第8回: 発振回路の演習

コルピッツ発振回路


この図のような回路をコルピッツ発振回路と呼びます 利得-R2/R1倍の反転増幅回路と、C1, C2, Lからなるループ部分からなります。

[演習]
このコルピッツ発振回路のループ利得AHと、 発振条件、およびそれから発振周波数を求めてみてください。
(解: C1, C2, L部分の合成インピーダンスZが、 Z = (1 - ω2LC2) / {jω(C1+C2-ω2LC1C2)}
分圧の法則から、 H = {Z / (R+Z)}・{1/jωC2 / (jωL + 1/jωC2)} = 1 / { jω(C1+C2-ω2LC1C2)R + 1 - ω2LC1 }
またA = -R2/R1なので、 まず周波数条件から、C1+C2-ω2LC1C2 = 0 →ω = √{(C1+C2) / LC1C2}
このとき、電力条件から、 Re(AH) = (R2/R1)・(C1/C2) = 1、つまりR1C2=R2C1

ハートレー発振回路

コルピッツ発振回路の、CとLを入れ替えた回路を ハートレー発振回路と呼び、やはり発振回路となります。

[演習]
コルピッツ発振回路の、 C1→L1, C2→L2, L→C と置き換えたハートレー発振回路の 発振条件を求めてみてください。
(解: 周波数条件: ω=1/√{(L1+L2)C}, 電力条件: (R2/R1)・(L1/L2)=1)

移相形発振回路


この図のような回路を移送形発振回路と呼びます オペアンプで反転増幅回路(っぽい)回路ができていますので、 R3個とC3個からなる部分の合成インピーダンスを求め、 オペアンプの出力Voutから、オペアンプの−入力端子に流れてくる 電流Iを求めれば、Vout = -I・R2となりますから、 この回路のループ利得AHが求められることになります。

このループの部分は、ざっくり見ると、RCのLPFが3段あります。 RCのLPFが1段で、最大90度の位相のズレがありますから、 3個で最大270度の位相のズレがあることになります。 もちろんこの位相のズレは、角周波数ωによって変わるわけですが、 この3段分での位相のズレが180度となるようなωが、 存在するはずです。 そして反転増幅器の部分では180度の位相のズレがありますから、 両方あわせてAHで正帰還がかかり、発振することになります。

[演習]
この移送形発振回路のループ利得AHと、 発振条件、およびそれから発振周波数を求めてみてください。 (かなり大変な式になりますので、行けるところまで・・・)
(解: AH = 1 / { -R/R2 + 5/ω2C2R・R2 + j ( 6/ωC・R2 - 1/ω3C3R2R2)}, 周波数条件からω = 1 / (√6・RC), 電力条件から R2/R = 29)


この回のソボクな疑問集
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