ICD研究会@函館ほか

今回秋田は、電子情報通信学会の集積回路研究会(ICD)/映像情報メディア学会 情報センシング研究会(IST)連催の研究会で、招待講演を依頼されて、お話させていただいてきました。

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会場のサンリフレ函館。ちょっと交通が不便ですが、会場の部屋からは海が見えるところです。

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この研究会の前日に、はこだて未来大でもお話させていただく機会をいただきましたので、元未来大教員としての自己紹介を兼ねて、「デバイスとマテリアルとマイコン」 というお話をさせていただいてきました。自分の学生時代の恩師の何気ない言葉の「デバイスとマテリアルの違いは何か?」というのがずっと心にひっかかっていて、それを最近のMakersと、それの技術的裏付けであるムーアの法則とその結果としてのマイコンの誕生・進化を関連付けて、マイコンシステムがマテリアル(素材)のようにふるまうシステムはは?という、後半はちょっと概念論っぽ話をさせていただいてきました。

本題の集積回路研究会(ICD)では、初日のパネルディスカッションのテーマが「増々アナログインタフェースを充実するマイコン」ということで、翌日にお話しさせていただく前ですが、話を振られる予定でした。スマートグリッドも含めたセンサネットワークの現場では、測りたい対象は、川の水量とか害虫の発生とか、身近にいっぱいあるのにセンサがなかったりセンサはあっても作れない(発注するほどの予算はない)、ネットワークにつなげない、という声がありました。このような多種多様、かつ切実なニーズに対しては、技術者が作ってあげる、という構図では、費用的にも時間的にも規模的にも現実的ではないので、こういう場面こそ、センサシステムの実現手段であるマイコン・無線ネットワークを民主化して、欲しい人が作れるようにする、という、まさにMakers的な構図が現実できではないか、と思いました。

翌日の研究会では「「部品」としてのマイコン・半導体」というお話をさせていただきました。半導体業界の方が多い研究会なので、「日本の半導体の復活」的な試みにかかわられている方も多い中、ムーアの法則でトランジスタが潤沢・高性能になった今だからこそ、最先端微細加工にこだわるのではなく、半導体は、PSoCやFPGAのようなプログラマブル・コンフィギュアラブルな汎用部品として産業のコメとしての使命を全うするべきであり、そのためにはMakers的な世の中の動きも看過すべきではない、という感じの話でした。質疑では、半導体業界でもそのようなことは意識していて議論もしているが、なかなか動きだせ(さ)ない、という現場の声も聴かせていただき、小規模だが多様なニーズにこたえるためにも、クラウドファンディングなどを活用した若い人たちの起業(やそれに至らないMakers的活動)に期待したい、という感触は共通認識として持たれているようでした。

研究会の前後に、はこだて未来大におじゃましてきました。

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こちらは、今年度の4月に未来大にこられた、元お茶大で、”SpeechJammer”でイグノーベル賞も受賞されている塚田浩二さんの研究室。研究成果のデバイスや収取されているガジェットがディスプレイされていました。廊下から部屋が丸見えの未来大の構造・コンセプトともあいまって、いい感じですね。

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こちらは、3年生が15人程度のグループで通年のプロジェクトを行い、その過程を通してさまざまな実践的な学習をするプロジェクト学習のうち、MakerFaireTokyoなどでもお世話になっている迎山和司さんが担当しているプロジェクトで、あのヒゲキタさん監修で製作している可搬型プラネタリウム。ちょうど広報用写真を撮るということでふくらませていたので、中に入れていただいてきました。

で、函館といえば、イカール星人、じゃなくてイカなわけですが、ちょうどマイカ漁も解禁になっているので、侵略、じゃなくていただいてきました。

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水槽で泳いでいるのを、耳(ヒレ)のところにひっかけて吊り上げます。

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こんな感じになります。

今回の函館は、お話させていただく機会を2回もいただき、かつ、いずれも、これまでいろいろ考えてきて、原稿・発表資料ともに、本当に久しぶりなぐらい、全力で取り組んだものだったもので、質疑も含めた議論のきっかけにもなれたようで、とても充実していた出張でした。

(秋田)