インタラクション2025に参加してきました。(小田波)

こんにちは!先導学類の小田波優矢です。

3/2-4にかけて、東京一橋記念講堂で行われたインタラクション2025にデモ発表という形で参加してきました。今回は、自分の発表の振り返りとほかの方の発表で印象に残ったものを紹介したいと思います。

【自身の発表】

まずはわたくしの発表の振り返りと紹介をさせてください。私は秋田教授と共同で制作をした、生理痛疑似体験装置を用いて、「生理痛疑似体験装置の開発とそれを用いた生理への共通理解の促進」について発表してきました。生理痛の体験!ということで、みなさん興味をもって下さり、発表時にはたくさんの人がいらっしゃいました!そこで、いらっしゃった方との印象に残ったやりとりや感想をピックアップして紹介したいと思います。

・「いつもこんなに痛い体験をしているの…???」「まあまあ。もっと痛いときもあるし、痛みだけじゃないよ。」

男性と女性の二人組でいらっしゃった方々のやりとりです。男性の方が体験して、痛みレベル20でギブアップ…。腰を曲げてしまう、立っていられない。という感想をいただきました。その後、女性が体験。はじめは急に来る痛みからびっくりしていますが、痛み自体は我慢できている様子。このふるまいに、男性が発したのが「いつもこんなに痛い体験をしているの…???」という言葉でした。女性からすると、痛みを我慢したりすることに普段から慣れているそう。また、痛みだけでもないという会話も個人的に印象に残っています。

自分がこのやりとりが印象に残っている理由は、まさに今回自分が論文として出した、共通理解への促進ができたこと。痛みを体験して終わりなのではなく、生理に関心をもって、共通理解のために会話しようとしていることを目の当たりして、自分がやりたかったことがこの装置によってできているなとうれしく思いました。

・「先行研究との違いは何ですか?」

この装置自体は先行研究があります。本研究が、装置面と取り組み面において、どう先行研究と差別化されているのかを何度も聞かれました。その時、私は装置面の差別化を説明してしまいました。今回は装置のリアリティの追及が目的ではなく、あくまでこの装置は手段として、生理へのっ共通理解を促進できるような取り組みを同時に行っていることが先行研究とは違うところだ!というところをもう少し説明できればよかったなと反省…

もしまたこういう機会があれば、次は装置はもちろん、その後の展望まで堂々と説明できるようにしたいです。

【ほかの方の印象に残った発表】

  • ほぼ日さんのアースボール

大学のデモ発表ではないのですが、この発表はとても印象に残っています。その理由は、開発という面で素晴らしいのはもちろん、その後の展望まで見据えていたからです、発表内容は、一見ただの地球儀ですが、それをカメラをスキャンすると、様々な内容で地球や各国が紹介されるというものでした。天気や各国のデータ、恐竜がいたという情報まで!様々な情報が書かれていて、これは社会で大きな影響を与えられるのでは…?!と印象に残っています。

  • 子供に向けた平易な演奏体験を提供するインタラクティブな音・映像インスタレーションの制作

この発表が印象に残った理由は、体験の時間に対してのインパクトや愛着感が強かったことです。内容は、自分でタブレットに絵を描くと、それがモニターの画面上にキャラクターとなって登場…!!そのキャラクターをモニター越しに触れると、音が鳴る!という発表内容でした。自分で絵を描く楽しさと、自分のキャラクターにふれると音が出る!という二つのインパクトから、とても印象に残っています。また、絵を描くということも、音が出るというところもそれほど時間がかかっていないことから、気軽に愛着をもって体験できる発表でした。とても楽しかった…!!

インタラクション学会は様々な方が参加されていました。多様な方が多様な研究をどう社会につながるのかを発表していたのが、かっこいいなと印象に残っています。自分自身、学会というものが初めてだったのですが、学会というものに対してのイメージが変わりました。自分の好きなことを研究するのはもちろん、それがどう社会に影響しているというところまで追及するという姿勢は大学を卒業しても、持ち続けたいです。

改めて、このような貴重な機会をくださった、秋田教授に感謝いたします、ありがとうございます!

INTERACTION2025に行ってきました!(満木)

こんにちは!B4の満木です。

3/2-4にかけて、東京一橋記念講堂で行われたインタラクション2025を聴講してきました。私は、学会という場に足を踏み入れること自体初めてで、貴重な体験ができた3日間になりました。

個人的に興味深かった研究はたくさんありましたが、その中でも特に印象深かった2つの研究について紹介します。

まず1つ目は。東京都立大学の吉田さんらの「STEAM教育導入のための柔らかいぬいぐるみ型電子工作玩具の提案」です。

STEAM教育の普及が求められている現代社会において、どうしたらメカニカルなものに興味を持ってもらえるか、STEAM学習が楽しいと思ってもらえるかということは、小学校の教育現場だけではなく、幼稚園から大学生、社会人に及ぶまで、とても大きな課題だと思います。私自身、メカニカルなものは苦手だなぁという潜在意識のようなものは(研究室に入ってからはだいぶ薄くなりましたが…)なかなかすぐになくなるものではないことを実体験として知っています。この研究では、実際に児童がぬいぐるみの動きを考えてプログラムし、デコレーションする。外観を自身でデザインすることで愛着を持てる設計にすることで、実験に参加した児童が楽しく遊ぶ様子がまとめられていました。実際のデモ機も置いてあったのですが、外観全体にもこもこの素材が使用されており、とっても手触りの良く、ずっと触っていたいと思えるものでした。私自身が、一年を通して、「ぬいぐるみにインタラクティブ性を付加するデバイスとその心理的効果」というテーマで、すでに愛着を持っているぬいぐるみにケアロボットの機能を追加することの心理的効果を研究していたのもあり、より強く興味を惹かれました。もこもこの素材は無機質な電子部品のメカニカル要素を軽減するのに役立っているようです。それだけではなく、もこもこは何か魅力を倍増する力を持っていると以前から感じていたものが確信に変わりました…(笑)STEAM教育をこれからますます浸透させていくために、革新的なだけではなくユーモアのある有効的な手段だと私は感じました。

2つ目は、立命館大学の中濱さんらの「障害の有無を超えた共生体験を促す複数のインターフェースを持つ体験型インスタレーションの制作」です。

多様な人が楽しみながら対話や共感を生み出す体験の場を創出することを目的に作られており、振動を感知するセンサーがついている太鼓をたたく、もしくはカメラの前で瞬きをすると太鼓の音が鳴り、花火が打ち上げられる仕様になっていました。「太鼓をたたく」と「瞬きする」の2つの入力情報が作用しあい、タイミングに応じて、様々なデザインの花火が打ちあがるようになっており、飽きずに楽しめることができます。手が思い通りに動かせない人も使えるだけでなく、花火の音は聴覚過敏の人たちにとって負担になる場合もあるのですが、音が本当に程よく優しい音で、細かいところまで思いやりがあふれているこの作品に感動しました。同じく金沢大学B4の金田さんの研究の中でも子供の頃に音楽を誰かと一緒に楽しむ合奏の重要性が述べられていましたが、少しでも多くの子供が誰かと音楽を一緒に楽しむ体験がより手軽にできるようになればいいなと改めて感じました。

インタラクション学会は、多様な人が、自分の好きな事を追い求め、楽しそうに互いの研究について語り合う素敵な場所でした。4月から私は会社に入り社会人という新たな環境になりますが、これからも日々積極的に新たな場所に訪れ、色々な背景を持つ人たちと会話をしながら、ときめきを忘れず、どんな形であれ、わくわくするようなモノづくりにこれからも関わっていきたいなと改めて思うことができました。



INTERACTION 2025に参加しました(中田)

こんにちは、B4の中田です。

3/2(月)~3/4(火)にかけて、学術総合センター内 一橋記念講堂で行われたINTERACTION 2025でポスター発表を行いました。ついでに色々な発表も見てきたので、気になった研究をダイジェストで紹介していきます。

ポスター発表

今回、卒研の成果について発表を行いました。

最初の方はあまり興味を持ってくれる人はいなかったのですが、そのうちスタックチャンを知ってる人が何人か足を止めてくれました(初めて足を止めてくれた人はほぼ日の方でした。名札見たら金色で「SPONSOR」って書いてあった…)。発表について、様々な感想や意見を頂きました。大変貴重な経験でした。

それはそれとして、スタックチャンの研究をしてる人が私以外に2人いました。意外といるもんなんですね…。

登壇発表

続いては、登壇発表から気になった発表をいくつか紹介していきます。

【UltrasonicWhisper+: 超音波によるヒアラブルデバイスへの可聴音生成攻撃手法の提案】

いわゆる、外部から音を取り込むタイプのイヤホンに超音波を聞かせると、イヤホン側の処理で実際には存在しない可聴音が生成されるという事象に関する研究。だいぶ衝撃的でした。特に、実際とは違う歩行者信号の音とかを生成されると事故の原因にもなりますし、だいぶ危険度が高いんじゃないかと思います。実際に会場で生成された音を聞きましたが、ほぼ聞き分けできなかったです。

【スマートフォン用ウェブページとアプリにおけるタップ成功率推定ツールTappyの実用化】

スマホを誤タップしたことを察してリカバリ手段を提示する研究。誤タップをやらかした時の顔や手の動きなどでそれを察知し、リカバリを提示するというもの。支払いの画面とかで誤タップしたときに確認画面が出てくるだけでも十分に便利じゃないかと思いました。ちなみに、ユーザーが誤タップだと気づいていない場合は効果が無いです。動作のマイナスをゼロに戻すための補助。

【視線共有機能を備えた3者ビデオ会議における消極的発話者の思考外化支援手法(招待)】

ビデオ会議でよく黙ってしまっている人の意見を他者に伝える手法の提案。ポジティブな意見はそれに注目する時間が長い(既存研究)ことから、長く注目されている意見(付箋)ほど色が濃くなるようにするというシステムを使った実験。実際に長く注目されている意見に決定されることが多かった…が、逆に言うと長く注目されると逆にそれが良い意見であると錯覚させられるのでは?というのが感想。むしろ意見の誘導に使えてしまうんじゃないかと思ったり。

インタラクティブ発表

続いて、インタラクティブ発表(デモ・ポスター)で良かったものをいくつか紹介していきます。楽しすぎて全然写真を撮っていなかったので、文字だけでの紹介です…。

【現実空間とCG空間を往来するミニカーコンテンツの開発】

トミカをスキャンして、スキャンしたトミカで簡易的なレースゲームができるというコンテンツ。トミカの場合、形がある程度単純なので、前後左右+上方向からの5枚の写真だけでモデルを作ることができていました。バンダイがガンプラをスキャンして仮想空間上に再現する試みを行っていますが、形が単純なトミカであればかなり良い感じにできそうでした。透過はグリーンバックで行うことが多いですが、この発表では白と黒の2通りを用意して撮影しているとのこと。理由としては、緑色のミニカーもあるからというもの。成程となりました。

【デジタルツインを活用した小型ロボットとテクスチャを組み合わせた情報提示手法の探索】

toioを使った組み換えロボットを使った研究。toioを現実空間で動かすとUnity上でも動き、逆にUnity上のシミュレーションから現実のtoioに動きを再現させることも可能。位置や動きを細かく認識できるtoioならではの研究だと感じました。また、組み換え部分は板バネを使っているということでした。私も組み換えロボットを作っているので参考になります。

【シリンジ操作を実現する7自由度ワイヤ駆動型力覚提示装置の試作】

ワイヤで動作する3軸の移動+3軸の回転+シリンジの押し込みで注射器(シリンジ)のシミュレーションを行う装置。現実でシリンジを動かすとシミュレーション上でその通りに動き、逆にシミュレーション上でものを取ったりすると装置の方に反映されます。ワイヤがどれぐらい引っ張られたかの回転角で6自由度を計測しているそうです。今回のやば技術枠。

【Sketch2Joints: スケッチベースロボットアームのデザイン支援インターフェースの研究開発】

キャンバス上で、回転軸とそれを繋ぐ線を描くとその動きをシミュレーションでき、さらにロボットアームとして3Dモデリングできるというもの。軸を繋ぐ線に関しては曲線でも問題なくできていました。すごい。3Dモデリングに関しては軸のみだったので、モーターとかも併せてモデリングしてくれるとすごく便利になりそうでした。

【Ties Bind:噂した誰かとの繋がりや親近感を感じさせるインタラクティブアート】

「誰かが自分のことを噂していたらくしゃみする」というのを物理的で強制的に再現したもの。Twitter上で自分が言及されると装置が作動して、鼻に胡椒を送り込み、強制的にくしゃみさせるという仕組みです。デモでは装置に顔を当てる感じでしたが、プロトタイプではマスク型にしていたとのこと。メイカーイベントに出したらめっちゃ受けそう。

【火縄銃への理解を深めるためのMRインタフェース】

MRで火縄銃の構造・撃ち方・歴史を総合的に学ぶシステム。実際に引き金を引いたら火縄銃がどのように動作するかがよくわかって面白かったです。今回のシミュレーションは引き金を引いたときに動作する部分だけだったので、実際に着火してから弾丸を撃つまでのところも同様に再現してほしい所です。今後に期待。

【思い出を体験する VR 日記】

文章と位置情報を記録しておくと、その場所の景色をVR空間で表示する、次世代の絵日記。を実現するために、GoogleパノラマビューをGANで当時のような状況にGANで加工して表示するといったもの。ただし、GANで加工した場合は細部の情報量が減ってしまう(パノラマビューでははっきりと映っていた自販機が自販機のようなぼやけたものになってしまう)など、超解像を適用してもかいけつできなかったようなので、そのあたりが今後の改善点と言えるかもしれません。空だけでも天候や時間帯を変えるとうまいこといくかも?

まとめ

今回は発表を抜粋して紹介しましたが、会場では他にもたくさんの発表がありました。様々な分野で様々な切り口からの発表があり、成果発表の場としてだけではなく、特に卒研配属前のB3より下の学生にも見てほしいと強く感じました。このブログを見た人でINTERACTIONに参加したことが無いよって人はぜひ参加してみてください。