(「VLSI工学-基礎・設計編-」(岩田、コロナ社)p.99より) 
単位容量C0に対して、上図のように
iビットめのところに2i-1C0のキャパシタCiを置きます。
まず最初にすべてのキャパシタをGNDに接続して放電します。
その後、値biが1のビットに対応するキャパシタCiのみを
Vrefに接続します。
このとき、電荷の保存則から、次の関係が成り立ちます。
Vo(C0 + Σfor bi=0Ci) - (Vref - Vo)Σfor bi=1Ci = 0
これを変形すると、Voは次のようになります。
Vo = (Σfor bi=1Ci)・Vref / (C0 + ΣCi)
= Vref / 2n・Σ(bi・2i-1)
すなわち、nビットの2進数{bi}に応じたVoが得られることになります。
精度は、容量の比精度によって決まります。
(「VLSI工学-基礎・設計編-」(岩田、コロナ社)p.100より) 
(「VLSI工学-基礎・設計編-」(岩田、コロナ社)p.101より) 
(「VLSI工学-基礎・設計編-」(岩田、コロナ社)p.102より) 
まず最初にD/A変換器から、最大電圧(フルスケール; FS)の1/2の 電圧を出力し、これと入力電圧をコンパレータによって比較します。 これは、要はディジタル値の最上位にビットに対応するわけですので、 このコンパレータの出力を、出力レジスタの最上位ビット(MSB)に 格納します。
続いて、先ほどのMSBの値に応じて、 さらに半分の1/4 FSだけ高い/低い、FS/4、または3FS/4を D/A変換器から出力し、再び入力電圧と比較します。 これがその次のビットの値になりますので、これを 出力レジスタの上から2ビット目に格納します。 以後、同様の手順をくりえすことで、 n回のステップでA/D変換が終了することになります。
分解能と精度は、主にD/A変換器の精度とS/H回路の精度に依存します。
(「VLSI工学-基礎・設計編-」(岩田、コロナ社)p.103より) 
この構成は、比較を一斉に行うため、非常に高速で、 またS/H回路が不要である、という利点があります。 しかしこの構成は、2n個のコンパレータが必要となるために 多ビット化が困難で、一般には8ビット以下が現実的です。
(「VLSI工学-基礎・設計編-」(岩田、コロナ社)p.104より) 
上図のように、まず上位mビットを、mビットの並列比較A/D変換器で A/D変換します(粗変換)。
続いて、その粗変換の結果をD/A変換してアナログ電圧に戻し、 入力電圧との差分をとります。
この差分の電圧は、最大で粗変換の最下位1ビット分に対応する 電圧になりますが、これを適当に増幅したものを、 2つ目の(n-m)ビットの並列比較A/D変換器でA/D変換します(密変換)。
この2段構成により、多ビット化と高速化をある程度両立することが できます。