は正弦波の一種(位相が90度ずれているだけ)ですね。
AH=e^(jθ)のとき、Aの周波数はどのようになるのでしょうか?
?
AHが(実数でない)複素数の定数ならば、ということです。
帰還回路の、入力と出力から戻ってくる信号が加算されるところの○+の横の「+」や「−」の記号はどのような意味か?
+・+なら、入力Viと出力からのH・Voを加算(Vi + H・Vo)し、
+・−なら、入力Viと出力からのH・Voを減算(Vi - H・Vo)する、という意味です。
■ウイーンブリッジ発振回路
R1=R2=R,C1=C2=Cとしなかった場合、振動する条件は違ってくるのか?
電力条件をちゃんと解けば、もちろん求められますね。
抵抗とコンデンサの容量の値が全て同じになったのは偶然か?
いえ、R1, R2, C1, C2を自由に決められるので、
自ら制限を設けてみた、ということです。
この回路の電力条件は何か?
|AH| = AH = (1+R4/R3)・1/3 = 1、ですね。
ウイーンブリッジ以外にどのような発振回路があるのか?
次回にいくつか触れることにしましょう。
ウイーンブリッジ発振回路はどのような物に使われるのか?
比較的低い周波数(高くても1MHz程度)で、周波数を変えられる
発振器に使われることが多いようです。
ウイーンブリッジ発振回路の角周波数は負の値はとらないのか?
まあ角周波数ですから、正で考えましょう。
どうしてAの入力を切って考えられるのか?
ループ利得AHを考えやすくするため、ループのスタート地点と
ゴール地点を設定してみました。
周波数条件が成立しているという計算で、実部が0になるところが理解できなかった。
Hを求める時、”Hが実数でなくてはいけない”という条件から、Hの分母の実部=0としたが、実部が必要なのに実部を0として消してしまって良いのか?
Hの分子が純虚数ですから、分母も純虚数になる必要があります。
ω=1/√(C1C2R1R2)のところの説明が分からなかった。
周波数条件の式をωについて解いただけですよ。
■その他
課題1・2でやったことがよく分からない。どうすればよいか?
まあ全体や実験第1のオペアンプの回でやることをとおして、
ぼんやりと、あとからわかってくると思います。
コンデンサが出てくると急に分からなくなる。
交流に対しては、コンデンサは1/jωCの「抵抗のようなもの」と
考えてください。
今さらですが、元の回路から等価回路をどうやって求めるのか?また、その等価回路から何を求められるのかが分かりません。(等価回路とは何ですか?どうやって設計するのか?)
等価回路とは、文字通り、その回路と同じ働きをする回路、ということで、
その回路の特性・性質を考えやすくするために使います。
娘さんのけがは治りましたか?
おかげさまで、もうほとんど大丈夫なようです。
(って、なんで知ってるんだ・・・)
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