LSIとシステムのワークショップ2015@北九州

こんにちは M1の山村です.

5/11〜5/13に北九州で「LSIとシステムのワークショップ2015」を聴講してきました.

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この学会は,様々な大学や企業の先生方が,LSIに関する最新の技術やトレンドについて公演したり,ディスカッションをするというものです.

今回のテーマは「先端医療を切り開くLSIとシステム」で,主に医療や健康といったテーマを中心に公演がありました.

最新のLSI技術によるセンサ技術の発展は,医療という分野にも応用され始めています.脳波を計測し,脳の活動を分析したり,脳に直接電気信号を与えることでてんかん等の病気の治療をしたりといったBMI (Brain Machine Interface) と呼ばれるものや,イオンの持つ電荷をアレイ状のイメージセンサで撮影する技術,人工内耳や人口網膜など様々な方面への応用が研究されているようです.

センサ技術の他にも近年の計算機性能の向上によって,細胞のイオンチャネルレベルから,心筋細胞の伸縮,心臓全体の動きや血流までをマルチスケーリングにシミュレーションすることも可能になっており,重大な心臓の病気を持った患者の手術をする際に,事前に最適な手術方法をシミュレーションすることが可能になってきているようです.

また,こちらも最近のトレンドである「IoT (Internet of Things) 」と,ヘルスケアとの融合も研究されているようです.血圧や脈拍,血流量,血糖値などの比較的古くから測定されてきたものでも,ウェアラブルやIoTといったキーワードと組み合わせることで,新たな可能性を見出す研究もされています.

一方,LSI設計技術そのものを他の分野の問題解決に利用しようというアプローチもあります.成約生成や配線の最適化,素子配置の最適化,専有面積の最適化といったアルゴリズムを,様々な社会現象のモデル解析や,製造工程の最適化などに応用しようという,多分野融合も進んできています.

今回の学会を聴講して,LSIの技術の他分野応用はまだまだ可能性があると感じました.しかし,パネルディスカッションでも話題になりましたが,「出来そう」や「良さそう」で終わってはいけません.

実際に出来るのか,どんな利益があるのか,持続可能なのかなどを,とにかく実際に作って社会に普及させることが,企業や技術者の役割なのだという話には非常に共感しましたし,自分もこの考え方を普段からする必要があると感じました.

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