IEEM2025に参加して  メルボルンでの学会

D2の高須です。オーストラリア・メルボルンで行われた学会で発表してきました。

IEEM2025とは

2025年12月7日から10日まで、オーストラリア・メルボルンのMelbourne Convention and Exhibition Centre (MCEC) で開催された学会、IEEE International Conference on Industrial Engineering and Engineering Management (IEEM 2025)に参加してきました。名前の通り、産業工学とエンジニアリングマネジメントの分野で世界をリードする国際会議で、主催者発表では約500名の参加者(50カ国以上から)とのこと。

主催はIEEEで、アジアの主要大学がこれまでホストしてきた伝統的なイベントで、今回が始めての「アジア外」での開催とのこと。来年はまたシンガポールに戻るようですが。

自分が見る限り中国/台湾/韓国(この3つは名札見ないと見分けがつかない)で半分以上、インドネシアが2割、インド系とヨーロッパ(北欧が多かった)と地元オーストラリア/メルボルンで2割、最後の1割の中に日本や他の国、という感じでした。インタラクションやSIGGRAPHなどのHCIの学会だと日本勢がもっと目立つので新鮮。

オーストラリア、実は今年の自分の出張ではトップクラスに遠い場所で、アメリカやヨーロッパと変わらなかったのは意外。地球は南北にも大きい。

オーストラリア、内陸部は岩山と砂漠がひたすら続く こういう地形もあまり見ないので新鮮

滞在の様子はここにまとめてあります。

posfie.com/@tks/p/MuSKD1H

面白かった発表

学会としては生産技術やエンジニアのマネジメントで、発表の多くは「これをAIでやったら効果があった」というものなのですが、その中で自分は、そもそも取りづらいデータを頑張って取ったものに興味を惹かれました。

たとえばこの北京航空宇宙大の研究は、デジタルツインで故障解析をするというテーマは今風なのですが、そのためにシミュレーションのもとになるデータを実機で頑張って取っています。

故障データなので相当長い時間(壊れるまで)に渡って機械を回し続ける必要があるし、協力企業もデータを出すことを同意するまでは交渉を重ねる必要があったと思いますが、お見事。

僕も個人的に最近ロボットづいていて、シミュレーションデータがどの程度役に立つか、実際にやった人とそうでない間で差が出ることを感じたことで、より興味が湧きました。 他に面白かった研究はこのあたり。


特に最後に引用した香港空港の出発ロビー駐車のLEDレーンは、自分にとって馴染みのある場所で、かつメンテナンス含めたパーマネントな設備なのでテンションが上りました。(ベストペーパーを取らなかったのは、研究としては何が狙いかわかりづらかったからなな?)

自分の発表

ゼミでも何度かシェアしている「Quantitative Evaluation of the Developer-centric Approach in the Microcontroller Board Market」を発表し、M5StackとArduino の日本市場での販売データをもとに、M5Stackの多品種戦略が効果を出してることをもとにプレゼンを行いました。

悪くなかったと思うのですが、聴衆のほとんどがM5StackとArduino両方を知らなくて、そもそもプロトタイプ製品とはなにか、というところの質問が多かったのが意外。他の発表を事前に見ておけば予測できた部分もあり、もっと「そもそも論」からわかりやすく説明するスライドを1枚足しておくほうがよかったな、と学びや反省の多い発表になりました。

Technical tourなど

学会の最終日、希望者のみでスワンベイン大学(Swinburne University of Technology)のDigital Manufacturing Centreを訪問。 3Dプリンタや工作機械がおいてある、金沢工大の夢工場に似たスペースですが、「工場の設計を考える」が主体のため、生産ラインを模した設備があるなど、特徴を感じる場所でした。

今後に向けて

実際の発表は人間がやるので、チェアが誰か、他の発表がどうかというのを見るのは有効では。

まったく畑違いの人に話した、というのは経験になったが、逆に畑の近い人に話す機会もほしくはある(メイカーフェアなどで発表するのはアリかも)

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