Maker Faire ShenZhen & SZ HighTour @深セン

B4の小瀬です。 

11/8~11/17に行ってきたMaker Faire ShenZhenとSZ HighTourについて書きたいと思います。

深センは中国の南部に位置する港に面した街で、気候は亜熱帯に属します。日本の沖縄と同様、冬でも20℃を上回るため今回はほとんど半袖1枚での行動となりました。

今回は行き帰りともに香港経由だったので、行きは香港空港から船で深センに入り、帰りは地下鉄を乗り継いで陸路で深センを後にしました。

人口は1450万人ほどで(これは中国国内で上海北京広州に次ぐ4番目)、東京23区の1.5倍ほどです。あと、とにかく若い人が多いです。また、住宅は一軒家がなくほとんどが集合住宅なので、街がコンパクトに仕上がっている上に、まだまだ土地が余っているため、いたるところで開発が行われていました。

深センの地下鉄は11本あります。(ちなみに東京はメトロ9本都営4本・大阪は市営交通8本)まだまだ計画されている路線はあるようですべて完成すると16本ぐらいになるそうです。また乗車時に保安検査(X線によるチェック)があり、全駅で行われています。

深センを走る地下鉄の車内の様子。折りたたみ式自転車を持ち込む乗客も。

 地下鉄の駅を降りて地上に上がるといたるところにたくさんの自転車が見受けられます。自転車にはバーコードが貼ってあり、スマホをかざすことで料金を支払って自転車にのることができます。

地下鉄を降りると無数の自転車が。

 深センは財布の要らない都市と言われています。財布に変わって重要になるのがスマホです。スマホによる支払いは何通りかあるようですが、代表的なのは微信支付(WeChatPay)と支付宝(ALIPAY)です。銀行の口座からチャージできる他、他人からの送金によってチャージすることができます。(今回僕は銀行口座を持っていなかったので、宿泊ホテルのフロントで現金を渡してチャージしてもらいました。)このようにして公共料金から食事、地下鉄の運賃など多岐にわたってスマホでの支払いが可能であることから、深センは財布の要らない街と言われているわけです。またこれらの支払いはスマホがQRコードを読み取ることによって可能にしているため、あまりお金をかけず普及でき、画期的と言えるでしょう。

ホテルのフロントで貸出している傘もWeChatPayで支払いが可能。

 食事は安く食べれるお店が多いです。(もちろん中には高級店もあります。)今回の旅では炒飯・米粉・小籠包・雲呑スープがブームで大半がそれらで占められていました。どれもお手軽な値段で食べることができ、だいたい8~15元ぐらい(日本円で120~220円ぐらい)が相場だったように思えます。

ホテルの近くの食堂街

結局この旅で計3回ぐらい行った雲呑スープの店のメニュー

炒飯

 Maker Faire ShenZhen(以下MFSZ)についてですが、会場は深圳職業技術学院という学校が会場でした。大まかには企業ブースとメイカーブースの2つに分かれており、企業ブースは各企業が出展しているもので、3Dプリンタ・レーザーカッター・ドローンなどが大半を占めていました。(中にはラズベリーパイを使ってスーパーファミコンっぽいものを作っている企業とかもあった)一方でメイカーブースは、中国国内だけでなくいろいろな国々のメイカーが工夫をこらしたものを出展していました。

 

今回のMFSZの会場となった、深圳職業技術学院。

企業ブース

スマホを使ってシューティングしたり

ラズパイを使ったスーパーファミコンっぽいのがあったり

福井から来た方はGoogleGlassっぽい”画面が映る眼鏡”を出展されていました。

 MFSZのメイカーブースですが、中国国内の人が出展しているブースは子供向けが多かったように思えます。また、日本から出展してる方が結構多く、色々なお話をさせていただいていい経験になったように思えます。研究室でMake LSIを出展しましたが、自分の英語の拙さもあって、お客さんに対して説明することへの難しさを感じる一面もありました。

SZ High Tourについてですが、1日目は工場巡り2日目はオフィス、3日目はメイカーの現場といった感じでしょうか。特にプリント基板を作る工程はあまりこれまで見たことがなかったということもあり新鮮でした。

最初に訪れたSeeed社

基板がずらり

昼食を挟んで訪れたPCB Factoryでは、基板の洗浄の現場が見ることができました。

建物自体は古いですが、基板製造の稼働を始めたのは今年4月だそうです。

現場にはこういうものも

 2日目に訪れたテンセント社。WeChatの開発のほかテンセントQQ(インスタントメッセンジャー)を始めとした様々なサービスを展開しています。また、先日中国企業としては初めて時価総額5000億ドルを突破したそうです。

テンセント社のマスコットらしいが、どっかで見たことあるなぁ…

XIVO Design社がデザインした多機能ラジオ。Bluetoothにつなげたり、タイマーになったり・・・

ラジオを分解するとこんな感じ


3日目に訪れたのは、HAX社。世界最速のスタートアップ育成所と言われています。育成プログラムを組むことで様々な知識やノウハウを伝授し、企業のスタートアップを支援しているようです。そうして育った企業から利益を還元することによって成り立っています。

このHAX社がオフィスがあるのが中国最大の電子街である華強北です。秋葉原の30倍(実際はそれ以上だと言われている)だそうで、ビルの1フロアに数百もの業者(問屋)があり、それがビルの下から上まで、またそうしたビルが林立しています。電子部品からスマホのコード、ハンドスピナーまでなんでも手に入ります。また工場から来た製品を全世界にばらまく中継地点となるいわゆる問屋がほとんどなので、製品を安く手に入れることが可能です。

あと、日本であまり見ないものとして、スマホの修理屋さんがありました。中国は店にもっていくと目の前で修理をしてくれます。驚きです。

この他にも、スマホ部品だけをひたすら売るビルがあったり、噂ではスマホの解体新書が売ってたり、携帯機能の付いたハンドスピナーがあったりと奥の深い華強北でした。

最後に、個人的には今回が初めての海外でしたが、深センでよかったです。パスポートを取るところからスタートし、出国審査入国審査をクリアし、初めて大陸の地に足をつけたとき少し感動を覚えました。実際に現地に行ってみたとき、自分がこれまでに想像していたのと全く違う光景が広がっていました。もはや、”中国は世界の工場”という考え方は過去のもので、深センには日本の一歩も二歩も先を行くような場面が多々見られたのが印象的でした。これからは日本が遅れていかないかが心配になるほどです。またMFSZを見た上で、基板の製造現場を見学し、メイカー育成の現場を見れたのは貴重かつ良い経験になりました。華強北はまだまだ奥が深そうなので、今度はプライベートで行きたいと強く感じました。

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