第8回分
フィードバック回路の形がよく分かりません。また、非反転アンプのどこにフィードバックしている部分があるのか分かりません。
非反転アンプでは、オペアンプ自身の「2つ入力の差をA倍する」という性質が、
A倍アンプの左側にある、入力Viと下からくるβVoを引いて、それをA倍する、
という性質に、結果として対応している、という理解でよいと思います。
フィードバック回路は非反転アンプからしか考えられないのか。
いえ、わかりやすいので非反転アンプを例にあげましたが、
教科書には反転アンプとの対応も載っていますし、
他にもたくさんあります。
フィードバック回路ではゲインが小さく安定するという理解でよいですか。
結果としてそういうことになります。
オペアンプにフィードバックを使用することで具体的にどういった利点があるのか。
↑のとおりです。
フィードバック回路のゲインとカットオフ周波数がなぜ一致するのか。
何に一致する、ということですかね。
減衰域でのゲインの下がり方がオペアンプ自身のゲインの下がり方と一致する、
という話でしょうか。
そうであれば、AがGに比べて十分大きくない場合に、AとGとの関係を考えてもらうと
わかるかと思います。
フィードバック回路でカットオフ周波数が小さくなることはあるのか。
ふつうのフィードバック回路ではありえないですね。
カットオフ周波数が変化する仕組みが分かりません。
式(2.16)の上でそうなっている、という、式の上での理解でも
よいかと思います。
オペアンプを使ったフィードバック回路のf-A_DCのグラフがよく分かりません。
式(2.16)との対応をとりつつ、よく復習しておいてください。
オペアンプとフィードバック回路のそれぞれでゲインが出てきたが、2つは同一の回路の中に存在しているのか。
フィードバック回路中のゲイン(A倍のアンプ)が、実体はオペアンプである、
ということです。
フィードバック回路とオペアンプのゲインがそれぞれG=A_DC/(1+A_DC・β)、G=A_DCで、グラフのy軸はAとなっていたがどちらが正しいですか。
ああ、グラフのy軸のA、というのは、ゲインを表すんですよ、という意味で書いたまでです。
カットオフ周波数になるまではA_DCは一定なのか。
というか、Aが、ほぼA_DCで一定となる、という意味ですね。
1次RCローパスフィルタの通過域(f<GB積は一定なのですか。
設計時に決まる(決める)、オペアンプ固有の値です。
特性が一定となる周波数帯域が広くなることの利点は何ですか。
広い周波数範囲の信号を、安定に増幅できる、ということですね。
ゲインを抑えて周波数帯域を広くすることのデメリットは何か。
↑のとおりです。
今回の考察からわかるように、ゲインと周波数帯域とはトレードオフ(どちらかを
良くすると、もう片方が悪くなる)の関係にありますので、
どちらを撮るか、という話です。
ゲインが減ると増幅素子としての性能が悪くなるように感じるが、どのようなものにフィードバック回路を使用しているのか。
↑のように、周波数帯域を優先する(なるべく広い範囲でゲインを一定にする)ために
用います。
フィードバック回路の目的は安定したGを得ることと周波数帯域を広げることのどちらなのか。
↑のように、両者ですね。
fcやA_DCの意味が分かりません。
カットオフ周波数とはなんですか?
fcはカットオフ周波数(第5回参照),
A_DCは、fが十分小さいところ(例えばf=0)での利得(ゲイン)、のことです。
どういうときにAやβで表すのか。
オペアンプを含む回路などの性質・特性、特にその周波数特性を、
理論的に考えるときに便利、かと思います。
フィードバック効果で、何故Gに(1+jf/fc)をかけたり(1+A_DC・β)で割るのか分かりません。
A=A_DC/(1+jf/fc)を求めたが、これにはどのような意味があるのか。
1+(jf/fc)をつけるのは、アンプのゲインAが現実に持つ周波数特性を表すため、です。
(1+A_DC・β)で割るのは、Gを求めたら出てくる、ということです。
(1+A_DC・β)の値はどのくらいですか。
もちろん作る回路・使うオペアンプ次第、ですね。
A_DCは、前前回にみていた電圧利得、のことです。
「(1+A_DC・β)fc⇔fc」とありましたが、どのように計算したのですか。
分母にある(1 + jf/○)の、○の部分が、分母の実部と虚部のどちらを無視できるか、
という境目、ということになりますが、それはカットオフ周波数の定義、だからです。
A≒∞のときにG≒1/β=1+Rf/R1となるのが分かりません。
代入してみてくれ・・・
「またG→1/βで普通はβは抵抗などで作られ精度がよい」とは、どういうことですか。
βを、設計通りにねらった値のものを作りやすい、という意味です。
自分で回路をつくってみないと、なかなか実感がわかないかもしれません。
βは、抵抗の他には何を使って作るのか。また、精度の悪いものを利用することはあるのか。
例えば能動フィルタではCやLを使いますね。
他にもダイオードを入れたりすることもあります。
また、意図的に精度が悪いものを使うことは、
実用上はあまりないのではないでしょうか。
オペアンプを複数用いることで、ノイズの選択性が向上することはあるのですか。
ノイズの選択性、というのは、ノイズを除去しやすくなる、という意味でしょうか。
そうであれば、オペアンプを複数使う、というより、フィルタなどをうまく配置して、
回路全体の周波数特性を、対象の信号だけに対して、所望のゲインとなるように
するのが現実的かとは思います。
むやみにオペアンプを増やすのは、オペアンプ自身が発するノイズもありますので、
得策ではないように思います。
なぜAのばらつきが大きいのか。
不思議に思うのはごもっともだと思うのですが、
再三講義中にもお話ししているように、この講義の最後の方で、
オペアンプの中身のことを見ていくと、わかってくるかと思います。
興味のある人は、教科書の先の方を読んでみてください。
GはAが大きければ値に関係ないとありましたが、どのくらい大きければよいのか。
例えば例題2.1で見たとおりで、実用上は、どの程度正確なGが必要か、
によることになります。
フィードバック回路とクローズドループゲインの関係がよく分かりません。
Verr=Vi-βVoとなる理由が分かりません。
次回もよく使うので、しっかり復習をしておいてください。
クローズドループゲインは0以下になりますか。
なりませんね。
それとも0dB以下、という意味でしょうか。
そうであれば、それはアンプではないので、Aを使う必要がなく、そのために
フィードバック回路を使う必要もありませんね。
Verrは何故エラーなのですか。
ああ失礼、あとでお話しをします、といって、飛ばしてしまいました。
A→∞であれば、Verr=0となるように出力Voが決まります。
つまりVerrは、目標のVoから、どれぐらいズレがあるか、に対応する
(最終的には0となるべき)値、と考えられます。
回路における虚部は何を表していますか。
位相のズレ、ですね。第1回参照。
回路の計算の効率の良い方法はありますか。
急がば回れ、でしょうか。
dB計算は電卓を使わないとできませんか。その場合、テストのときはどうすればよいですか。
10n倍は、電卓不要ですね。
それ以外の、例えば2倍=6dBなどは、テストの時は問題中に指定しますのでご安心を。
右後ろのポケットには何が入っているのですか
サイフですね。
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