こんにちは!B4の満木です。
3/2-4にかけて、東京一橋記念講堂で行われたインタラクション2025を聴講してきました。私は、学会という場に足を踏み入れること自体初めてで、貴重な体験ができた3日間になりました。
個人的に興味深かった研究はたくさんありましたが、その中でも特に印象深かった2つの研究について紹介します。
まず1つ目は。東京都立大学の吉田さんらの「STEAM教育導入のための柔らかいぬいぐるみ型電子工作玩具の提案」です。
STEAM教育の普及が求められている現代社会において、どうしたらメカニカルなものに興味を持ってもらえるか、STEAM学習が楽しいと思ってもらえるかということは、小学校の教育現場だけではなく、幼稚園から大学生、社会人に及ぶまで、とても大きな課題だと思います。私自身、メカニカルなものは苦手だなぁという潜在意識のようなものは(研究室に入ってからはだいぶ薄くなりましたが…)なかなかすぐになくなるものではないことを実体験として知っています。この研究では、実際に児童がぬいぐるみの動きを考えてプログラムし、デコレーションする。外観を自身でデザインすることで愛着を持てる設計にすることで、実験に参加した児童が楽しく遊ぶ様子がまとめられていました。実際のデモ機も置いてあったのですが、外観全体にもこもこの素材が使用されており、とっても手触りの良く、ずっと触っていたいと思えるものでした。私自身が、一年を通して、「ぬいぐるみにインタラクティブ性を付加するデバイスとその心理的効果」というテーマで、すでに愛着を持っているぬいぐるみにケアロボットの機能を追加することの心理的効果を研究していたのもあり、より強く興味を惹かれました。もこもこの素材は無機質な電子部品のメカニカル要素を軽減するのに役立っているようです。それだけではなく、もこもこは何か魅力を倍増する力を持っていると以前から感じていたものが確信に変わりました…(笑)STEAM教育をこれからますます浸透させていくために、革新的なだけではなくユーモアのある有効的な手段だと私は感じました。
2つ目は、立命館大学の中濱さんらの「障害の有無を超えた共生体験を促す複数のインターフェースを持つ体験型インスタレーションの制作」です。

多様な人が楽しみながら対話や共感を生み出す体験の場を創出することを目的に作られており、振動を感知するセンサーがついている太鼓をたたく、もしくはカメラの前で瞬きをすると太鼓の音が鳴り、花火が打ち上げられる仕様になっていました。「太鼓をたたく」と「瞬きする」の2つの入力情報が作用しあい、タイミングに応じて、様々なデザインの花火が打ちあがるようになっており、飽きずに楽しめることができます。手が思い通りに動かせない人も使えるだけでなく、花火の音は聴覚過敏の人たちにとって負担になる場合もあるのですが、音が本当に程よく優しい音で、細かいところまで思いやりがあふれているこの作品に感動しました。同じく金沢大学B4の金田さんの研究の中でも子供の頃に音楽を誰かと一緒に楽しむ合奏の重要性が述べられていましたが、少しでも多くの子供が誰かと音楽を一緒に楽しむ体験がより手軽にできるようになればいいなと改めて感じました。
インタラクション学会は、多様な人が、自分の好きな事を追い求め、楽しそうに互いの研究について語り合う素敵な場所でした。4月から私は会社に入り社会人という新たな環境になりますが、これからも日々積極的に新たな場所に訪れ、色々な背景を持つ人たちと会話をしながら、ときめきを忘れず、どんな形であれ、わくわくするようなモノづくりにこれからも関わっていきたいなと改めて思うことができました。