#pcomment ※ここにおいてあるファイルは、GitHubにもおいてあります→https://github.com/akita11/mklsi/tree/master/FlipFlop * Dフリップフロップ(D-FF)の設計 [#gb81cd5a] 論理回路の醍醐味は順序回路、で、そのためにはフリップフロップ!というわけで、D-FFをつくってみたいとおもいます。 D-FFの中身もいろいろありますが、ここは「準スタティック型」と呼ばれるやつを使ってみます。 #ref(./DFFsch.png) 詳しい方なら、「お?マスタースレーブ式か?」と思われるかもしれませんが、基本的にはそうです。↓のクロックト・インバータというやつを使っています。 #ref(./cinv_sch.png) これは、CK=0/CKb=1のときはふつうのインバータと同じですが、CK=1/CKb=0のときは出力がHigh-Zとなる、というやつです。 これをレイアウトするとこんな感じになります。 インバータを1個つくって、そいつをいじってクロックト・インバータをつくって、それを横に並べながらつないでいくと、案外簡単につくれます。 なおCKbはCKの反転なので、インバータでCKからつくっています。 ちなみに電源(VDD/GND)や端子が同じところのMOSトランジスタはコンタクトを共有する、というテクニックを何か所かでつかっています。(たとえば図中の赤丸のところは、左右のトランジスタでVDDやN1を共有しています) #ref(./DFF.png,20%) #ref(DFF.gex) 続いて、シミュレーションしてみましょう。回路抽出して*.spファイルをつくって、電源や入力波形を与える電圧源を追加してみます。 #ref(testDFF.sp) #ref(./DFFsim.png,20%) で、シミュレーション。 緑がクロックCK、青がD、赤が出力Qです。 CKの立ち上がりで、Dの値がQに反映さえる、というD-FFの動作をしていますね! * Tフリップフロップ(T-FF)の設計 [#ga868a31] Lチカのためには、リングオシレータだけだと周波数が高すぎるので分周しなきゃ、そのためにはT-FF!というわけで、T-FFもつくってみましょう。 といっても、もうD-FFはできているので、簡単です。 D-FFのQBをDにつなげば、T-FFになります。 というわけで、さきほどのD-FFのQBとDをML2でつないでみます。 #ref(./TFF.png,20%) #ref(TFF.gex) で、シミュレーション。入力はクロックCKだけです。ここでは20ns周期(50MHzですね)の方形波にしています。 #ref(testTFF.sp) #ref(./TFFsim.png,20%) たしかにCK(緑)の立ち上がりごとに、出力Q(青)が反転していて、T-FFの動作、つまりCKの半分の周波数の信号が得られています。 これを何段もつなげれば、どんどん周波数を落として、Lチカにできそうですね!