library ieee;
use ieee.std_logic_1164.all;
entity dec is
port (
a: in std_logic_vector(2 downto 0);
x: out std_logic_vector(7 downto 0)
);
end dec;
architecture arch of dec is
begin
process (a) begin
case a is
when "000" => x <= "00000001";
when "001" => x <= "00000010";
when "010" => x <= "00000100";
when "011" => x <= "00001000";
when "100" => x <= "00010000";
when "101" => x <= "00100000";
when "110" => x <= "01000000";
when "111" => x <= "10000000";
when others => x <= "XXXXXXXX";
end case;
end process;
end arch;
この中では、architecture記述の中で、プロセス文(process)[p.36]というものを
使っています。
このプロセス文は、非常によく使うものですので、ぜひ覚えておきましょう。
プロセス文は、カッコ内に書いた変数(センシティビティ・リスト、と呼ぶ)の
値が変化したときに、その中が実行されます。
このデコーダの場合は、出力xが変化するのは、変数aが変化したとき、ですから、
aをセンシティビティ・リストに入れてあります。
この場合に実行される内容は、aの値に応じて出力xの値を変える、 ということですので、それをcase文[p.43]を用いて記述しています。 VHDLのcase文はC言語などのcase文と似ていて、aの値がwhenで指定した値に 応じて、「=>」の右側の処理(値の代入)が行われます。 例えばa="001"の場合は、x(1)のみが1の、x="00000010"としています。 ちなみに、入力が"000"〜"111"の場合以外は、不定値である"X"を 代入しています。
このようにして入力が3ビットのデコーダは記述できるわけですが、 この調子でいけば、何ビットのデコーダでも、同じように記述できそうです。 これが、HDLを用いた論理回路設計の特徴といえます。 従来の論理回路の設計手法では、入力が3ビットのデコーダの論理回路図[p.63]を 設計したとしても、入力が4ビットのデコーダが必要になったら、 またゼロから作り直しになってしまいます。
library ieee;
use ieee.std_logic_1164.all;
entity enc is
port (
a: in std_logic_vector(7 downto 0);
x: out std_logic_vector(3 downto 0)
);
end enc;
architecture arch of enc is
begin
process (a) begin
if (a(0) = '1') then x <= "1000";
elsif (a(1) = '1') then x <= "1001";
elsif (a(2) = '1') then x <= "1010";
elsif (a(3) = '1') then x <= "1011";
elsif (a(4) = '1') then x <= "1100";
elsif (a(5) = '1') then x <= "1101";
elsif (a(6) = '1') then x <= "1110";
elsif (a(7) = '1') then x <= "1111";
else x <= "0000";
end if;
end process;
end arch;
この例では、プロセス文の中で、if文[p.42]を使って、出力の値を
決定しています。
具体的には、a(0)から順番に1があるかを探していき、
あったところでxを決定しています。
このエンコーダの論理回路図は[p.65]の図のようになりますが、 ビット数を変える場合でも、VHDL記述であれば楽チンですね。
library ieee;
use ieee.std_logic_1164.all;
entity sel is
port (
a, b, c, d: in std_logic;
s: in std_logic_vector(1 downto 0);
x: out std_logic
);
end sel;
architecture arch of sel is
begin
process (a, b, c, d, s) begin
case s is
when "00" => x <= a;
when "01" => x <= b;
when "10" => x <= c;
when "11" => x <= d;
when others => x <= 'X';
end case;
end process;
end arch;
case文が使われていますね。
ここでプロセス文のセンシティビティ・リストに、a, b, c, dに加えて
sも入っていることに注意しておきましょう。
(その理由を考えておきましょう)
library ieee;
use ieee.std_logic_1164.all;
entity cmp is
port (
a, b: in std_logic_vector(7 downto 0);
gt, lt, eq: out std_logic;
);
end cmp;
architecture arch of cmp is
begin
process (a, b) begin
gt <= '0';
lt <= '0';
eq <= '0';
if (a > b) then
gt <= '1';
elsif (a < b) then
lt <= '1';
else
eq <= '1';
end if
end proess;
end arch;
この例では、まずgt, lt, eqを最初に0にしておき、
その後、該当するもののみを1にする、という処理を書いてあります。
この場合、プログラミング言語の場合は、gtなどの変数がまず0になり、
その後1になるわけですが、VHDLで記述しているのは回路ですので、
実際に、まずgtが0になったあとで1になる、ということは起こらず、
結果として(この場合はプロセス文が終わった時点で)gtの値が
どうなっているか、だけが意味を持つことに注意しておきましょう。
library ieee;
use ieee.std_logic_1164.all;
use ieee.std_logic_arith.all;
use ieee.std_logic_unsigned.all;
entity add is
port (
a, b: in std_logic_vector(7 downto 0);
ci: in std_logic;
co: out std_logic;
x: out std_logic_vector(7 downto 0)
);
end add;
architecture arch of add is
begin
process (a, b, ci)
variable tmp: std_logic_vector(8 downto 0);
begin
tmp := ("0" & a) + ("0" & b) + ("00000000" & ci);
co <= tmp(8);
x <= tmp(7 downto 0);
end process;
end arch;
第2回の最後のほうで、4ビット加算器の
動作記述の例をみていましたが、それとほぼ同様です。
(ちなみにこの例では、記述の仕方は「加算を行う」ということを
書いている動作記述なのに、architecture名がarchになっています。
実はarchitecture名は、必ずしも記述内容と一致する必要はなく、
自分でわかる名前(文字列)でかまいません。
ただ、この例では、「加算器の動作記述」ですので、
本当は"architecture behv of add is..."と書いておいたほうが、
あとあと混乱しにくいとは思います。)
この調子でいけば、何ビットの加算器でもかけそうですね。 ちなみに、加算結果を途中で入れている変数tmpは、vector形式で 8 downto 0、つまり9ビットになっています。 この理由を考えてみましょう。
※教科書のVHDL記述には書いてありませんが、 演習で使っているXilinx ISEでは、 最初の方のおまじないのところに、 use ieee.std_logic_unsigned.all; が必要なようです。
library ieee;
use ieee.std_logic_1164.all;
use ieee.std_logic_arith.all;
entity shift is
port (
a: in std_logic_vector(7 downto 0);
d: in std_logic;
n: in_std_logic_vector(2 downto 0);
x: out std_logic_vector(7 downto 0);
);
end shift;
architecture arch of shift is
begin
process (a, d, n) begin
if (d = '1') then x <= sh_left(a, to_integer(n));
else x <= sh_right(a, to_integer(n));
end if;
end process;
end arch;
この例では、sh_left, sh_rightというものが使われていますが、
これは使っているライブラリであるieee.std_logic_arithで
定義されているもので、それぞれ指定したビット数だけ
左、右へシフトする、というものです。
こういうのが最初からあると便利ですね。
シフトするビット数は、整数型で指定する必要があるので、
これもライブラリの中で定義されているto_integerを使っています。
ちなみにシフトするビット数nが3ビットである理由を考えてみましょう。
※このsh_left, sh_rightは、演習で用いているXilinx ISEでは 使用できないようです。 いまのところ、Xilinx ISEでは、指定したビット数だけシフトする関数は ないようです・・・(そんなはずはないような気がするのですが・・・) このシフタは、VHDL記述の例としてだけ見ておいてください。
library ieee;
use ieee.std_logic_1164.all;
use ieee.std_logic_arith.all;
entity mult is
port (
a, b: in std_logic_vector(7 downto 0);
x: out std_logic_vector(15 downto 0);
);
end mult;
architecture arch of mult is
begin
process (a, b) begin
x <= a * b;
end process;
end arch;
ここから、複雑な乗算器の実際の論理回路は、
論理合成ツールが自動的に作ってくれるわけです。
library ieee;
use ieee.std_logic_1164.all;
entity parity is
port (
a: in std_logic_vector(7 downto 0);
x: out std_logic;
);
end parity;
architecture arch of parity is
-- bit reduction xor
function br_xor(a: std_logic_vector) return std_logic is
variable tmp:std_logic := '0';
begin
for i in a'range loop
tmp := tmp xor a(i);
end loop
return(tmp);
end br_xor;
begin
process (a) begin
x <= br_xor(a);
end_process;
end arch;
ちょっとこれは複雑な記述です。
まず、VHDLでは、任意のビット数のXOR(排他的論理和)を求める
演算子がないので、関数br_xorを作っています。
XORを求める数値のビット数が決まっているのであれば、
x <= a(0) xor a(1) xor ...のように羅列をしてもいいのですが、せっかくですので、 何ビットの数値でもXORを求められる関数br_xorをfunction以下で定義しています。 (ちなみに「--」以下はコメント) ここでは、配列aの全ビットの添え字(a'range)に対して、 それまでのXOR結果が入っているtmpと、当該ビットa(i)とのXORを 順番に求め、最後にtmpを返す、としています。
そして回路parityの実体のところでは、この関数br_xor()を呼んでいるだけ、 です。 このようにVHDLでは、「関数」としてfor文を書いても、 実際には1ビットずつXORを順番に求めていくのではなく、 あくまでも作られる論理回路としては、[p.78]の図のように XORゲートが並んでいて、一気に結果が求められる回路、となることに 注意しましょう。 (つまりクロックごとに1ビットずつXORを求める、という回路には 通常はなりません) つまり、あくまでもVHDLで記述しているのは、「回路の機能」であり、 「回路の実際の動作」ではない、ということに注意しておきましょう。