第2回分

●オペアンプ

オペアンプの符号(+と-)をどう使い分けているのか。何か基準があるのか

ナレータ・ノレータを用いるのであればオペアンプの正負を逆にしてもいいはずなのに、わざわざ書き分けているのはなぜか。何か理由はあるのか

最後に書いた回路のオペアンプの+と-は逆でいいのか

前回の負帰還のところ(と、そのソボクな疑問集)で 実は少しお話しましたが、+と-が逆だと、安定して動作をすることが できません。 基本的に、出力の一部が戻ってくる方(抵抗などを通して出力に つながっている方)が、-(負帰還、ということ)、と考えておいてください。 この負帰還がかかっている状況だからこそ、ナレータによる 等価回路を使うことができる、ということになります。

オペアンプの内部構造についての知識は将来求められるのか

そうですね、詳細は、オペアンプを含めた集積回路の設計者に ならない限りは必要ないかと思います。 が、実際に使う側になる経験をする人はかなり多いのではないかと 思います。 そういうときに、その使う上での限界、ポイント、を知っておくのは 非常に大切ですが、そのためには、内部構造の詳細というよりも、 概略を知っておく必要があると思います。 特に第5回あたりで触れる、実際のオペアンプの特性、に関しては よく理解をしておくとよいと思います。

●非反転増幅器

非反転増幅器などは何につかわれているのか

入力インピーダンスが非常に大きい(理想では∞)、つまり 入力に電流が流れないので、回路どうしを接続するときに、 前の段の回路が、次の段の回路を駆動するときに電流を流さなくてもよい という性質がありますので、前の段の回路の出力の駆動能力が低い(電流を あまり流せない)ときに、間に挟むことが多いです。 (このような使い方を「バッファ(buffer)」と呼びます)

非反転増幅器の式の意味を理解できない

ナレータの性質や分圧の法則がよくわからないので式の関連が見えない

再度、よく見返して復習してみてください。

非反転増幅器でVs=0のときはZs=0になるのか

そういうことになりますね。

非反転増幅器の出力電圧Voを求めるとき、分圧の法則を使わないで解くにはどうすればいいのか

出力からR1・R2を通って流れる電流をIとしてV'を求める、というのは どうでしょう?

●ナレータ・ノレータの使い方

ナレータ・ノレータがどういうものなのかイメージできない。その独特な特性のせいで混乱してしまい、よくわからなくなる

ナレータ・ノレータの使い方やその利点がよくわからない

どうも慣れない、という人は、使わなくてもよいと思いますよ。

なぜオペアンプの等価回路にナレータ・ノレータを用いるのか

それを使うと、便利だなあ、と思う人がいるから、だと思います。 少なくとも、オペアンプの等価回路を描けますから、 機械的に(=コンピュータで)回路方程式を解くときには有効です。

オペアンプの出力はいつでもノレータのように任意でその影響を無視できるのか

オペアンプの出力がノレータのような状況にならない場合はどうするのか

理想オペアンプである限り、前回のソボクな疑問集 でも書きましたが、R2などを流れるIのほかに出力側につなぐ負荷に 流れる電流を補うために、ノレータを考える必要があります。

●加算増幅器

加算増幅器は反転増幅器の構成をとっているが、非反転増幅器の構成のものはあるか

無理でしょう。 反転増幅器のV'=0となる特性が、加算を行うポイントになっています。

なぜ加算器の出力が負になるのかよくわからなかった。その電位差が発生するというのはわかったが、電圧の値の正負がよくわからなかった

もう一度、式を丹念に追ってみてください。 電流は、電圧が高いほうから低いほうへ向かって流れます。

●入力・出力インピーダンス

インピーダンスがよくわからない。インピーダンスの概念がまだよくわからない

直流に対しては、インピーダンス=抵抗、ですから、 おおまかに「抵抗」(オームの法則に出てくる抵抗)と置き換えて 考えるといいと思いますよ。 コンデンサやインダクタも、交流に対しては、 流れる電流に対して両端電圧が発生する「抵抗のようなもの」(= インピーダンス)として見ることができます。

インピーダンスで「入力側から見た」「出力側から見た」というのは具体的にはどのようなことなのか

入力に信号源として電圧を加える側にとって、どういう電圧を加えると どういう電流が流れるか、という意味ですね。

なぜ入出力インピーダンスを求めるのか。その利点は何なのか。

入出力インピーダンスは具体的にどのようなことに使用できるのか

どういう場合に回路を外から見る必要があるのか

例えば入力側にとっては、どういう電圧を加えるとどういう電流が 流れるか、という点でしか、その回路の特性を測ることができません。 それを知ることが、入力インピーダンス、であるわけです。

インピーダンスが0というのは直感的にどう考えればいいのか

抵抗が0、すなわち電流を流しても、両端電圧が0、と 考えればいいんじゃないですかね。

入出力インピーダンスの導出方法がよくわからなかった。

もう一度丹念に式を追って復習してみてください。 ※実は出力インピーダンスの導き方は、少し間違っていました。 次回、訂正します

反転増幅器の入出力インピーダンスでZi=Vi/Iiなのに実はIi=Vi/Riになるのがよくわからない

それは反転増幅器の特性式の導出過程そののの、じゃないですかね。

非反転増幅器の入力インピーダンスでZi=Vi/IiでIi=0としていいのが納得できない

それは非反転増幅器の特性式の導出過程そののの、じゃないですかね。

出力インピーダンスZoを求めるときに入力電圧Vi=0とするのはなぜか

そういう定義、だからです。

Vi=0にした場合には入力インピーダンスZi=0にはならないのか

反転増幅器・非反転増幅器では出力インピーダンスはともに0になったが、0以外になる場合はあるのか

必ずしもそうはなりません。 特に理想オペアンプでない場合は、オペアンプ自身の出力インピーダンスが ありますので、これが影響してきます。

Ziは大きい方が、Zoは小さい方が回路としては優れている、という認識は正しいか

基本的にはそう考えてよいと思います。

●その他

回路がブツブツ切れていてつながりがよくわからない

ん?反転増幅器などの回路ごとはわかるけど、 それらをつなげると、という意味でしょうか? もしそうであれば、順番に追うしかないですね。

入力と出力の電圧が0というのがよく出てくるが、実際もそのような状況が多いのか

そうですね。信号を加えなければ電圧=0、ですね。

ナレータ・ノレータを用いずに電流を使って求める方法がよくわからない

回路の各所の電圧・電流を順番に求めていく、という手順ですので、 再度、丹念に式を追って復習してみましょう。
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