SEMICON JAPANにアカデミア出展してきました!

こんにちは、M2の大河です。2021/12/15-17でビックサイトにて開催された国内最大の半導体関連の展示イベント、SEMICON JAPANにアカデミアで出展してきました!
インタフェースデバイス研究室初のSEMICON展示、ブースに立ち寄って興味深く私の説明を聞いてくださった方々に感謝致します。その説明内容をここでも紹介し、いただいた貴重なご質問・ご意見から考えたことを含めて、振り返ってみたいと思います!書きたいことがいろいろあってかなり長くなると思うので、目次を作って書いてみました(^^)

<目次>
1. SEMICONへのifDLの初出展(3日間 1人で担当!)
 1.1. 展示内容の概要
 1.2. 多かった質問・意見
 1.3. 今後やる必要があること・考えたこと・ネクストアクション!
2. 展示を通して感じたこと ~個人的な感想を含めて~
3. おまけ:横河ソリューションサービス様 横河ミニマルアプリケーションラボの見学
4. 最後に

1.1. 展示内容の概要

主に2つのテーマで展示しました。ポスターはこのブログ記事に貼っています。
①「 仮想的なPDKによる設計手法と実践 」
②「 オープンソースなLSI開発はできるか? 」

① 「 仮想的なPDKによる設計手法と実践 」
この研究は、共同研究で現在行っているものです。この中で実際にチップを試作したりして、とてもやりがいを感じているところです。
ざっくり一言でいうと、現在の一般的な半導体チップの開発・供給体制が抱える問題を、現場の視点からみてその構造を変えようという感じでしょうか。

一般的なLSI設計は、半導体製造工場と契約したのちに工場から提供されるPDKをもとに設計を始めますが、NDA(秘密保持契約)などにより、設計の過程・成果物にさまざまな制約を受けます。これにより良くない問題のみが発生するということではないですが、その構造が、商品単位で見たときに「そこでしか設計ができない」、「その工場でしか製造できない」といった「エンジニアリングチェーンの固定化」が起きてしまっています。
例えば、製造工場に何らかの問題が起きて、製造ができなくなってしまったとき、市場へは供給を続けないといけないので代替の工場を探します。しかし、近年は製造プロセスが細分化していき、特定用途に特化した性能の高い回路が製造できる一方で、設計ルールが異なるなどして設計を終えたデータが非互換になっているため、同じ設計データのままだいたいの工場で製造ができないなどの問題が発生する可能性があります。すると、スムーズに工場を切り替えることができません。
この共同研究は、それをできるような仕組みから作ろうというものです。また、そのような構造になっているがために起きるいくつかの問題の解決への取り組みも含まれています。

この共同研究の中で金沢大学は、ファブから提供されるPDKではなく、仮想的なPDKである”vPDK”を作っています。回路設計者はvPDKをターゲットに設計し、設計を終えた設計データを実際に既存のファブなどで製造できる設計データに変換するという手法をとっています。設計データを一度抽象化し、変換処理の内容を変更することで製造するファブ・プロセスの変更に対応します。

実際にこの設計フローでいくつかの回路を設計し、複数のファブで試作を行いました。試作したすべてのチップに載っているのが、大河が設計した簡単なオペアンプです。今回の展示ではそのチップの実物なども展示しました。

現時点で製造済みの2チップの展示。中央に2mm角のチップがあります。アクリル板をレーザーカットして作りました!

②「 オープンソースなLSI開発はできるか? 」

とりあえず、答えは”Yes”です笑
この研究は、私が行っている研究を紹介しているものです。ですが、もともとは私が始めたものではありません。

「LSIを自分で作ってみたい!」と思って、①の共同研究先の企業さんへインターンに行き、そこから半導体にだんだんと興味を持つようになりました。また、就職か進学か迷っていて、当時の高専の先生に相談したところ、金沢大学の秋田先生を紹介していただいて、その方がMakeLSI:をやっているとも教えてもらいました。結局、進学することにし、秋田先生のご指導の下、2020年の相乗り試作では初めて実際にチップを設計し、DACなんかはすごくきれいに波形が出たので、「こんな感じでできるのか!」ということが、そこで分かりました(ポスター2枚目左下の波形)。その後は設計環境を作る側になり 、研究としても、MakeLSI:のメンバとしても、プログラム書いたり、回路シンボルつくったり、回路設計したり、計測したり、いろいろやっています。

今はもう、オープンソースの設計ツールはたくさんありますが、私はKiCadとKLayoutに注目しています。これらを使うとLSIの最低限の設計フローができるのです。

2020年の相乗り試作で作ったチップはKLayoutのみを使って設計していました。そして今年の3月には 、MakeLSI:のScrapboxのページにこれらのツールを使ったインバータの設計のチュートリアルをまとめてみました。 共同研究の中で初めてオペアンプを設計したのですが 、基本的にそのチュートリアルに書いた方法で設計しています。

「オープンソース」と聞くと、日本ではなかなかそういった文化がなかったからか、「そんなもの大丈夫なのか?」と思われがちです。実際、自分も作る側に回るまでは同じ印象を持っていました。しかし、高専4年の時の東京研修旅行で買ったArduinoをきっかけに、オープンソースに触れて無意識になんとなく雰囲気は分かってきました(分かった気がしているだけかも…)
一番私が共感できることは、「作りたいと思った人が関わることができる、もっとこうしたら使いやすい、公開されている”これ”を使ったらすぐにとりあえず試せる」というようなことでしょうか。ソフトウェアなどはその文化が一般的にもなり、 オープンソースのソフトウェアの広がりの中で、LSIの設計ツールも登場するようになりました。とりあえず、それを使えばLSI設計ができます。

研究開発はビジネスにうまく落とし込まなければ、意味がないというような意見を持つ方もいます。すべてがそうでなければならないとは思わないので、十割肯定はできませんが、それを考える必要はあると思います。果たしてオープンソースのLSI開発(=ハードウェア開発)がビジネスの視点で見た時に、どう使っていけばいいのか、リスクは無いのか、果たして成り立つのか、というのには私も興味があります。というか、それを私の来年度以降の研究テーマにしようと考えているところです。

となると、ターゲットは今の時点から明確にしておくべきだと思っています。
ムーアの法則にならうように半導体は微細化が進み、回路は大規模化・複雑化してきました。最先端プロセスを使うほど、高性能な回路は実現できます。それを設計する工程では、製造後の品質を設計段階で保証するために商用設計ツールも大規模になり、ライセンス料が非常に高額になっています。製造の初期コストも非常に高いですが、設計もそれなりにコストをかけないとLSI設計ができません。規模感としては全体のコストの単位が~兆円くらいだと思います。現在、それが成り立っているのは大量販売(“大量生産”ではない)ができているからであって、それを見込めない用途にはまず使いません。そのため、根本的に最先端領域の多品種少量生産は成り立たないと考えています。可能性のある手段として、最近はMPW(Multi Project Wafer)などをよく聞くようになってきました。話がお金の方に行きましたが、技術の方に話を戻して、テクノロジノードが “~nm(ナノメートル)” とかニュースとかではよく聞きますが、そのレベルまで来て、今でさえ性能が「前モデルの1.5倍になりました」というような製品を出ているのにはとてもすごいと思うばかりです。(ちなみに半導体の主な材料はシリコンですが、シリコン原子の半径は約0.11nmです。「原子が何個並ぶか」数えられるくらい、それだけ小さいものを作れているというが本当にすごいことだと感じています。)

先端プロセスは先端プロセスで、微細化すれば性能はこれからも向上すると思います(そろそろ限界がきて、新材料にも注目が集まりつつあります)。それの設計はやはり商用設計ツールでなければ、現状は対応できないでしょう。あと、個人が手が出せるものでもないです。なので、オープンソースのツールで作るLSIはもっと古いテクノロジノードをターゲットにすべきだと思っています。否定するわけではなく、用途によってもっと柔軟に選べるようになれば良いと思っています(もしかしたら大金を持っている人がオープンソースツールで設計したチップを先端プロセスで製造するかもしれませんし笑)。

古いプロセスだからと言って、全く使えないわけではありません。例えば、アナログ回路は微細なテクノロジノードを使えば必ず性能が上がるというわけではありません。微細なプロセスになれば、必要とする電流も少ないので、全体を見るとそれが消費電力に直結します。先端プロセスほど、トランジスタが動く必要な電圧も低くなり、さらに消費電力は小さくなります。しかし、アナログ回路は基本的に電流を計算して設計するので、それが小さいと非常に設計しにくいです。専門の方が相当なテクニックを使って設計すれば、性能が高い回路を設計できるかもしれません。LSI設計が一通りできる人でも、かなりハードルが高いです。そのため、アナログ回路はあえて古いプロセスを使うこともしばしばあります。トランジスタの構造も先端プロセスは今や3次元ですが、比較的古いプロセスは2次元で設計できます。さらに、例えば製造上は0.5um単位で加工できる製造プロセスを使う場合にも、あえてその2~3倍のサイズで設計したりします。すると、相対的に製造のバラツキ(=出来上がったチップごとの性能のバラツキ)が小さくなるのです。
そのため、アナログ回路や、アナログとそれほど規模でないデジタル回路なら一緒にしてしまって、センサ周辺の回路をLSIで作って自前で設計すると総合的に性能を高くできたり、現実的なコストで開発出来たりすることもあるかもしれません。小規模なマイコン(デジタル回路)程度なら、古いプロセスを使ったものは今でもあります。このような領域を狙えるのではないかと考えています。

目指すのは「作りたい人が自分で作れる」です。オープンソースの設計ソフトウェアで設計環境を容易に整えることができるようにし、製造は既存プロセスのシャトルサービス(相乗り製造)やミニマルファブを使うと良いかもしれません。それを今回、部分的に試すことも出来ました。これらを社会に組み込む(=当たり前にする)ために、オープンソース指向のLSI開発の方向性を示して、LSI開発の敷居を下げることができたら良いなと思っています。それが、これまでなかったような回路・製品・サービスに繋がり、市場の幅を広げたり、新しい市場を作ったりしないかなと考えています。

1.2. 多かった質問・意見

1.「オープンソースなLSI開発は教育とかには非常に良さそう」
この意見が今回最も多かったです。以前からもこのご意見はあって、確かに、チュートリアルを作っているので、それがそのまま教材にもなると思います。
最近、日本政府も本格的に半導体の製造強化に力を入れようとしていますが、同時に設計ができる人も増やす必要もあるかもしれません。まだ、大々的にこういった取り組みを行ってはいませんが、例えばMakeLSI:のメンバのように、興味を持って自分から飛び込んだ方はすでに作ったチュートリアルをみて試していただいたようでした。なかなか半導体は奥が深いので、興味がないと単発で終わってしまいそうです。その部分も考える必要があるのではないかと思います。

2.「ビジネスとか企業の中で実際の業務でオープンソースなツールを使ってやるということ自体がまだ具体的に見えない」
やはり、言われてしまいました。確かに私もそう思います。しかし、前述のようにその部分をもっと明確にできるようにするのが、私の来年度以降の研究テーマでもあります。
このことが、オープンソースのツールを使うことに対する抵抗感に繋がり、リスクを感じるんだと思います。それを無くすため、具体例を示すことはある程度有効です。「ある程度」と書いたのは、事例を作るだけなら簡単ですが、やるなら良い実績を事例にしたいです。そのために、有意義なことをどんどん取り組んでいきたいと思っています。今回の出展で様々なお話をさせていただきました。後述の”1.3.”にも書きますが、この辺りは常に考えて、いろいろ挑戦してみたいです。

3. 「英語版のチュートリアルも欲しい!」
「この方法をたくさんの人に知ってほしい・試してほしい」と思っていますが、確かに、そう思うのなら英語版も作るべきですね。チュートリアルを書き終えた後、何度か思っていました。
ただ1つ致命的な問題があって、個人的な話で恐縮なのですが、私は英語がまだ使いこなせていないのです… これから英語で学会発表する機会もあるので、一応、1年と少し前からまた勉強を始めています。いずれ書こうと思いますので、しばらくお待ちください。もし英訳してくれる方がいらっしゃったら、ぜひ協力していただけると嬉しいです。チュートリアル自体が書いてからもうすぐ1年経ち、方法を改善したことがあったり、ソフトのバージョンが上がって手順が変わった部分があったりするので、それを反映する作業もあります…

1.3. 今後やる必要があること・考えたこと・ネクストアクション!

・やっぱり、リスクが怖い
事例等がもっと欲しいですね。オープンソースは大まかな目標はあると思いますが、明確な目標はないように思えます。その時のトレンドの影響、開発メンバ、資金によって大きく変わります。改善とともに実践して、実績を少しずつ積み重ねて、それを見た人が「これは使える!」とまずは思わせなければ何も始まりません。それまでは他人事です。実績があまりない状態では、興味を持った一部の人々の間で実績を何とか作り出そうとしなければいけません。 開発を続けることが難しくなって、開発が停滞、最悪はいつの間にかストップしてしまいます。

事例も単に作るだけじゃなくて、やっぱり企業の方も巻き込んでやった方がより有意義な成果が出ると思っています。そのために、やはり共同研究をやったり、現場でどんなことに困っているか、何が疑問点なのかをヒアリングしたりして、それを解決するために一緒に動き出せればベストです。

・教育に展開?
子供たちに対して、これをさせるのは面白いことだと思います。ただ、現状そこまで手が回っていません。
プログラミングが小学校のカリキュラムで必修になりました。一番の目的は世の中の物の仕組み・中身を理解することだと思いますが、「自分たちで作る」というマインドも少しでも良いと思うので必要だと思います。今やプログラミングは研究者や技術者なら分野関係なく触る機会が多いです。一方で、LSI設計は電気・電子工学系の技術者でもあまり縁が無いものだと思います。まだ今がそうなっているだけで、MakeLSI:でも掲げられている「LSI開発の民主化」が進めば、プログラムを実行するのはコンピュータで、コンピュータは半導体でできているといって過言ではないので、システム全体を眺めたうえでハードに実装されている半導体の中身を理解することは十分に意味があると思います。

「現状そこまで手が回っていません。」
→と書きましたが、もし、動いてくれる方がいらっしゃったらやってください!相談の上、お手伝いもします。

・1つだけでも製品を作ってみるべきか?(設計した回路の商品化?)
多分ですが、いま日本で自作LSIを販売している人はいないと思います。設計と試作をやって、評価までやることは多いと思いますが、それを販売まですると、何か分かるかもしれません。
販売まですることを考えると、普通は利益を求めたいので「どんなものに需要があるか」くらいは調べて、どんなものを作るかを考えると思います。実際にやってみたらどうなるのか、現在は設計は出来ても製造費用が高いのでなかなかできないですが、少しやってみたいところです。

今回お話しさせていただいた方から、すでに面白そうな企画を提案していただき、動き始めたものもあります。まだ始まったばかりなので、詳細は書きません。来年度以降の本格的な研究に向けて、ここまでに書いたことも含めてできることは準備しておきたいと思います。

2. 展示を通して感じたこと ~個人的な感想も含めて~

もともと今回のセミコンは、秋田先生からアカデミア無料出展の案内をもらったのがきっかけで、出展することを決めました。ビッグサイトは昨年のMaker Faire Tokyo 2020で行ったことがあって、展示会の経験をしていたので”楽しみ”という気持ちの方が大きかったです。

<スケジュール>
計4泊5日の長期出張でした!
12/14(火):午前中移動、午後は横河ソリューションサービス様へ見学(詳細は3へ)
12/15(水):セミコン1日目
12/16(木):セミコン2日目
12/17(金):セミコン3日目
12/18(土):午前:ゆっくり休み、午後は東京をちょっと観光して帰路へ。
自宅についたのは22:00前で、金沢は雪が積もり、車道は常に水が出ているので雪はありませんでしたが、歩道は若干溶けた雪が凍っていました…

14日は見学のあと、ホテルはビックサイト周辺で結構距離がありましたが、途中に月島があることに気づきました。「もんじゃを久しぶりに食べたいなぁ…」と思い、夜ご飯は実に5年ぶりのもんじゃを食べた後、ホテルに向かって翌日からのセミコンに向けてゆっくり休みました。

15日、ついにセミコン当日。
ブースの設営の様子とか、会場の様子とかの写真を撮りたかったのですが、まさかの会場内撮影禁止。会場に来て初耳でした…

とりあえず、並べるものなどをカバンから出して、ポスターを貼ったりいろいろと準備している間に開場しました。

まわりのブースはやっぱり製造プロセス関連の研究室ばかり。 アウェー感を感じながら、どんな方が来るのかと楽しみにしていました。

で、先に結果を書きますが、ブースを訪れた方はちょうど想定していたくらいの人数で、暇すぎず、忙しすぎず、良い感じでした。名刺を準備する時間がなかったので、A4三つ折りのリーフレットの中にプロフィールなども含めて書いたものを作っておきました。1日目開始時点で38部。
1日目終了:リーフレット残り26部(-12)
2日目終了:リーフレット残り15部(-11)
3日目終了:リーフレット残り0部(-15)

すべてを説明すると、10~15分くらいかかっていたと思います。「話が長いな…」と思われた方はすみませんでした。しかしながら、興味深いご意見いただいたり、議論もさせてもらったり非常に面白かったです。ありがとうございました。

説明を終えるたびに手や展示物の消毒をして、感染対策には十分気を付けました。あと、声をからしたくなかったのでその都度水分補給。去年のMaker Faireでは2日間の展示で、2日目終わったころに若干声をからしてしまったので、学習しました笑

最終日、16:00ごろに来られた方を最後にリーフレットを配り終わり、17:00をもって無事に終了しました。改めて、ブースに立ち寄ってくださった方、ありがとうございました!
またご縁がありましたら、引き続きご支援くださいますようお願い申し上げます。

↓ここから”3. おまけ”までははほとんど単なる感想です↓

説明しているとお腹って空かないんですね^^;
お昼ご飯はビックサイト内にコンビニがあったりもしたので、おにぎりとかを事前に買っておいたのですが、食べないこともありました。食べなかったものはそのまま晩ご飯へ。開催中はホテルで毎日晩酌していました笑

会場内には「グローバル肉コン」なるものもあって、キッチンカーとともにいろいろな肉料理がありました。2日目にMakeLSI:メンバのりょうすさんが来られて、色々お話しした後、多分もう15時前くらいだったと思いますが、タンドリーチキンをごちそうになりました。お腹があまり空いていなくても、本場のものはおいしかったです笑

あと、せっかく東京まで来て、こんなにも出展者が集まっているところをいろいろ回るべきだと思って、開場前や閉場後、途中に休憩がてらほんの少し回ったこともありましたが、お話を聞くまではできませんでした。機会があればぜひ次回こそは…
でも、やっぱり、会場の規模感はすごかったです。出展者も大変だと思いますが、見学側も話を聞きながら回るなら1日じゃ足りないと思います笑

3. おまけ:横河ソリューションサービス様 横河ミニマルアプリケーションラボの見学

ミニマルファブは金沢大学大学院に入学する前から知っていて興味を持っていました。そして、現在共同研究で自分の作った回路が何度か製造されているわけですが、実はそのミニマルファブの実物の装置を見たことがありませんでした。せっかく東京に行くし、新型コロナウイルスの新規感染者数も落ち着いている(このブログを書いている間に10日経ちましたが、今度は変異株が今増えつつあります。タイミングに恵まれていました…)ということで、ミニマルファブの見学を打診していました。すると、横河ソリューションサービス様と都合が合い、セミコンの前日14日の午後に行ってきました。

見学させていただいたのは、横河ミニマルアプリケーションラボと呼ばれるところです。ぜひ、「回路が試作されているところを!」と思っていて、あわよくば「自分の回路がまさに試作されているところを」とも思っていましたが、共同研究の中でミニマルファブ最後の試作はちょうど前週までで終わり、別件の回路が試作されていました。装置がたくさん並べられている部屋と、実際にそこで作業されている社員の方を生で見ることができ、また、丁寧にご説明くださって本当に楽しかったです。ありがとうございました。次来るときは、講習を受けた後自分でも作業してみたいですね笑

また、ラボが設置された経緯、在り方なども教えていただきました。共同研究を終えた後もおそらく機会はあると思っているので、何か面白いことをご一緒にやってみたいです。

4. 最後に

かなりの長文でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。今回のブログに関して、さらなるご意見・ご質問等ありましたら是非コメント or 大河までお気軽にメールしてください!大河は2022年度以降少なくともあと3年間、金沢大学で、さらなるオープンソースのLSI開発、オープンソースとの上手な向き合い方の言語化をしていきます。

私はこのような研究を始めたのは2020年度からでまだ2年経ちません。「オープンソースは本当にビジネスに使えるのか?リスクがありすぎるのではないか」ということは私も思っています。その答えを言えるようになりたいのです。そのためには、設計環境を作ってそれで設計することだけじゃなく、試作にご協力していただけるのならぜひお願いしたいですが、その前後も含めてLSI開発全体の実績作りも不可欠です。ここまで読んで何か思いついたことなどでももちろんOKです。ご興味のある方、まずはご相談からでも大河までお気軽にご連絡ください!

実際にやってくれる、一緒にやってくれる方を待っています!

深圳のEMS企業JENESISでインターンさせていただいてきました

先日深圳を訪れた際、お願いをして、EMS(組み立て受託)会社のJENESIS社で、1日だけですがインターンをさせていただきました。

JENESIS社は、比較的小ロットの電子機器の設計から量産(組み立て)までを日本クオリティで行う会社で、日本人の藤岡淳一さんが経営されています。最近は話題の翻訳端末「ポケトーク」の量産もされています。藤岡さんご自身とJENESIS社の話は「「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム」(インプレスR&D)に詳しいのでぜひご参照ください。

お世話になったのは、タクシー向けの決済タブレット端末の組み立てラインです。中身はAndroidタブレットに、各種電子マネーやクレジットカードの決済や携帯回線を通した広告などの表示機能をもつ端末です。

今回お世話になった組み立てラインで組み立てているタブレット端末

基本的には組み立ては流れ作業で行われ、組み立ての工程は細かく分割されて個人に割り当てられ、部分的に半自動化されている工程もあります。私が担当したのは、端末の裏のクリップ部分の組み立てでした。当然ながら工場の方は全員中国人で、英語ができる方はほとんどいないのですが、最初にリーダー(?)の方から作業の指示を受ける際には、実物で手順を説明してもらえるので、だいたい理解できます。個人的に少しだけ中国語の勉強(といってもNHKラジオ中国語程度)をしているのですが、ピンの「長いほう」と説明を受けるときに「长个 (zhang ge)」と言われたのが聞き取れた(たぶん)のはちょっとうれしかったです。

まずはクリップ本体に、向きに注意しながらバネをはめる。

最初の1時間くらいで、クリップにバネをはめていきます。

クリップをとめるピンを刺して、折り曲げて固定する。

続いてこのクリップをタブレット本体に固定するピンを曲げる作業をしていきます。説明を受けて理解はしつつも、最初はなかなかスムーズにできないのですが、数個分終わるまでにはコツをつかんで、スムーズにできるようになりました。こういう作業ごとのコツは、個人の裁量の範囲でできますし、マニュアル化しにくいと思われるので、作業がスムーズに進むように個人で工夫することは大事ですし、それができることも大事だと思いました。今回は他の人の作業の様子をじっくり見るほどの余裕はなかったのですが、このようなマニュアルに載っていない工夫は、みなさんがされているんだと思います。またJENESIS社の量産の性格上、組み立てる製品を切り替えることが多いので、製品ごとに組み立て工程を一人分に分けて、その中で個人の工夫で効率をあげていく方法はよい方法だと思いました。また前の工程から部材を渡される時間に多少ばらつきがあって、ときどき、部材がなくて作業したくてもできない待ち時間が出てしまうことはやむを得ないのだと思います。それでも今回の作業では、待ち時間はかなり少なかった気がします。ちなみに前の工程で少し部材がたまっているときに、前の方の作業を少し手伝おうとしたことがあったのですが、「それは私の作業」と断られました。自分の作業、という誇りに加えて、下手に他人がやると、責任の所在があいまいになるということもあるのかもしれません。

ときどきリーダー(?)の方が後ろで見ていて、問題がないかチェックしていて、不十分なところがあれば指摘されます。

作業は、2時間半ぐらいごとに休憩や昼食休み(1時間)と夕食休みをはさんで、ずっとこの作業を続けます。前の工程の人も、休憩時間が近づいてくると疲れてくるのか、部品をはめない状態で部材を渡されたりしますが、休憩が終わってからは、自分でも気分一新で効率が上がる気がします。やはり気合だけで乗り切らずに、適度な休憩は大事ですね。

全体を通して、みなさんとても集中して作業をされていて、労働に関する意識の高さを強く感じました。お世話になった日は、目標数が高かったのか、22時までの操業だったのですが、夕食後も作業のペースは落ちることはありませんでした。

ちなみに休憩の時間になると音楽が流れるのですが、みなさん切り替えがとても早く、一斉に外へ出て行って、お茶を飲んだりトイレに行ったりスマホを見たりしていました。また風習なのか昼食は素早く終えて仮眠をいる方も多くいました。休憩をうまくとることは、作業の効率にとても大事ですね。

あともう1つ気づいたのは、不良品に対する対処でした。組み立て後に電源を入れて起動し、初期設定をする、という工程を担当するときがあったのですが、ときどき(1%くらい?)、起動しない端末があります。そのときは、その端末をファームウエア書き込み工程にまわして、再度ファームウエアを書き込んでから動作チェックをします。今回は1台だけ、それでも治らない端末があったのですが、いろいろな人が出てきて、直流電源をつないだりテスターで計測したりしながら、その端末はリペア(修復)工程にまわっていったようでした。単に不良品としてはじいて捨ててしまうのではなく、なんとしてでも有効活用する姿勢が、当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、とても勉強になりました。

今回のインターンで量産の現場を、少しでしたが体験させていただいて、現場の皆さんが高いクオリティで製品を組み立てている、つまり形のあるものへと仕上げていく過程を間近でみることができました。デジタルデータだけの世界ではない、形のあるハードウェアに特有の現象を意識しつつ、またそれを安心して任せつつ、ともにハードウェアという形にしていく過程に、今後も向き合っていきたいと思います。

(写真提供:菊地仁さん)

細かい作業は老眼にはなかなかしんどかったです・・・(笑)

(秋田)

再び深圳に行ってきた

M1の中川です。昨年も行きましたが深圳にまたまた行ってきました。

あの美味しい炒飯再び
昨年時計を買ったお店。東京土産を持っていきました。
覚えていてくれて良かったです。

さて、今回はMakerFaireのためではなく、企業見学のために行ってきました。

訪問させていただいたところでとても印象に残った所を2つ紹介します。

前回は、代表的な深圳に関する本である高須さんの本と藤岡さんの本を読んでから行きましたが、今回は新しくハードウェアハッカーを読んできました。

JENESIS

工場で 1日のインターンシップを体験させていただきました。

ポケトークを組み立てている工場で、自分はタブレットのファームウェアを更新したり、タブレットの組み立てや起動の確認、金具の取り付けなどをしていました。

作業服を着た自分

ハードウェアハッカーではchumbyの基板組み立て工場の食事が出てきました。

その食事がとてもおいしそうで豪華だったので自分は工場での食事を楽しみにしていましたが、工場が移転直後ということで工場での社食は食べられませんでした。ですが、生産部の経理の方が昼ご飯と夜ご飯をごちそうしてくれてとても美味しかったです。本当にありがとうございました。ごちそうさまです。

インターンシップが終わってみるとクタクタでしたが、一緒に働いていた女の人はピンピンしていました。美味しいご飯さえあれば何でもできるというパワーを感じました。

他に全体を通して感じたこととして、作業をしているうちに自分の動きが最適化されていくのを感じて、人間の慣れってすごいなと思いました。最後のほうには自分の担当した作業で10秒くらいの暇ができたとき、次の作業も同時にこなし、次の人の負担が少しでも減るようにして全体の流れがスムーズになるよう心がけていました。どのようにより効率的に多く組み立てを済まし、生産数を増やすか考えるのが面白かったです。

隣の女の社員さんとずっと作業していたので仲良くなったのですが、もう会えないと思うと、終わった後少し寂しかったです。

今回の旅行で個人的に一番印象に残り、勉強になりました。藤岡さん貴重な体験をありがとうございました。

zGlue

ベンチャー企業のzGlueさんに行ってきました。

Smart Fabricという製品が主力で、カスタムSoCが安価で作れ、しかも配線がFPGAのように自由に変えられる点において新規性のあるすばらしい技術でした。

半日でしたが真摯に英語で説明してくださり、貴重な資料を見せていただきありがとうございました。

最後に…今回の旅全体を通して

今回、茂田さんや色んなメイカーの方が中心となって色んな企業へ行き、深圳にもまた行けたので感謝の気持ちでいっぱいです。今回詳しくは書きませんでしたが、WorldsemiさんとM5Stackさんからは製品をいただきました。Elecrowさんからは発注した基板を作っていただきました。このような機会は本当になかなかないことだと思います。いただいた製品で何か作ってみようと思います。

本当に充実していたツアーでした。就活で来るか悩みましたが、来てよかったと思います。ありがとうございました。

深セン訪問2019(B4井上)

こんにちは。B4の井上です。
先日、2/27から3/5の一週間で中国の深センに行ってきました。

僕が深センのことを今年度の始めごろ、秋田先生や研究室の先輩から聞いて初めて知りました。
そのころは「何やら電気街がすごい!」というくらいの認識だったのですが、その後僕は中国の話をいたるところで聞くようになります。
・決済は電子マネーしか使えない?
・深センはイノベーションの街
・第二のシリコンバレー?
今回の深セン訪問は僕にとって、これらの話を実際に自分の目で確かめに行くという裏テーマを持っていました。
深センの勉強には藤岡淳一さんのこちらの本を読みました。

結論を先に書くと、深センにつくといい意味で裏切られました。
まず、僕は中国では電子決済しか使えないという話をきいたのですが、これは半分本当で半分ウソでした。
お店で現金を出せば、支払いはできます。
しかし、お見せ側にお釣りの用意がなかったり、個人間のお金のやりとりでは電子決済が便利すぎるなど、圧倒的に電子決済が便利すぎるのです。
実際、ほとんどの人が現金を使っていませんでした。

また、深センは思っていたよりも広く、聞いた話の中では電気街しかないのかと思っていたのですが、それ以外のも歓楽街や観光スポットなど、同じ街の中にたくさんの色がありました。

そして、一番感じたのはここがごちゃまぜの街であるということです。
これについては最後にまとめとして書きたいと思います。

1日目

深センの旅を時系列順に振り返ってみます。
初日は日本から香港を経由して移動電気街HQBへ移動しました。
僕は国外は久しぶりだったので、少し不安だったのですが、新幹線や地下鉄、バス、そして街の雰囲気などは日本とほぼ変わりなく、驚いたのを覚えています。
香港では英語が通じたのですが、深センではほとんど英語が通じず、困りました。
圧倒的にアルファベットが少なく、お店のメニューを見ても全く想像がつきません。
この日の夜に1人で夜ご飯を注文したのですが、写真を見ても材料がわからず、特にオプションの有無など全くコミュニケーションが取れなくて困りました。
しかし、スマホの翻訳機能などを使ってなんとかしました。
以前どこかで「インターネットがあれば僕らはどこへでも行ける」という話を聞いたのを思い出し、実感しました。

僕が最初に目にした深センの光景。
思っていたよりも日本に近かったです。
宿へ向かう道での風景

2日目

2日目はM5stackを見学しました。
「スタートアップ」というとどうしてもアメリカや日本のイメージが僕の中で先行していたので、それ以外の国のスタートアップを見るのはとても刺激になりました。
たとえ言語や国が違っても、「誰かの課題を解決したい」「役にたちたい」「一発成功したい」そういう思いは共通なのだと感じました。
実際今回はツアーの参加者の方々はM5stackを使って作ったものを持っていったのですが、そのときに見た社長さんの嬉しそうな顔がとても印象的です。
自分が作ったプロダクトを使ってもらえるスタートアップ、その幸せが伝わってきました。
午後は茂田さんに案内していただいて、電気街を回りました。
昨日1人で散策したのは電気街の一部だったことに驚愕しました。
本当にものすごい数の商店がありました。
ここで気づいたのは、子どもを連れて来てる商人が多かったのと、お昼ご飯をお店のカウンターや店内でそのまま食べている商人が多いことでした。
ここは日本と違うのだなと感じました。
茂田さんのお話で、これだけたくさんのお店がやっていけるのは不思議であることと、深センでは廃りが早いということを聞きました。
藤岡さんの本の中で「中国人は合理的だ」という内容がありましたが、こういうお店の流行りなどでもそういう合理性が出ているのだと思いました。
終わってから僕はDJIの旗艦店へ向かいました。
DJIの旗艦店はOCTハーバーという公園の中にあったのですが、ここはすごくキラキラした公園で、日本では味わえない雰囲気を楽しめました。
僕が少し前に想像していた中国とは思えない光景でした。

HQBの街。遠くには自然が見えます。
OCT HARBOUR

3日目

3日目LEDを作っているworldsemiを見学させてもらいました。
午前中に会社や製品のことを説明していただいたあと、お昼に食べ物をご馳走になるという中国式の歓迎を受けました。
個人的に面白かったのは、worldsemiの説明ももちろんですが、ツアー参加者の方の解説が面白かったです。
ツアー参加者の方々にもこの分野の専門家の方々が多数おり、その方の解説を聞くと製品のことをもっとよく知ることができました。
worldsemiのあとは、elecrewという会社へ行きました。
ここは自分で設計した基盤を作ってくれる会社です。
僕は今回初めて自分で基盤を設計しました。
そして本来はそれを日本に送ってもらうのですが、今回のツアーではそれを現地で受け取りました。
その簡単さに驚きました。
elecrewを使えば、日本にいながらでも工場がなくても基盤を作ることができます。
実際に使ってみるまではそのイメージがついていなかったのですが、実際に自分で設計して受け取ると、そのすごさを感じました。
そしてその時、M5stackやworldsemiに関しても、何か作っていけばよかったなと反省しました。
worldsemiの会場で隣になった方が「どんなに簡単なものでも作るのと作らないのではえらい違い」とおっしゃっていたのですが、このときに本当にそうだと感じました。
M5stackとLEDは「時間がない」と言い訳してしまったのですが、elecrewに関してはやってみて本当に良かったですし、次からは時間がないなりにどんな単純なものでも作るようにしようと思いました。

worldsemiの説明会を聞かせていただきました。
ELECREW

4日目

4日目はJENESISにてインターンをさせていただきました。
僕が本で読んだ藤岡さんの現場を体験させていただけるということで、とても楽しみでしたが、「本気で現場を知れるインターン」と覚悟していたので少し不安もありました。
実際に僕が体験させてもらったのは、「ポケトーク」という製品を箱詰めする作業です。
ここでは、僕は一緒に働いた女工たちの力を目の当たりにします。
日本で使っているだけでは知ることができない生産の現場を知れました。やってみて本当に良かったです。
僕も日本でスマホケースや電子機器をよく購入します。
しかし、それはほとんど機械で作っているのだと勝手に誤解していました。
実際は人がシール貼りや箱詰めなどを人力でやっていたのです。
どんなに優れた電子機器でも、その裏には人がいるんだなと思いました。
休憩をはさみながらですが、夜22時頃までひらすらに同じ作業を繰り返します。
1日のノルマを伝えられるわけでもないのですが、周りの女工さんたちは一生懸命に仕事をこなしていました。
「彼女たちは何者で、どうしてここまで毎日働けるのだろう?」そう疑問に思いました。
僕はこんな単純作業をしたことがなかったのでなかなか大変でした。
彼女たちはこれをほぼ毎日やっていると思うと、本当にすごいと思いました。
JENESISの現場の力、生産力に脱帽しました。

インターンしたJENESISの工場

5日目

5日目午前中は深センの東にある老害へ行ってみました。
昨日までの工場や電気街とは変わって、繁華街でした。
そこには僕らが日本で目にするような外資ブランドやデパートが並んでいました。
同じ深センの街ですが、地区を移動するとこんなに多様なスポットがあるのに驚きました。
歩いている女性を見ても、昨日の女工たちとは雰囲気が違いました。
昨日は働いている姿しか見ていないのでもしかしたら休日は違うのかもしれませんが、老害を歩いている女性は身につけているものも高そうなものが多く、メイクもしっかりしていました。
そして、老害では駅でホームレスの男性からお金を乞われるという経験をし、これほどたくさんの人たちを「中国人」、そして「深セン」とパッケージ化して考えることに無理があると感じました。
午後からは高須さんの案内で深セン博物館へ行きました。
深センの歴史を見ながら、「深センの何がどうすごいのか」その疑問が解消されました。
僕は旅行で観光というと観光スポットしか行かなかったのですが、今回深セン博物館に行って、外国の歴史をその国の内側から知る楽しさを感じ、良いものだと思いました。
深セン発展の鍵はタイミングにあったのだろうと思います。
革命の影響で困窮していた地区を特区に指定し、国が力を挙げて深センにリソースを投下しているころにインターネットの普及やスマホが普及が重なり、たった数年でここまで発展したようです。
博物館のあとは書店に行きました。
以前にも秋田先生から話は聞いていたのですが、実際に行ってみると、たくさんの人が書店で立ち読み(実際は床に座り込んで読んでいました)をしていました。
高須さんの「勉強は裏切らない」という言葉が印象的でした。
僕も彼らに負けないよう、勉強しなければ、そう思いました。
夜には早稲田ビジネススクールの牧先生のゼミと合同で北京ダックをいただきました。

短期間での成長に驚きました。
書店


6日目


6日目BYDへ行きました。
BYDでは日本語でとても丁寧に案内してもらいました。
とても上手な日本語にも驚きましたが、それと同時にきっと日本の顧客がたくさんいるのだろうと感じました。
エンジンなどのことは正直専門でないので、詳しい話はわかりませんでした。
しかし、ここでは初めて電気自動車を運転させてもらいました。
その静かさに驚きました。

それからash cloudへ行きました。
ash cloudはスマホケースなどを製造している大規模な工場でした。
鋳型の製造から箱詰め、配送までを一括で管理していたのですが、驚いたのはその管理のシステムです。

QRコードを使うことで生産状況や次に製造するべき製品、進捗などを自動で管理していました。
「スマートファクトリー」ともいうべきそのシステムはとても合理的でしたが、個人的な所見としては、コンピュータシステムによって「人」という労働力が分散されている様子は少し怖くもありました。

そしてその後にJENESISのオープンデーに参加させていただきました。
藤岡さんとお会いすることができたので、先日感じた女工さんに関する疑問を質問してみると、
「彼女たちは出稼ぎに来ている女性たちで、親御さんたちに仕送りをしたり、JENESISは福利厚生や対応を良くしているので頑張ってくれている」
という回答をしていただきました。
この労働形態は日本にいては目にすることのない形だったので、とても納得するとともに勉強になりました。

試乗した電気自動車
ASH CLOUD

最終日

最終日は再び電気街に行き買い物をしました。
そして日本に帰ってきました。

ごちゃまぜの街、深セン

このような日程の中で僕がずっと感じていたのはやはり「ごちゃまぜ感」でした。
最初に感じたのは初日に入った食堂での盛り付けでした。
そのお店ではレーンに沿って、欲しいものを注文する形でした。
日本では、食べ物の種類ごとに盛り付けをします。
でも、このお店ではそうではなく、山のように盛り付けられました。

このことを考えていると、思えば深センではいろいろなところにごちゃまぜがあります。

観光スポット、繁華街、電気街、工場、あらゆるものが深センの中にはありました。

その街ごとに、日本よりもすごいような光景もあれば、日本でいう昭和のような雰囲気がある光景もありました。
街を見ると、車、徒歩、自転車に加えてバイクやセグウェイのような乗り物など色々な乗り物が混在しています。
それだけでなく、自転車はIoT技術で相乗り化されており、タクシーはスマホで呼びます。

屋台やストリート・パフォーマンスといった昔ながらの光景ですが、その決済歩法は電子マネー。

工場のなかでも、女工さんという日本ではもうあまり見ない職業の人がいるかと思えば、彼女たちは土日はスマホでYoutubeを見ます。
また、同じ工場でも、実は生産の管理はシステムで行われていたりすることもありました。

このように、一見昔のように見えるものと新しい技術がしっかり結びついてるのはとても興味深いと思いました。
そのごちゃまぜは深センの発展のなかで生まれた必須なものであり、イノベーションの土壌を作っているではないかと個人的には予想しています。

この街の今後がとても気になりました。
そして、この街がとても好きになりました。

最後に

最後に、今回のツアーでは本当に多くの学び・体験をすることができました。

様々な手続きをしていただいた秋田先生を始め、ツアーを企画していただいた茂田さん、高須さん、インターンを受け入れていただいた藤岡さん、中国の企業の方々、そしてツアー参加者の方々に心から御礼を述べたいと思います。

本当にありがとうございました。

深圳訪問2019

こんにちは、B4の森屋です。2/27~3/5の深圳訪問について報告をしたいと思います。

まず始めに、今回の深圳訪問において、企業訪問企画を立てて案内してくださった茂田さん、秋田先生に深く感謝申し上げます。さらに、ツアーで私たちの訪問を快く受け入れてくださったM5Stack、Worldsemi、Elecrow、JENESIS、zGlueの企業の皆様に深く感謝申し上げます。また、ツアー参加者の皆様には様々なお話や経験談、就職や転職に関するアドバイス等を頂きました。ここに感謝申し上げます。

ということで中国の深圳に一週間ほど滞在して、様々な企業を見学してきました。

2/27の早朝に日本を発ち、昼頃に香港に着きました。この時点で、リュックの紐が切れて壊れたり、クレカの不具合でお金がおろせなくて手持ちの2万円弱で生活する羽目になったり(その後Zouさんに1万円くらい借金した模様)、飛行機の中で貧血になったりしました…うーん前途多難…。

香港国際空港からはバスと電車を乗り継いで深圳の華強路に到着しました。ちなみに帰りは新幹線で移動しましたが、行きと帰りで違うルートを使っているのに同じカードを使って移動できるのは楽でいいと思いました。オクトパスは有能。

お昼ごはんのマクドナルドでは初めてQR決済で支払いを行いました。深圳では、全ての店でWeChatPayやAlipayのQR決済で会計ができます(現金支払いも一応できましたが若干嫌な顔をされます)。QR決済を日常的に利用するため、また若者が多いこともあってか、至るところで人々がスマホを持っている姿を見かけました。

華強北の電気街の様子。料理の配達バイクが走っていたり、道で子供が遊んでいたりおもちゃ屋の人がドローンを飛ばしていたりした 。それくらい通りが広い。

午後4時から茂田さんによる華強北の電気街ツアーに同行し、広大な電気街の概要を教えてもらいました。ここには電子部品や機器がたくさん詰まっているビルが何ブロックも建ち並んでいて、電子部品が百、千、万の単位で取引されていました。しかし僕たちはそこまでの単位で買えないので、売り手側にはあまり稼ぎにならないのですが1個~10個程度で取引を行ってもらいました。トグルスイッチのように0.2元程度のあまりに安い部品だと『1個くらいタダでくれてやる』と言われたりして(決して自分から値切ったわけではない)、たくさん買えなくて申し訳ないなと思いながらそのお店を後にしました。

ちなみに帰国後、比較のため秋葉原にも行ってみましたが、明らかに規模が小さくて、店の清潔さや商品の精度(詳しくは調べてないがパチモン率は低そう?)くらいしか勝るところがないと感じました。やはり二次元グッズのお店のほうが隆盛しているのか…。

ちなみに今回僕はairbnbの宿に6人(男4女2)で宿泊しました。この宿泊方法のメリットは、宿泊費がホテルより安くなるということです。しかし今回の宿は華強路からかなり離れていたため毎日赤湾~華強路(片道1時間で約6元)を往復せねばならず、移動費は安いためあまり問題ありませんでしたが往復2時間を取られてしまうのが思ったよりも大きなデメリットとなりました。次にairbnbを利用する場合は距離をもっと考慮しようと思います。

2/28からは茂田さんの企業訪問に参加し、M5StackやWorldsemi、Elecrow、JENESISを見学しました。また、別件でzGlueも見学しました。

日本人の見学者は見学後にあまり成果を残そうとしないため(帰国後会社で軽く発表して終わりで、新しいビジネスに繋げたりしない)、深圳の企業としてはせっかく時間を割いた意味がないということで大概の企業は日本人の見学に積極的ではないようですが、今回は茂田さんの人脈力により見学できました。実際日本人は腰が重たくて、新しいものより古いものに固執するところがあるので、すぐに実践に移す行動力を身に着けたいと思いました。

また、どの企業も自分だけのニーズを持って製品を作っており、そして自身の進化すべき方向もしっかりと見つめていました。もうすぐ就職活動する身としては、自分の売りと成長すべき方向を考えるということを彼らから見倣うべきだと感じました。 また、HAXのように新企業が育つ土台がちゃんとあるのが深圳の発展性の秘密なのかなと思いました。

WorldsemiでのフルカラーLEDの製造の様子。画像下部の青い円状の皿に微小な制御用ICやLEDが載っていて(左側の皿には載っているが右側のは既に空になっている)、アームが高速に動いて部品を皿から取ってセットしている。画像右上のスクリーンにより、部品の配置が正しいかチェックしている。
Elecrowにて、注文された基板の型を現地受け取りしたかった…けどクレカの不具合(?)で出来なかった…残念。再トライします
Elecrow訪問後に最寄り駅の地下で夕食(確か13元くらい)。
各席に付いているコードを読み取るとメニューが表示され、スマホで注文して決済した後にごはんが運ばれてくる仕組み。人件費も削減できるし、メニューの聞き取りミスも減るのでとても効率が良い。
日本でもこの仕組みは広まってほしいところですが、現状だとタブレット端末を席に設置している程度で、少なくとも自分のスマホを使う店はあまり見ないですね…。スマホを持たない高齢者が多いことを考えると普及はやっぱりキツイのか…。

ビール会では今回のツアー参加者の皆さんと飲んだり食べたりしながらお話を伺うことができました(自分はビール苦手だったのでクランベリーのお酒を飲んでいましたが…)。

自分は卒論でVR酔いについて書いたのですが、ビール会にたまたま車酔いの研究をしていた方がいて、これだけ人が集まれば何かしらご縁があるものだなと感じました。自分はアンケートによる主観評価でVR酔いを評価しましたが、その方はバイタルを測ったそうで、やはり企業案件だと客観的な評価をメインに据えたほうが良いのかなと思いました。あとやっぱりゲ○吐くまで酔わせないとダメですかね…(被験者のほうを見ながら)

ビール会の会場が近かったので世界之窓に寄ってみました(なお入場料が高くて外側だけ写真を撮って終わった模様)。
ビール会の様子。こんなピカピカしているのは多分彼らが集まっている日だけ。

ビール会では、以前Twitterでバズっていた、一見するとカセットテープだが実はWi-Fiで音楽をストリーミングして、音を磁気として再生機に流すデバイスの作成者さんに会えました。本物を目の前で見て音も聞けたのは感動でした…。ちなみにその方は2度の転職を経験されていて(ネガティブな理由でもポジティブな理由でも)、もしも自分が同じ状況に置かれたら…というときの参考になりました(そもそもネガティブな理由で転職するような事案にならないのが一番ですが…)。

北京ダックと火鍋。
深圳のごはんは基本的に安くて量もあり、とても美味しかったです。
スパイシーな味付けが好まれているのか、唐辛子がよく見られたし炒飯やチキンなどにかけられる胡椒も多かったように感じました。
また素人の感想ですが、中国南部であるため食材の保存性のためか、それとも単に香り付けを意識してなのか、独特な味や香りのするハーブか何かが入っていたように感じました。
レストランなんかだとものすごくたくさんの料理が出てくるので食べきれなくて勿体なく感じるほどでしたが、これは中国では『料理が余るほどたくさん食べて満足してもらう』ことの意思表示であるとのこと(Danさん談)。

今回の旅では、すぐ行動に移すことの大事さ『深圳速度』を学びました。また、海外にて一人で行動することで、自主的に行動することへの自信もついた気がします(自信つきすぎて帰国後東京を2日間くらい観光してしまったくらい)。今回の旅に参加できて本当に良かったです。 さて、基板を注文したりM5StackでLEDを制御したりしますかね…。

深圳訪問

こんにちは。M2の吉村です。

2019/2/27~3/5の間深圳にいきました。今回で2回目となる深圳訪問で、前回はメイカーフェアがメインでしたが今回は企業訪問等がメインの訪問でありとても楽しみでした。


今回は香港から深圳まで新幹線でいきました。香港空港から九龍駅までいき西九龍駅で新幹線に乗り深圳の福田駅で降りるルートです。オクトパスは便利でした。僕は帰りも同じルートで帰りました。

深圳では茂田さんという方が企画された企業訪問に参加しました。訪問した企業はM5Stack、Worldsemi(研究でお世話になった)、Elecrow(これまた研究でお世話になった)、BYD、JENESIS(1日インターンでお世話になった)です。企業の詳細は省きますが、これらの企業への訪問のアポをとって頂いた茂田さんや秋田先生には本当に感謝しています。

今回の深圳訪問を通して感じたことは、深圳にいる人々は学ぼうとする欲がとても大きいと感じました。深圳にいる人々はもちろん、今回の企業訪問の参加者の方もそうであり、Worldsemiの説明ではディスカッションがあり大学の講義を聞いているみたいな感じでした。高須さんの博物館ツアーの説明で昔の深圳は必死に働けば死なないというということがあり、そのハングリー精神が今まで続き学ぼうとする意識につながっているのではないかと思いました。自分自信は最近新しいことを学ぼうとする意識が低くなっていると感じていたので、これを機に積極的に色々なことに挑戦していきたいです。今回の深圳訪問で自分はものづくりが好きだと改めてわかったため、小さなものから何か作りたいと思います。今回の深圳訪問では金沢大組から参加できない人もいたので、次の深圳訪問があるのであれば、ぜひ参加していってほしいと思います。実際に深圳に行くことで自分の肌で深圳の勢いを感じることができ、色々な知見をもった人に会うことができるからです。(メイカーズのエコシステムハードウェアハッカーハードウェアのシリコンバレー深センに学ぶといった本を行く前に読むとより面白いと思います。)

深圳1日目のご飯です。深圳のご飯は安くて美味しいです。(チャーハンは美味しいのでオススメです。)これで20元くらいだったはず
Worldsemiの天井です。LEDがオシャレでした。
自分で設計発注した基板を現地pickupしました。
JENESISインターン中にみた獅子舞。インターン中の写真はありませんが、インターンではライン作業に参加させていただきました。ライン作業では基板へのシール貼りを作業していましたが、1日中作業しているととてもハードで大変でした。インターン中にライン作業の工程では女性の作業員の方がほとんどでした。(20~30人で男1人)後の会社見学で細かい作業等は女性の方が向いていると説明がありなるほどと思いました。会社説明で社長の藤岡さんから作業員の確保が大変であり、作業員の賃金を他社よりあげたり福利厚生をよくしたりと苦労されていました。自分が将来会社を経営する立場になった時の参考になりました。また、ハードウェアハッカーにも書いてありましたが、順番でわかりやすくテストできるようすることが大切だと感じました。1日中作業していると精神的にも肉体的にも疲労するので、疲労している状態でもミスをしないようにわかりやすいテストを行えるような設計をすることが重要だと思います。
本屋では多くの人々が座って本を読んでいました。専門書のコーナでも多くの人々が本を読んでいてよれよれの本もいくつもあり、ここでも学ぼうという姿勢がひしひしと感じれれました。
火鍋を食べました。辛かったですが美味しかったです。普段の生活では出会えないような人と出会うことができたので深圳訪問に参加して本当に良かったと思います。(この火鍋はご馳走になりました・・・本当にありがとうございます!!)

今回の深圳訪問のアポや予定を立てて頂いた茂田さんや秋田先生、インターン先でお世話になった藤岡さん、深圳訪問の参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

ゼミ合宿2017

こんにちは、秋田です。ここ数年やっていなかったゼミ合宿を、今年は9/20-21に一泊二日で、羽咋・志賀方面でやってきました。

1日目の昼間は、主にこれから卒研が本格化する4年生の研究テーマやその背景について、まじめに議論をしていました。

その後はBBQ。

続いて、ゼミ(夜の部)へ。今年はみんな各自、自分の持ちネタ(こだわりの話)を披露してもらいました。こっちのほうが白熱したんじゃないかという気がするのはおいておいて、普段みられない、みんなの意外な側面がみられた気がします。

2日目は、近くにあるアリス館(志賀原発の広報資料館)で、変わった自転車に乗ったり。

羽咋といえば、とコスモアイル羽咋へ行ったり。(今日もサンダー君は不在でした)

幹事の柳澤君他みなさん、おつかれさまでした。もうすぐ後期、気合を入れて研究をがんばりましょう。

(秋田)

マイコンペ2017

こんにちは,秋田です。

マイコンブ恒例(?)のマイコンペ,今年も2017/7/8〜9に金沢駅地下で開催されたNT金沢で展示してきました。

マイコンペは,学生さんの勉強と練習を兼ねて,まず作りたいもののアイディア出しからはじめて,それを実装したものの展示&投票のコンペです。今年も7点の作品が集まりました。今年は,アイディア出しの段階を長めにとったからか,見ていただいた方,特に過去のマイコンペをみたことがある方から,「よく考えてあるね」というコメントをいただけました。

マイコンペをはじめたOBも見に来てくれました。

投票の結果は,追いコンのときに表彰したいと思います。

(秋田)

AVIC2016@ボストン

こんにちは。M2の山村聡史です。AVIC2016_2

8月24日から26日にアメリカのボストンにてAVIC2016があり、秋田先生とともに発表者として参加してきました。

学会での英語のオーラル発表は初めてな事や、台風による飛行機の影響等不安もありましたが、初めてのアメリカという事で出発前から非常に楽しみな学会でした。

 

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