深セン訪問

先日香港に行ってきたついでに、香港の対岸の中国の街、深セン(セン=土へんに川)に行ってきました。深センは、近年経済発達とそれに伴う都市化が急速に進んでいて、特に製造業の世界的な拠点となりつつあります。電子工作界でもホットな企業が多く、例えばSeeedStudioも、ここ深センにあります。

事前に、秋田のマイコン仲間で、世界中のパーツ屋(電子部品屋)めぐりをしていて、香港深センは当然、最近はワルシャワまで行っているいしかわさんに、事前に深センについて聞いたところ、

「駅を出ると、通りに並んでいる大きなビルのすべてが、上から下まで、地平線までパーツ屋が並んでいる」

とのことでした。

いやいや、いくらなんでもそれは大げさだろう、と。そう思っていました。ええ。

香港から深センへは、地下鉄で対岸の駅まで行き(40分くらい)、出入国審査を通ると、そこは香港とは別の国の中国の深センです。

そこから地下鉄で20分ほどで華強北駅に着き、そこを出ると電気街、と聞いていました。

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通りを出るとこんな感じでビルが並んでいます。とりあえず最寄りのビルに入ってみると、フツーのパソコン屋でした。なんだ?と思って店内地図を見ると、反対側のほうに「電子部品・IC」という一角があります。そこへ行ってみると、

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こんな感じ。小さくて見にくいかもしれませんが、2m×2mくらいのブースみたいなお店がびっしりならんでいて、それらがすべて電子部品屋。

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まさに地平線までパーツ屋。
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隣のビルに入っても、こんな感じ。上のフロアに行ってもこんな感じ。「無限に店がある」というのは本当でした。
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お店によって売っているものはさまざまで、こちらはIC屋さん。でも結構古いのも混じっていて、表示も型番だけ。値札もなし。まだ10時ごろで早かったのか誰もいない店も多く、その代り納品業者さんがあわただしく出入りしていました。本格的な開店は午後なのかもしれません。

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こちらはかなり古いIC。
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いろんなコネクタ(主に表面実装)。型番も値段も書いてなくて、ただのイメージ図、という感じですね。

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リールのまま並べられているお店もたくさんありました。おそらく製造業者さんが型番指定でリールごと買いに来るんでしょうね。

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これはなんだっけ、忘れちゃった。

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今回はお店の数に圧倒されていて、実際に買い物をしたのはこのお店だけ。表面実装ICの変換ソケット屋さん。もちろん値札なし。

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今回の戦利品。PSoC用にTSOP28p(0.65mm)変換ソケット。1個120元なのでだいたい2000円弱。それほど安いというわけでもないですね。

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こちらは電解コンデンサ屋。もはや店頭に見に来た人に売る気は感じられません。

いしかわさんに聞いていた「通りのすべてのビルが、地平線までパーツ屋」というのは、ほんとうでした。いやはや。

写真を撮るのを忘れていましたが、NXPのマイコン専門店もあり、かなり新しいマイコンも売っていましたし、PCのマザーボードに載っていそうなチップセットICを売っている店もありました(もちろんリールで)。

これらを見る限り、私のような個人の電子工作マニア相手というよりも、量産業者向けの卸、がメインといった感じです。量産製造業者がリールのまま仕入れて、大量の電子機器が製造されていくのでしょう。そのエネルギーともいえる電子部品が世界中から集まってくる拠点。「均質な部品から多種多様な製品を量産する製造業」というドラッカーの言葉をまさに具現化する、そんな深センでした。しかし単なる部品の供給拠点だけでなく、SeeedStudioのようなMAKER企業やそれをとりまくコミュニティが生まれているのも事実です。このあたりの過程は、とても参考になりますし、今後の発展を注目してきたいところです。

今回は飛行機の時間の関係で1時間ほどしか滞在できませんでしたが、次回は、札束をにぎりしめて1週間くらい来たいです。

(秋田)

 

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