新歓タコパ2022年秋

コロナ禍も共存する方法を模索している日々ですが、以前のような生活が戻ってくる場面も増えてきました。留学生の受け入れは、その一つの大きな変化です。2年半ほど、日本に来たいのに来られない留学生が何人もいて、申し訳ない気持ちでいっぱいなのと、ゼミなどの研究室活動をオンライン併用で行うことを余儀なくされていました。

それがこの10月からは、来る予定だった留学生が全員日本に来られて、新たに3人の留学生を迎えることができました。(10月入学のM1、研究生、短期留学生)

というわけで、換気や会話時のマスクなどの感染対策に留意しつつ、久しぶりにタコパをやりました。日本の文化(?)の1つの面を知ってもらういい機会でもあるので、たこ焼きをつくるのも、やってもらいました。

急な開催だったので、都合があわずに参加できなかった人もいるのですが、日本人5人、インドネシア人2人、中国人3人、フィンランド人3人で、日本語がそれほどできない人もいるので、英語や中国語も混ざった、にぎやかな交流になりました。

お互いをよく知れたことで、研究活動もがんばっていきたいですね。(秋田)

JAIST佐藤研のみなさんが遊びに来られました

去年ウチを卒業した粟津さんがJAISTに進学した縁で、先日JAIST佐藤俊樹先生の研究室へ数人で遊びに行っていて、今度は佐藤先生と学生さんが遊びに来てくれました。佐藤先生はプロジェクションやインタラクションで活発な活動をされているので、「インタフェースのデバイス」を標榜しているウチの研究を是非見ていただいてコメントをいただければと思ったのでした。

M2伊部君の「メンコ」をデモ
実際に遊んでもらいました。

B4岡村さんの「ライブ盛り上げシステム」のデモ

短い時間ではありましたが、卒論・修論の追い込み段階でだいぶ仕上がってきたシステムや研究について説明するいい機会となったようでした。

今後もぜひ定期的に交流を続けたいと思います。(秋田)

SEMICON JAPANにアカデミア出展してきました!

こんにちは、M2の大河です。2021/12/15-17でビックサイトにて開催された国内最大の半導体関連の展示イベント、SEMICON JAPANにアカデミアで出展してきました!
インタフェースデバイス研究室初のSEMICON展示、ブースに立ち寄って興味深く私の説明を聞いてくださった方々に感謝致します。その説明内容をここでも紹介し、いただいた貴重なご質問・ご意見から考えたことを含めて、振り返ってみたいと思います!書きたいことがいろいろあってかなり長くなると思うので、目次を作って書いてみました(^^)

<目次>
1. SEMICONへのifDLの初出展(3日間 1人で担当!)
 1.1. 展示内容の概要
 1.2. 多かった質問・意見
 1.3. 今後やる必要があること・考えたこと・ネクストアクション!
2. 展示を通して感じたこと ~個人的な感想を含めて~
3. おまけ:横河ソリューションサービス様 横河ミニマルアプリケーションラボの見学
4. 最後に

1.1. 展示内容の概要

主に2つのテーマで展示しました。ポスターはこのブログ記事に貼っています。
①「 仮想的なPDKによる設計手法と実践 」
②「 オープンソースなLSI開発はできるか? 」

① 「 仮想的なPDKによる設計手法と実践 」
この研究は、共同研究で現在行っているものです。この中で実際にチップを試作したりして、とてもやりがいを感じているところです。
ざっくり一言でいうと、現在の一般的な半導体チップの開発・供給体制が抱える問題を、現場の視点からみてその構造を変えようという感じでしょうか。

一般的なLSI設計は、半導体製造工場と契約したのちに工場から提供されるPDKをもとに設計を始めますが、NDA(秘密保持契約)などにより、設計の過程・成果物にさまざまな制約を受けます。これにより良くない問題のみが発生するということではないですが、その構造が、商品単位で見たときに「そこでしか設計ができない」、「その工場でしか製造できない」といった「エンジニアリングチェーンの固定化」が起きてしまっています。
例えば、製造工場に何らかの問題が起きて、製造ができなくなってしまったとき、市場へは供給を続けないといけないので代替の工場を探します。しかし、近年は製造プロセスが細分化していき、特定用途に特化した性能の高い回路が製造できる一方で、設計ルールが異なるなどして設計を終えたデータが非互換になっているため、同じ設計データのままだいたいの工場で製造ができないなどの問題が発生する可能性があります。すると、スムーズに工場を切り替えることができません。
この共同研究は、それをできるような仕組みから作ろうというものです。また、そのような構造になっているがために起きるいくつかの問題の解決への取り組みも含まれています。

この共同研究の中で金沢大学は、ファブから提供されるPDKではなく、仮想的なPDKである”vPDK”を作っています。回路設計者はvPDKをターゲットに設計し、設計を終えた設計データを実際に既存のファブなどで製造できる設計データに変換するという手法をとっています。設計データを一度抽象化し、変換処理の内容を変更することで製造するファブ・プロセスの変更に対応します。

実際にこの設計フローでいくつかの回路を設計し、複数のファブで試作を行いました。試作したすべてのチップに載っているのが、大河が設計した簡単なオペアンプです。今回の展示ではそのチップの実物なども展示しました。

現時点で製造済みの2チップの展示。中央に2mm角のチップがあります。アクリル板をレーザーカットして作りました!

②「 オープンソースなLSI開発はできるか? 」

とりあえず、答えは”Yes”です笑
この研究は、私が行っている研究を紹介しているものです。ですが、もともとは私が始めたものではありません。

「LSIを自分で作ってみたい!」と思って、①の共同研究先の企業さんへインターンに行き、そこから半導体にだんだんと興味を持つようになりました。また、就職か進学か迷っていて、当時の高専の先生に相談したところ、金沢大学の秋田先生を紹介していただいて、その方がMakeLSI:をやっているとも教えてもらいました。結局、進学することにし、秋田先生のご指導の下、2020年の相乗り試作では初めて実際にチップを設計し、DACなんかはすごくきれいに波形が出たので、「こんな感じでできるのか!」ということが、そこで分かりました(ポスター2枚目左下の波形)。その後は設計環境を作る側になり 、研究としても、MakeLSI:のメンバとしても、プログラム書いたり、回路シンボルつくったり、回路設計したり、計測したり、いろいろやっています。

今はもう、オープンソースの設計ツールはたくさんありますが、私はKiCadとKLayoutに注目しています。これらを使うとLSIの最低限の設計フローができるのです。

2020年の相乗り試作で作ったチップはKLayoutのみを使って設計していました。そして今年の3月には 、MakeLSI:のScrapboxのページにこれらのツールを使ったインバータの設計のチュートリアルをまとめてみました。 共同研究の中で初めてオペアンプを設計したのですが 、基本的にそのチュートリアルに書いた方法で設計しています。

「オープンソース」と聞くと、日本ではなかなかそういった文化がなかったからか、「そんなもの大丈夫なのか?」と思われがちです。実際、自分も作る側に回るまでは同じ印象を持っていました。しかし、高専4年の時の東京研修旅行で買ったArduinoをきっかけに、オープンソースに触れて無意識になんとなく雰囲気は分かってきました(分かった気がしているだけかも…)
一番私が共感できることは、「作りたいと思った人が関わることができる、もっとこうしたら使いやすい、公開されている”これ”を使ったらすぐにとりあえず試せる」というようなことでしょうか。ソフトウェアなどはその文化が一般的にもなり、 オープンソースのソフトウェアの広がりの中で、LSIの設計ツールも登場するようになりました。とりあえず、それを使えばLSI設計ができます。

研究開発はビジネスにうまく落とし込まなければ、意味がないというような意見を持つ方もいます。すべてがそうでなければならないとは思わないので、十割肯定はできませんが、それを考える必要はあると思います。果たしてオープンソースのLSI開発(=ハードウェア開発)がビジネスの視点で見た時に、どう使っていけばいいのか、リスクは無いのか、果たして成り立つのか、というのには私も興味があります。というか、それを私の来年度以降の研究テーマにしようと考えているところです。

となると、ターゲットは今の時点から明確にしておくべきだと思っています。
ムーアの法則にならうように半導体は微細化が進み、回路は大規模化・複雑化してきました。最先端プロセスを使うほど、高性能な回路は実現できます。それを設計する工程では、製造後の品質を設計段階で保証するために商用設計ツールも大規模になり、ライセンス料が非常に高額になっています。製造の初期コストも非常に高いですが、設計もそれなりにコストをかけないとLSI設計ができません。規模感としては全体のコストの単位が~兆円くらいだと思います。現在、それが成り立っているのは大量販売(“大量生産”ではない)ができているからであって、それを見込めない用途にはまず使いません。そのため、根本的に最先端領域の多品種少量生産は成り立たないと考えています。可能性のある手段として、最近はMPW(Multi Project Wafer)などをよく聞くようになってきました。話がお金の方に行きましたが、技術の方に話を戻して、テクノロジノードが “~nm(ナノメートル)” とかニュースとかではよく聞きますが、そのレベルまで来て、今でさえ性能が「前モデルの1.5倍になりました」というような製品を出ているのにはとてもすごいと思うばかりです。(ちなみに半導体の主な材料はシリコンですが、シリコン原子の半径は約0.11nmです。「原子が何個並ぶか」数えられるくらい、それだけ小さいものを作れているというが本当にすごいことだと感じています。)

先端プロセスは先端プロセスで、微細化すれば性能はこれからも向上すると思います(そろそろ限界がきて、新材料にも注目が集まりつつあります)。それの設計はやはり商用設計ツールでなければ、現状は対応できないでしょう。あと、個人が手が出せるものでもないです。なので、オープンソースのツールで作るLSIはもっと古いテクノロジノードをターゲットにすべきだと思っています。否定するわけではなく、用途によってもっと柔軟に選べるようになれば良いと思っています(もしかしたら大金を持っている人がオープンソースツールで設計したチップを先端プロセスで製造するかもしれませんし笑)。

古いプロセスだからと言って、全く使えないわけではありません。例えば、アナログ回路は微細なテクノロジノードを使えば必ず性能が上がるというわけではありません。微細なプロセスになれば、必要とする電流も少ないので、全体を見るとそれが消費電力に直結します。先端プロセスほど、トランジスタが動く必要な電圧も低くなり、さらに消費電力は小さくなります。しかし、アナログ回路は基本的に電流を計算して設計するので、それが小さいと非常に設計しにくいです。専門の方が相当なテクニックを使って設計すれば、性能が高い回路を設計できるかもしれません。LSI設計が一通りできる人でも、かなりハードルが高いです。そのため、アナログ回路はあえて古いプロセスを使うこともしばしばあります。トランジスタの構造も先端プロセスは今や3次元ですが、比較的古いプロセスは2次元で設計できます。さらに、例えば製造上は0.5um単位で加工できる製造プロセスを使う場合にも、あえてその2~3倍のサイズで設計したりします。すると、相対的に製造のバラツキ(=出来上がったチップごとの性能のバラツキ)が小さくなるのです。
そのため、アナログ回路や、アナログとそれほど規模でないデジタル回路なら一緒にしてしまって、センサ周辺の回路をLSIで作って自前で設計すると総合的に性能を高くできたり、現実的なコストで開発出来たりすることもあるかもしれません。小規模なマイコン(デジタル回路)程度なら、古いプロセスを使ったものは今でもあります。このような領域を狙えるのではないかと考えています。

目指すのは「作りたい人が自分で作れる」です。オープンソースの設計ソフトウェアで設計環境を容易に整えることができるようにし、製造は既存プロセスのシャトルサービス(相乗り製造)やミニマルファブを使うと良いかもしれません。それを今回、部分的に試すことも出来ました。これらを社会に組み込む(=当たり前にする)ために、オープンソース指向のLSI開発の方向性を示して、LSI開発の敷居を下げることができたら良いなと思っています。それが、これまでなかったような回路・製品・サービスに繋がり、市場の幅を広げたり、新しい市場を作ったりしないかなと考えています。

1.2. 多かった質問・意見

1.「オープンソースなLSI開発は教育とかには非常に良さそう」
この意見が今回最も多かったです。以前からもこのご意見はあって、確かに、チュートリアルを作っているので、それがそのまま教材にもなると思います。
最近、日本政府も本格的に半導体の製造強化に力を入れようとしていますが、同時に設計ができる人も増やす必要もあるかもしれません。まだ、大々的にこういった取り組みを行ってはいませんが、例えばMakeLSI:のメンバのように、興味を持って自分から飛び込んだ方はすでに作ったチュートリアルをみて試していただいたようでした。なかなか半導体は奥が深いので、興味がないと単発で終わってしまいそうです。その部分も考える必要があるのではないかと思います。

2.「ビジネスとか企業の中で実際の業務でオープンソースなツールを使ってやるということ自体がまだ具体的に見えない」
やはり、言われてしまいました。確かに私もそう思います。しかし、前述のようにその部分をもっと明確にできるようにするのが、私の来年度以降の研究テーマでもあります。
このことが、オープンソースのツールを使うことに対する抵抗感に繋がり、リスクを感じるんだと思います。それを無くすため、具体例を示すことはある程度有効です。「ある程度」と書いたのは、事例を作るだけなら簡単ですが、やるなら良い実績を事例にしたいです。そのために、有意義なことをどんどん取り組んでいきたいと思っています。今回の出展で様々なお話をさせていただきました。後述の”1.3.”にも書きますが、この辺りは常に考えて、いろいろ挑戦してみたいです。

3. 「英語版のチュートリアルも欲しい!」
「この方法をたくさんの人に知ってほしい・試してほしい」と思っていますが、確かに、そう思うのなら英語版も作るべきですね。チュートリアルを書き終えた後、何度か思っていました。
ただ1つ致命的な問題があって、個人的な話で恐縮なのですが、私は英語がまだ使いこなせていないのです… これから英語で学会発表する機会もあるので、一応、1年と少し前からまた勉強を始めています。いずれ書こうと思いますので、しばらくお待ちください。もし英訳してくれる方がいらっしゃったら、ぜひ協力していただけると嬉しいです。チュートリアル自体が書いてからもうすぐ1年経ち、方法を改善したことがあったり、ソフトのバージョンが上がって手順が変わった部分があったりするので、それを反映する作業もあります…

1.3. 今後やる必要があること・考えたこと・ネクストアクション!

・やっぱり、リスクが怖い
事例等がもっと欲しいですね。オープンソースは大まかな目標はあると思いますが、明確な目標はないように思えます。その時のトレンドの影響、開発メンバ、資金によって大きく変わります。改善とともに実践して、実績を少しずつ積み重ねて、それを見た人が「これは使える!」とまずは思わせなければ何も始まりません。それまでは他人事です。実績があまりない状態では、興味を持った一部の人々の間で実績を何とか作り出そうとしなければいけません。 開発を続けることが難しくなって、開発が停滞、最悪はいつの間にかストップしてしまいます。

事例も単に作るだけじゃなくて、やっぱり企業の方も巻き込んでやった方がより有意義な成果が出ると思っています。そのために、やはり共同研究をやったり、現場でどんなことに困っているか、何が疑問点なのかをヒアリングしたりして、それを解決するために一緒に動き出せればベストです。

・教育に展開?
子供たちに対して、これをさせるのは面白いことだと思います。ただ、現状そこまで手が回っていません。
プログラミングが小学校のカリキュラムで必修になりました。一番の目的は世の中の物の仕組み・中身を理解することだと思いますが、「自分たちで作る」というマインドも少しでも良いと思うので必要だと思います。今やプログラミングは研究者や技術者なら分野関係なく触る機会が多いです。一方で、LSI設計は電気・電子工学系の技術者でもあまり縁が無いものだと思います。まだ今がそうなっているだけで、MakeLSI:でも掲げられている「LSI開発の民主化」が進めば、プログラムを実行するのはコンピュータで、コンピュータは半導体でできているといって過言ではないので、システム全体を眺めたうえでハードに実装されている半導体の中身を理解することは十分に意味があると思います。

「現状そこまで手が回っていません。」
→と書きましたが、もし、動いてくれる方がいらっしゃったらやってください!相談の上、お手伝いもします。

・1つだけでも製品を作ってみるべきか?(設計した回路の商品化?)
多分ですが、いま日本で自作LSIを販売している人はいないと思います。設計と試作をやって、評価までやることは多いと思いますが、それを販売まですると、何か分かるかもしれません。
販売まですることを考えると、普通は利益を求めたいので「どんなものに需要があるか」くらいは調べて、どんなものを作るかを考えると思います。実際にやってみたらどうなるのか、現在は設計は出来ても製造費用が高いのでなかなかできないですが、少しやってみたいところです。

今回お話しさせていただいた方から、すでに面白そうな企画を提案していただき、動き始めたものもあります。まだ始まったばかりなので、詳細は書きません。来年度以降の本格的な研究に向けて、ここまでに書いたことも含めてできることは準備しておきたいと思います。

2. 展示を通して感じたこと ~個人的な感想も含めて~

もともと今回のセミコンは、秋田先生からアカデミア無料出展の案内をもらったのがきっかけで、出展することを決めました。ビッグサイトは昨年のMaker Faire Tokyo 2020で行ったことがあって、展示会の経験をしていたので”楽しみ”という気持ちの方が大きかったです。

<スケジュール>
計4泊5日の長期出張でした!
12/14(火):午前中移動、午後は横河ソリューションサービス様へ見学(詳細は3へ)
12/15(水):セミコン1日目
12/16(木):セミコン2日目
12/17(金):セミコン3日目
12/18(土):午前:ゆっくり休み、午後は東京をちょっと観光して帰路へ。
自宅についたのは22:00前で、金沢は雪が積もり、車道は常に水が出ているので雪はありませんでしたが、歩道は若干溶けた雪が凍っていました…

14日は見学のあと、ホテルはビックサイト周辺で結構距離がありましたが、途中に月島があることに気づきました。「もんじゃを久しぶりに食べたいなぁ…」と思い、夜ご飯は実に5年ぶりのもんじゃを食べた後、ホテルに向かって翌日からのセミコンに向けてゆっくり休みました。

15日、ついにセミコン当日。
ブースの設営の様子とか、会場の様子とかの写真を撮りたかったのですが、まさかの会場内撮影禁止。会場に来て初耳でした…

とりあえず、並べるものなどをカバンから出して、ポスターを貼ったりいろいろと準備している間に開場しました。

まわりのブースはやっぱり製造プロセス関連の研究室ばかり。 アウェー感を感じながら、どんな方が来るのかと楽しみにしていました。

で、先に結果を書きますが、ブースを訪れた方はちょうど想定していたくらいの人数で、暇すぎず、忙しすぎず、良い感じでした。名刺を準備する時間がなかったので、A4三つ折りのリーフレットの中にプロフィールなども含めて書いたものを作っておきました。1日目開始時点で38部。
1日目終了:リーフレット残り26部(-12)
2日目終了:リーフレット残り15部(-11)
3日目終了:リーフレット残り0部(-15)

すべてを説明すると、10~15分くらいかかっていたと思います。「話が長いな…」と思われた方はすみませんでした。しかしながら、興味深いご意見いただいたり、議論もさせてもらったり非常に面白かったです。ありがとうございました。

説明を終えるたびに手や展示物の消毒をして、感染対策には十分気を付けました。あと、声をからしたくなかったのでその都度水分補給。去年のMaker Faireでは2日間の展示で、2日目終わったころに若干声をからしてしまったので、学習しました笑

最終日、16:00ごろに来られた方を最後にリーフレットを配り終わり、17:00をもって無事に終了しました。改めて、ブースに立ち寄ってくださった方、ありがとうございました!
またご縁がありましたら、引き続きご支援くださいますようお願い申し上げます。

↓ここから”3. おまけ”までははほとんど単なる感想です↓

説明しているとお腹って空かないんですね^^;
お昼ご飯はビックサイト内にコンビニがあったりもしたので、おにぎりとかを事前に買っておいたのですが、食べないこともありました。食べなかったものはそのまま晩ご飯へ。開催中はホテルで毎日晩酌していました笑

会場内には「グローバル肉コン」なるものもあって、キッチンカーとともにいろいろな肉料理がありました。2日目にMakeLSI:メンバのりょうすさんが来られて、色々お話しした後、多分もう15時前くらいだったと思いますが、タンドリーチキンをごちそうになりました。お腹があまり空いていなくても、本場のものはおいしかったです笑

あと、せっかく東京まで来て、こんなにも出展者が集まっているところをいろいろ回るべきだと思って、開場前や閉場後、途中に休憩がてらほんの少し回ったこともありましたが、お話を聞くまではできませんでした。機会があればぜひ次回こそは…
でも、やっぱり、会場の規模感はすごかったです。出展者も大変だと思いますが、見学側も話を聞きながら回るなら1日じゃ足りないと思います笑

3. おまけ:横河ソリューションサービス様 横河ミニマルアプリケーションラボの見学

ミニマルファブは金沢大学大学院に入学する前から知っていて興味を持っていました。そして、現在共同研究で自分の作った回路が何度か製造されているわけですが、実はそのミニマルファブの実物の装置を見たことがありませんでした。せっかく東京に行くし、新型コロナウイルスの新規感染者数も落ち着いている(このブログを書いている間に10日経ちましたが、今度は変異株が今増えつつあります。タイミングに恵まれていました…)ということで、ミニマルファブの見学を打診していました。すると、横河ソリューションサービス様と都合が合い、セミコンの前日14日の午後に行ってきました。

見学させていただいたのは、横河ミニマルアプリケーションラボと呼ばれるところです。ぜひ、「回路が試作されているところを!」と思っていて、あわよくば「自分の回路がまさに試作されているところを」とも思っていましたが、共同研究の中でミニマルファブ最後の試作はちょうど前週までで終わり、別件の回路が試作されていました。装置がたくさん並べられている部屋と、実際にそこで作業されている社員の方を生で見ることができ、また、丁寧にご説明くださって本当に楽しかったです。ありがとうございました。次来るときは、講習を受けた後自分でも作業してみたいですね笑

また、ラボが設置された経緯、在り方なども教えていただきました。共同研究を終えた後もおそらく機会はあると思っているので、何か面白いことをご一緒にやってみたいです。

4. 最後に

かなりの長文でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。今回のブログに関して、さらなるご意見・ご質問等ありましたら是非コメント or 大河までお気軽にメールしてください!大河は2022年度以降少なくともあと3年間、金沢大学で、さらなるオープンソースのLSI開発、オープンソースとの上手な向き合い方の言語化をしていきます。

私はこのような研究を始めたのは2020年度からでまだ2年経ちません。「オープンソースは本当にビジネスに使えるのか?リスクがありすぎるのではないか」ということは私も思っています。その答えを言えるようになりたいのです。そのためには、設計環境を作ってそれで設計することだけじゃなく、試作にご協力していただけるのならぜひお願いしたいですが、その前後も含めてLSI開発全体の実績作りも不可欠です。ここまで読んで何か思いついたことなどでももちろんOKです。ご興味のある方、まずはご相談からでも大河までお気軽にご連絡ください!

実際にやってくれる、一緒にやってくれる方を待っています!

SEMICON JAPANに出展しています!(ポスター・リーフレット公開)

こんにちは、M2の大河です。
12/15(水)から17(金)にかけてビックサイトにて開催されているSEMICON JAPANに、「金沢大学 インタフェースデバイス研究室」としてアカデミア出展しています。

主に2つのテーマで展示しており、会場にポスターを貼っていますが、そのポスターをここにも公開致します。ぜひ、ご覧ください!
イベントが終わり次第、またブログを書こうと思います。

また、一時的にA4サイズ、3つ折りのリーフレットを公開します!
2021/12/18: リーフレットは非公開にしました。もしご覧になりたい方は、大河までご連絡ください。

MFT2020に参加しました

B4の粟津です。

10/3(土)〜10/4(日)に東京ビックサイトで開催されたMaker Faire Tokyo2020に参加しました。

(左)東京ビッグサイト/(右)MFT2020看板

今回、秋田先生の出展のお手伝いとして、研究室からM1の大河さんと私が参加しました。

「自作RISC-VチップLチカとその設計ツール」@MakeLSI:
makezine.jp/event/makers-mft2020/m0189/

しかし、私はLSIについて詳しく説明できないので、主に他の出展を見に行き、勉強してきました。

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特に印象的だった展示は以下の3つです。

1.「En attendant Godot」@Combustion in cage
makezine.jp/event/makers-mft2020/m0010/
・扉を任意の鍵を使って開けると、その鍵に応じた光や音がこぼれ出ていた。
・鍵は先端部分がそれぞれ異なっていた。
・チラ見せすることで、光の色や音から扉の向こうを想像することができた。

2.「Boundary Cubic」@Boundary Cubic
makezine.jp/event/makers-mft2020/m0120/
【Egg lamp】
・卵型の外枠を自由に割って、外形や光の差し込み具合を調節できる。
【Boundary Cubic】
・本物のチョコで3Dプリントしていた。

3.「ピアノ演奏可視化装置”Bright Note”」@West Gate Laboratory
makezine.jp/event/makers-mft2020/m0090/
・鳴らした音の場所から下から上へと、光のラインが上っていった。
・四隅や、上下部分の配線が隠されていた。
・半透明な板を挟むことでぼやけた光となり、見やすかった。
・トリルや連打、音階が上がったり下がったりするときの光の流れがとても綺麗だった。
・リアル音ゲーのようだった。

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次に、2日間にお会いできた人について紹介します。

  1. 佐藤さん
    佐藤さんは、秋田先生の出展のお手伝いとして参加していた方です。私が『メディアアート』に興味があると言うと、佐藤さんはいろいろな出展に連れて行ってくれました。わからないところがあると、わかりやすく説明してくれました。2日間お世話になりました!ありがとうございました!

2.高須さん
高須さんは、昨年、IVRCを勧めてくれた方です。電子工作を始めるきっかけとなった一言だったので、そのときのお礼をお伝えできました。ありがとうございました!

3.白井さん
白井さんは、いつもオンラインで相談に乗っていただいている方です。 初めてオフラインでお会いすることができました。ありがとうございました!

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前乗りも合わせて3日間、とても有意義な時間でした。このような機会を与えてくれた秋田先生、LSIについてたくさん教えてくれた大河さん、 本当にお世話になりました!ありがとうございました!お疲れ様でした。

(左から)大河さん/佐藤さん/粟津/秋田先生

10/3-4 Maker Faire Tokyo 2020に行ってきました

こんにちは。初投稿、M1の大河です。10/3(土)~10/4(日)の2日間で東京ビックサイトで開催されたMaker Faire Tokyo 2020に行ってきました。
makezine.jp/event/mft2020/

 Maker Faire自体は去年のGWごろの5/4-5に、京都では初開催となったMaker Faire Kyoto 2019が初めてでした。今回はVisitor(参加者)としてではなく、Maker(出展者)として、秋田先生のMakeLSI:の出展のお手伝いをさせていただきました。
makezine.jp/event/makers-mft2020/m0189/

 最近はやりのオープンソースなコンピュータアーキテクチャであるRISC-V(リスク ファイブ)を使って、「”Lチカ”をするLSIを実際に作った」という内容です。
 LSIを作ろうとすると、とりあえず莫大なお金がかかります。まず設計するためのソフトウェアを用意しますが、一般の商用ツールを使おうとするとライセンス料が1億円くらいかかります(フル機能揃えた場合)。製造自体も1000万円~くらいです。そんなにお金がかかっていたら、個人的なものを作ろうとしても実質的に不可能です。できたとしても、ミスがあって動作させることができなかったら全部パーです。そのため、失敗しないように設計ツールは十分検証できるよう機能を充実させ、回路の大規模化、微細化、複雑化に対応するためそこまで値段が高くなります。
 これらをもっと一般化するために、設計ツールはフリーのものやOSS(Open Source Software)を使い、製造に関しては大学という教育機関であることもあり、格安でLSIを試作できる工場で生産します。また、産総研でミニマルファブという多品種少量かつ低コストのLSI製造の仕組みを作るというプロジェクトもあり、一応巻き込ませていただいています。このような誰でも実際にLSIが作れるような設計・製造の環境をつくるという活動をMakeLSI:は行っています。

 今回のイベントでは新型コロナウイルスが流行している中、感染の拡大は落ち着いていたものの、オンサイトでの開催(会場での開催)が出来るのか主催者側も非常に難しい決断だったと思います。オンサイトおよびオンラインで開催するという形で準備が進められて、もしオンサイトで出来なくなってもオンラインで開催自体はされるという形でした。結局無事にオンサイトの開催もでき、オンラインの方もYouTubeでライブ放送があったり、Twitterでハッシュタグをつけて作品投稿ができたり、どちらも非常に盛り上がっていました。個人的にはビックサイトも、東京のMaker Faireも初めてで、今回行けて本当に良かったです。

1日目は12:00開始で、開場のアナウンスがあって、スタッフやMakerの皆さんの拍手が会場に響いて、このときなんか一体感というかゾワッとした気がします笑

 会場入り口付近を見てみるとたくさん人が並んでいる… 徐々にMakeLSI:のブースにも集まり始めて、思ったりよりも多く、ほぼ常に2, 3人居るというような感じでした。早速、上に書いたような説明をしてみて、結構皆さん興味をもって、説明したいこと全部を言えるくらい最後まで聞いてくださった方が多かったです。「LSIを個人的に作る」という考え方は一般に浸透していないので、初めて聞く方は驚かれます。また、マイコンといったようなレベルからではなく、その構成部品であるLSIから作るというような、半導体関連の展示はやっぱり珍しいようです。そして何より、説明していて驚いたのが、RISC-Vの知名度。僕が説明していた中で話はそこから始めるようにし、まず「RISC-Vはご存じですか?」と聞くと、9割くらいの方が知っていました。会社で半導体関連をやっているという専門の方もいらっしゃいましたし、中学生、大学生も多かったです。
 世間はこんな状況で、こんなに話したことは最近無かったので、2日目が終わるころには若干声がかれていました。

 ここからは、参加してみた個人的な感想です。僕も電子工作してたりして一応Makerなので、 MakeLSI:のブースには、この前のNT金沢2020にも出した「モバブで動くポータブル電光掲示板」を置いて、MakeLSI:とMaker Faire Tokyoのロゴ、MakeLSI:とRISC-Vのロゴを5秒ごとに切り替えて表示するというのを作って、呼び込みとして使っていました。あと、最近買ったHicarix BadgeやATOM Matrixも。光物は目立つので、展示内容と関係ないですが少しくらいは活躍したかなと思います。電光掲示板の方は文字も流せるので、2日目は自動的に切り替えて文字も流せるように、1日目が終わってホテルに戻った後プログラミング。2日目に会場に着いた後に、作ったプログラムを書き込んだのですが、なぜか再起動ループを繰り返す。前に似た現象にあっていて解決法は分かっていたのですが、それをやるための環境を持ってきたPCに作っていなかったので、そこから始めました。しかし、お昼を過ぎても直せず、1時半過ぎたあたりでもう諦めました。結局、原因は思っていたものと違って、Arduino IDEのバージョンを上げるとすぐに解決し、ちょっとプログラムが間違っていたのでそれを直したらできました。こんな感じで2日目は動かせなかったので非常に悔しいです… ここから学んだことは、「展示するもので作りたいものがあったら始まる前に徹夜してでも作っておく!」 今回はお手伝いで自分の作品の展示じゃなかったので始まってからも取り組めましたが、悲しかったです。また、Twitterで普段見かける方も多く見るので、名刺とか歩き回っている時にもなにか自己紹介できるものをやっぱり作りたいですね。

 もちろん説明するだけじゃなくて、会場も回って2日間で5周くらいしたのですが、その中で一番興味を持ったのが、「わいらぼ(yi lab)」さんの「すうじブロック Su-B1」です。
makezine.jp/event/makers-mft2020/m0060
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 上側側面のボタンを押すと数字や演算子の表示が順に切り替わっていき、ブロックを横一列に並べると赤外線通信で「=」の部分のデバイスが実際に計算をして、そのさらに右のブロックへ計算の結果を表示するということでした。教育というキーワードが入っていたので、「作りたいから単に作るのではなくて、最初からこういうアイデアからを作ろうとしたんでしょうか?」と聞いたら「そうです!」とのことでした。アイデアからそれを本当に作る方はすごいです。ブロックから配線が2本出ているのは電源だということですが、将来的に無線給電式にするそうです。その展示もありました。中身を出して、基板とかも展示されているのも良かったです。

 そのほか書きたいことがいろいろありますが、結構すでに長くなっているので、以下箇条書きで書きます。
・ブースに訪れた人数カウンター作っていたら面白いかも?
・最近、研究室で組み立てたCNC加工機のメーカであるAvalon Techさんも展示されていてお土産もいただきました。(イベントまでもう少し時間があったら基板を作って、LEDパネルがもう1つあるのでそれを作って、プログラム書いて、ブースにも置けたのですが… イベントに出発する前日までいじっていました笑)
・去年はVisitorとして、今年はMaker(お手伝い)として、来年はMakerとして!? 作品を見て回るのも楽しいですが、自分で作ったものを展示して自慢するのもなかなか楽しいです。
・Seeedガチャが500円で有りましたが、1日限定100個。アタリは何かしらのセンサとか開発ボードとか、ラズパイも当たる。ハズレはケース。1日目は1時間もしないうちに売り切れていたからか、2日目は毎時0分に20個ずつとして、整理券も渡されていました。でも整理券をもらっても、時間の前に並んでおかないと先着順で無くなってしまう。行きたかった気持ちが少しありましたが、2日目はほとんどデバックしてたり、説明してたりしたのでタイミングを失いました笑。
・開場の時間と閉場の時間にも会場での拍手がありましたが、この感じが何とも良かったです。ちょっと鳥肌立ちました。
・Maker Faireはやっぱり、目的があって行くというより、「初めて知るもの見るものをまとめて見れる場所」、もっと言えば「見ることになる場所」という感じです。言葉にしにくいですが、自分で見たからこそ意味があって、行った結果どう思うかが面白さにもつながるんじゃないかと思います。
・Makerで展示されている方は一貫したテーマで作っていて、それを続けられていることがすごい。僕は何か作るとき、作りたいものというより、部品があってそれを使って作りたいものというように考えるので、ずっと何年も続けられている方を見ると本当にすごいなと思います。
・一緒にお手伝いしてた方や今回のイベント知り合った方から「熱弁してた」みたいに言われたので、嬉しいようでちょっと恥ずかしい気持ちもありました笑
・感染症対策はしっかりありました。入場口でのアルコール消毒、検温、検温した人の管理(シールが名札に貼られた)、展示物も手で触れれるようなものをできるだけ少なく、それでもインタラクティブにしたい作品は、これはTwitterで書いている方がいたのですが、フットコントローラーを置くなどされているMakerも多くいらっしゃいました。
・秋田先生から以前お会いしたときにいただいたTシャツを着ていたのですが、これを気に入った方がいらっしゃって、今も売ってあるのでそれの紹介をすることにもなりました^^;

 以上、MakeLSI:のブースは秋田先生、お手伝いで、佐藤さんとB4の粟津さんと僕の4人で対応しました。お疲れさまでした!

IVS 2020 Fall Bangkok参加レポート

こんにちは。M1の井上です。 少し前の話ですが、研究活動の合間にInfinity Ventures Summit(以下IVS)というイベントにスタッフとして参加してきました。 その報告を書きたいと思います。

参加した経緯、目的

まずIVSについて説明します。 IVSとは、

Infinity Ventures Summit(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット、以下IVS)は主にインターネット業界のトップレベルの経営者・経営幹部が一堂に集まり、業界の展望や経営について語る、年2回の招待制オフサイト・カンファレンスです。」(公式サイトより)

www.ivs.events/homejp

です。

カンファレンスは2日間開催され、その間でインターネット業界の経営者たちが、トレンドについて講演やディスカッションをしたり、またはその場で新しい投資を求めてピッチが行われます。

このイベントは完全招待制のため、誰でも参加できるわけではありません。
しかし、スタッフとして参加を申し込み、面接を通過すればカンファレンスの運営などを手伝う代わりにこのイベントに参加できます。

IVSは年に2回、春と秋に開催されるのですが、実は2017,2018年の冬は金沢で開催されていました。

僕は2017年の秋のときに初めてスタッフとして参加したことがあったため、今回のバンコク開催では面接なしでスタッフとして参加することができました。 IVSはこれまで国内で開催されていたのですが、昨年の2018年の春に台北に海外にも進出し、今回のタイは2度目の海外開催でした。

主にIVSから用意されるイベントのコンテンツは3つあります。
1.テーマごとによるセッション
2.IVS launchpadというビジネスピッチコンテスト
3.ネットワーキング
です。

今回僕がIVSに参加した主な目的は2つあります。 1つは、変化の早いインターネットやスタートアップといった業界の最先端の動向をキャッチアップすること。 もう1つは、今回は海外での開催であるということで、海外でのスタートアップの様子を見ることです。

スタッフとしての動き

今回僕はスタッフとして参加しました。
IVSでは開催前日を0日目として、0日目の夜にweclome partyと呼ばれる前夜祭のようなものが開催されます。
スタッフはその準備も兼ねて、0日目の昼に集合でした。

welcome partyの会場

2年前に金沢で開催された際には、スタッフでもガッツリ運営に関わり、参加されるゲストのガイドや誘導をしながら、パーティなどにも参加し、ネットワーキングをしました。
今回は会場がバンコクということもあり、現地のスタッフが主な進行の手伝いをしていたため、日本からのボランティアは10人と少数精鋭だったのに加え、仕事の内容も適宜日本人への対応といった内容でした。
1,2日目も当番制で受付の手伝いなどをしながら適宜日本人のゲストの応対などを行いましたが、合間を見てセッションの聴講やネットワーキングを行い、僕の目的を十分に果たすことができました。

セッションの様子
セッション会場の外のホワイエでは常に交流が行われていました。

セッションの内容

今回IVSでスケジュールされたセッションは以下の通りです。 僕がこのうち聴講できたセッションの要約を以下にまとめます。

・中国では、知財戦略をしっかりととっており、ドローンやAIのモデルといった特許や知財で儲けるスタートアップも多いが、日本ではそういった知財領域でのマネタイズはあまりみられない。
・5Gにより、クラウドへのアクセスが高速化するため、クラウドの流れはどんどんと加速し、ネットワークのアクセス先ですべて処理する、社会全体の知性となるシステムが加速するだろう。
・タイでは大企業の意思決定が早く、その決定に対して現場が従順に従うという文化がある
・タイにおいて、スタートアップするにあたって、事業は成長させやすいが成長過程は描きにくい、あるいはエグジット先少ないという問題がある。
・まだまだタイにおいてはVCや資本提携を増やす必要がある
・タイでも大企業の技術開発は専門性を高めており、ものづくりは得意な文化がある
・タイに限らず、大企業のニーズとして、は時間を買いたい、スタートアップで時短したいという意図や、技術や製品はあるけど、それをどう使えばいいのかわからないとというものがある。
・インターネット黎明期のような雰囲気があるのが、大麻や宇宙といった新しい産業の登場がみられる。

ピッチコンテストであるIVS LaunchPadの様子

感想

今回のIVSは大変実りがあるものとなりました。
その一番の要因は、日本からのスタッフが10人と少ないことにあると思います。 スタッフ間の交流もよく行えましたし、参加者との交流も十二分に行えました。
ビジネスにおいて市場で優位な場所を確保することを「ポジショニング」といいます。 今回僕が行ったこともそれに近いと思います。

タイで3日間の平日に来れる社会人の方は多くありません。
しかも、意識の高い学生であってもタイまで行く人は少ないと考えました。
この予想はあたっており、しかも「学生特権」をだいぶ活用することができました。
集まった社長さんは「学生」というだけでいろいろな話を聞かせてくれたり、「起業に興味がある」という気持ちだけで、みなさんよくしてくれ、国内外問わずいろいろな人からインプットを得ることができました。

そんな人やセッションとの中で僕が感じた2つのトレンドがあります。
1つは、地理的なトレンドです。スタートアップの中心地はシリコンバレーから始まり、中国の上海や深センなどに動きました。 それが今度はインドに注目が集まっています。 そして、起業家の中にはその先に控えるアフリカを見据え、移住を始めている人もいるという話を聞きました。 アフリカなどはまだ基本的なインフラがないなかでインターネットやスマートフォンといったデバイスの普及が進んでおり、ATMを導入するよりもデジタル決済を普及させた方が合理的だという状況だそうです。
2つめは、業界のトレンドです。 これまでにあった単純な情報メディアやマッチングといったスタートアップは今回、耳にしませんでした。 例えば物流といったリアルなものが絡んだり、セキュリティに特化したり、フィンテックやIoTといったインターネット×〇〇のようなものが多くありました。 さらに、インターネットの次に来るものの議論があったりと、WEBサービスが高度化・複雑化していると感じました。 学生起業などで出たアイデアが大きく育てていくのは少し難しいような雰囲気を感じています。

最後に、英語の重要性についてです。 僕は英語は苦手な方ではありませんが、それでも今回のカンファレンスではビジネスの話が出たりして、少し大変でした。 セッションの内容は理解できても、ネットワーキングの時間に海外の方と話すときに、自分の興味や思っていることを流暢に伝えられずもどかしい思いをしました。
逆に言えば、日本人として英語ができないという同じハンデを背負っているからこそ、そこを乗り越えていけば海外というブルーオーシャンにて上手な「ポジショニング」ができるのではないかと思います。 これから英語を一層磨いていこうと思います。
海外に出る日本人が少なく、まだ気軽に出れる今だからこそ、僕は海外に出よう、そう思ったカンファレンスでした。

終わりに

改めて、今回はとてもいい刺激とインプットを得ることができました。 援助をいただいた金大起業部(仮)には大変感謝しています。
もし今後もこのように行きたいカンファレンスなどへの交通費の援助があると、学生としてはとても助かると思います。
今回はありがとうございました。

はこだて未来大学にてミーティングをしてきました

M1の井上です。
2019/11/28-29にて、公立はこだて未来大学にお邪魔し、ミーティングを行いました。

はこだて未来大学のキャンパスは大きなドームのような大きな建物が一棟あり、その中に講義室や研究室などがありました。

「なるべく壁がないようにしている」ということで、研究室といっても部屋ではなくて仕切りで区切られたスペースであったり、教員室の壁もガラス張りであったりと、金沢大学や他の大学とは違った構造に驚きました。

今回、はこだて未来大学の岡本誠先生を訪問し、
・岡本研究室のゼミへの参加
・自身の研究の進捗発表とディスカッション
を行いました。

僕は専攻が情報系ということもあり、これまで学会やゼミでは工学系の発表を聞くことが多かったです。
今回の岡本先生の研究室はデザインの研究室ということもあり、普段あまり目にしない分野の研究発表を聞かせてもらいました。

例えばまちづくり関連の研究や、色彩に関する研究などがあり興味深かったです。

もちろん工学系、技術を用いた研究をしていた学生さんもいました。
はこだて未来大学ではデザインの研究室に所属していても、工学系の先生方から指導してもらうことができるようで、いろいろな視点から自分の研究を詰めてもらえるようです。
金沢大学では基本的に指導教員の先生と一緒に研究をすすめるので、このような体制も新鮮でした。

僕も興味の幅が広いほうなので、いろいろな先生方とのディスカッションができる環境はすごく嬉しいと思いました。

その後自分の研究を発表して、学生さんから意見をいただいたり、先生からコメントをいただきました。
ありがとうございました。

余談ですが、冬の北海道は初めてでした。
寒さは覚悟していたものの、毎回屋外に出るたびに感じる寒さはやはりいつもよりもだいぶ強かったです。

それでも五稜郭が美しく、函館山や海などの自然に囲まれ、美味しいラッキーピエロなどがある函館の街や環境はとても魅力的に感じました。

EC2019に参加しました

B3の粟津です。

EC2019に参加させていただきました。初めての学会でとても緊張しましたが、準備から発表まで楽しんで取り組むことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。 B3で学会に行けると思っていなかったのでとても貴重な経験ができ、とても嬉しく思っております 。今回、一緒に作品を作り上げてくださった秋田先生、白井さん、井上さん、相田さんには感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。

私たちは、”AugmenteDoor :扉を開ける動作のメタファに基づく映像提示システム ”と題しまして、ドアノブ型デバイスとARシステムを用いて、扉を引いて、扉の向こう側の世界を覗くというワクワク体験を実装しました。 デバイスを秋田先生、unity、通信面を井上さん、動画を相田さんと私という分担で作品を作っていきました。unityにはとても苦戦し、白井さんというunityのプロに何度も助言をいただきました。

はじまりは、別の”IVRC”というコンテストからでした。2,3月に参加させていただいた深圳ツアーで高須さんに”IVRC”というコンテストを紹介していただきました。興味があったので、同じく深圳ツアーに参加していたB3の相田さん、M1の井上さんに声をかけ、出場することを決めました。また、秋田先生がお手伝いしてくださるということで、とても心強かったです。IVRC2019に応募したのですが、残念ながら書類審査不合格となってしまい、来年のIVRC2020に向けて頑張っていくつもりでした。しかし、秋田先生が「学会に出してみたら。」とおっしゃってくださり、EC2019に出展することに決めました。

IVRCへの準備期間も含めて、5,6,7,8,9月の5か月間活動しました。毎日かなり濃厚な時間でしたが、終わってしまうとあっという間だったなと感じます。unityがなかなかうまくいかず、苦しんだこともありましたが、出発前日に無事デバイス・システムともに無事に完成して本当によかったです。

学会では、口頭、デモともに発表させていただきました。口頭発表での質疑応答では、質問にうまく回答できず、悔しい思いをしました。これは、経験が力になるときいたので、これを糧に次はしっかり回答したいです。あとから聞いた話ですが、ちょうど自分が発表するときがほかの発表時間より人がいたらしく、たくさんの専門家たちに発表することができ、なおかつ、意見や質問をいただけてとても素晴らしい経験ができました。

口頭発表

デモ発表では、台風の影響で中止になりかけたり、デバイスが壊れたり、ARグラスのレンズが取れたり、unityのbuildがうまくいっていなかったり、QRを印刷した紙が反射してQRが読み込まれないなど、ハプニングがいっぱいでしたが、なんとか扉を引く体験をしていただけて本当に良かったです。また、たくさんのアドバイス、ご意見、感想をいただくことができました。これらを踏まえて、これからさらに体験の質をあげたいと思っています。

デモ発表

発表以外にも、懇親会やワークショップを通して、たくさん勉強させていただきました。これを糧に、次回のIVRC、ECともにまた参加したいと思います。

余談ですが、懇親会でぷよぷよeスポーツのプレイヤーに選ばれて、久しぶりにぷよぷよをしました。結果的には2勝1敗で負けてしまいましたが、おもしろい実況とともにぷよぷよができて楽しかったです。

ぷよぷよeスポーツ


2019.9.20~9.22 [EC2019]

相田美遥です。
EC2019参加してきました!

3日間(20.21.22日)開催されて、私たちの発表は2日目でした。
1日目は、他の発表者の講演を聞きました。普段聴く機会がないので、とても興味深かったです。ゲスト講演のMontBlanc Picturessss様の話が特に面白かったです。企業のもの作りの流れを知ることができてよかったです。MontBlanc Picturessss様が体験のフローチャートを何を作品を作るの前に書いていたので、今度やってみたいと思いました。

2日目は、論文発表をしました。発表者は私ではないのですが、自分のことのように緊張してしまいました。無事に発表できてよかったです。

2日目は講演終了後に立食会があって参加してきました。普通に講演を聞いているときは誰とも関わることができなかったのですが、立食会で他大学の学生さんや大人の方々と話すことができて、よかったです。とても楽しかったです。

3日目は、私たちのデモ発表でした。
論文発表を聞いて来てくれた人がたくさんいました。色々な人にたくさん助言をもらったので、今後に生かしたいと思いました。

今回、台風が3日目に直撃して開催が危ぶまれましたが、無事デモ発表もできたのでよかったです。
自分の作ったものを色んな人に体験してもらう事は今までなく、(むしろ辛口コメント来たら怖いなとか思ってたんですが、それよりも)アドバイスをもらってより良いものが作れる可能性が生まれることに感動しました。
今度反省会をして、AugmenteDoorをより良いものにしていきたいと思ってます。また頑張っていきます!