こんにちは、M2の大河 です。2021/12/15-17でビックサイトにて開催された国内最大の半導体関連の展示イベント、SEMICON JAPAN にアカデミアで出展してきました! インタフェースデバイス研究室初のSEMICON展示、ブースに立ち寄って興味深く私の説明を聞いてくださった方々に感謝致します。その説明内容をここでも紹介し、いただいた貴重なご質問・ご意見から考えたことを含めて、振り返ってみたいと思います!書きたいことがいろいろあってかなり長くなると思うので、目次を作って書いてみました(^^)
<目次> 1. SEMICONへのifDLの初出展(3日間 1人で担当!) 1.1. 展示内容の概要 1.2. 多かった質問・意見 1.3. 今後やる必要があること・考えたこと・ネクストアクション! 2. 展示を通して感じたこと ~個人的な感想を含めて~ 3. おまけ:横河ソリューションサービス様 横河ミニマルアプリケーションラボの見学 4. 最後に
1.1. 展示内容の概要
主に2つのテーマで展示しました。ポスターはこのブログ記事 に貼っています。 ①「 仮想的なPDKによる設計手法と実践 」 ②「 オープンソースなLSI開発はできるか? 」
① 「 仮想的なPDKによる設計手法と実践 」 この研究は、共同研究で現在行っているものです。この中で実際にチップを試作したりして、とてもやりがいを感じているところです。 ざっくり一言でいうと、現在の一般的な半導体チップの開発・供給体制が抱える問題を、現場の視点からみてその構造を変えようという感じでしょうか。
一般的なLSI設計は、半導体製造工場と契約したのちに工場から提供されるPDKをもとに設計を始めますが、NDA(秘密保持契約)などにより、設計の過程・成果物にさまざまな制約を受けます。これにより良くない問題のみが発生するということではないですが、その構造が、商品単位で見たときに「そこでしか設計ができない」、「その工場でしか製造できない」といった「エンジニアリングチェーンの固定化」が起きてしまっています。 例えば、製造工場に何らかの問題が起きて、製造ができなくなってしまったとき、市場へは供給を続けないといけないので代替の工場を探します。しかし、近年は製造プロセスが細分化していき、特定用途に特化した性能の高い回路が製造できる一方で、設計ルールが異なるなどして設計を終えたデータが非互換になっているため、同じ設計データのままだいたいの工場で製造ができないなどの問題が発生する可能性があります。すると、スムーズに工場を切り替えることができません。 この共同研究は、それをできるような仕組みから作ろうというものです。また、そのような構造になっているがために起きるいくつかの問題の解決への取り組みも含まれています。
この共同研究の中で金沢大学は、ファブから提供されるPDKではなく、仮想的なPDKである”vPDK”を作っています。回路設計者はvPDKをターゲットに設計し、設計を終えた設計データを実際に既存のファブなどで製造できる設計データに変換するという手法をとっています。設計データを一度抽象化し、変換処理の内容を変更することで製造するファブ・プロセスの変更に対応します。
実際にこの設計フローでいくつかの回路を設計し、複数のファブで試作を行いました。試作したすべてのチップに載っているのが、大河が設計した簡単なオペアンプです。今回の展示ではそのチップの実物なども展示しました。
現時点で製造済みの2チップの展示。中央に2mm角のチップがあります。アクリル板をレーザーカットして作りました!
②「 オープンソースなLSI開発はできるか? 」
とりあえず、答えは”Yes”です笑 この研究は、私が行っている研究を紹介しているものです。ですが、もともとは私が始めたものではありません。
「LSIを自分で作ってみたい!」と思って、①の共同研究先の企業さんへインターンに行き、そこから半導体にだんだんと興味を持つようになりました。また、就職か進学か迷っていて、当時の高専の先生に相談したところ、金沢大学の秋田先生を紹介していただいて、その方がMakeLSI: をやっているとも教えてもらいました。結局、進学することにし、秋田先生のご指導の下、2020年の相乗り試作では初めて実際にチップを設計し、DACなんかはすごくきれいに波形が出たので、「こんな感じでできるのか!」ということが、そこで分かりました(ポスター2枚目左下の波形)。その後は設計環境を作る側になり 、研究としても、MakeLSI:のメンバとしても、プログラム書いたり、回路シンボルつくったり、回路設計したり、計測したり、いろいろやっています。
今はもう、オープンソースの設計ツールはたくさんありますが、私はKiCadとKLayoutに注目しています。これらを使うとLSIの最低限の設計フローができるのです。
2020年の相乗り試作で作ったチップはKLayoutのみを使って設計していました。そして今年の3月には 、MakeLSI:のScrapboxのページにこれらのツールを使ったインバータの設計のチュートリアル をまとめてみました。 共同研究の中で初めてオペアンプを設計したのですが 、基本的にそのチュートリアルに書いた方法で設計しています。
「オープンソース」と聞くと、日本ではなかなかそういった文化がなかったからか、「そんなもの大丈夫なのか?」と思われがちです。実際、自分も作る側に回るまでは同じ印象を持っていました。しかし、高専4年の時の東京研修旅行で買ったArduinoをきっかけに、オープンソースに触れて無意識になんとなく雰囲気は分かってきました(分かった気がしているだけかも…) 一番私が共感できることは、「作りたいと思った人が関わることができる、もっとこうしたら使いやすい、公開されている”これ”を使ったらすぐにとりあえず試せる」というようなことでしょうか。ソフトウェアなどはその文化が一般的にもなり、 オープンソースのソフトウェアの広がりの中で、LSIの設計ツールも登場するようになりました。とりあえず、それを使えばLSI設計ができます。
研究開発はビジネスにうまく落とし込まなければ、意味がないというような意見を持つ方もいます。すべてがそうでなければならないとは思わないので、十割肯定はできませんが、それを考える必要はあると思います。果たしてオープンソースのLSI開発(=ハードウェア開発)がビジネスの視点で見た時に、どう使っていけばいいのか、リスクは無いのか、果たして成り立つのか、というのには私も興味があります。というか、それを私の来年度以降の研究テーマにしようと考えているところです。
となると、ターゲットは今の時点から明確にしておくべきだと思っています。 ムーアの法則にならうように半導体は微細化が進み、回路は大規模化・複雑化してきました。最先端プロセスを使うほど、高性能な回路は実現できます。それを設計する工程では、製造後の品質を設計段階で保証するために商用設計ツールも大規模になり、ライセンス料が非常に高額になっています。製造の初期コストも非常に高いですが、設計もそれなりにコストをかけないとLSI設計ができません。規模感としては全体のコストの単位が~兆円くらいだと思います。現在、それが成り立っているのは大量販売(“大量生産”ではない)ができているからであって、それを見込めない用途にはまず使いません。そのため、根本的に最先端領域の多品種少量生産は成り立たないと考えています。可能性のある手段として、最近はMPW(Multi Project Wafer)などをよく聞くようになってきました。話がお金の方に行きましたが、技術の方に話を戻して、テクノロジノードが “~nm(ナノメートル)” とかニュースとかではよく聞きますが、そのレベルまで来て、今でさえ性能が「前モデルの1.5倍になりました」というような製品を出ているのにはとてもすごいと思うばかりです。(ちなみに半導体の主な材料はシリコンですが、シリコン原子の半径は約0.11nmです。「原子が何個並ぶか」数えられるくらい、それだけ小さいものを作れているというが本当にすごいことだと感じています。)
先端プロセスは先端プロセスで、微細化すれば性能はこれからも向上すると思います(そろそろ限界がきて、新材料にも注目が集まりつつあります)。それの設計はやはり商用設計ツールでなければ、現状は対応できないでしょう。あと、個人が手が出せるものでもないです。なので、オープンソースのツールで作るLSIはもっと古いテクノロジノードをターゲットにすべきだと思っています。否定するわけではなく、用途によってもっと柔軟に選べるようになれば良いと思っています(もしかしたら大金を持っている人がオープンソースツールで設計したチップを先端プロセスで製造するかもしれませんし笑)。
古いプロセスだからと言って、全く使えないわけではありません。例えば、アナログ回路は微細なテクノロジノードを使えば必ず性能が上がるというわけではありません。微細なプロセスになれば、必要とする電流も少ないので、全体を見るとそれが消費電力に直結します。先端プロセスほど、トランジスタが動く必要な電圧も低くなり、さらに消費電力は小さくなります。しかし、アナログ回路は基本的に電流を計算して設計するので、それが小さいと非常に設計しにくいです。専門の方が相当なテクニックを使って設計すれば、性能が高い回路を設計できるかもしれません。LSI設計が一通りできる人でも、かなりハードルが高いです。そのため、アナログ回路はあえて古いプロセスを使うこともしばしばあります。トランジスタの構造も先端プロセスは今や3次元ですが、比較的古いプロセスは2次元で設計できます。さらに、例えば製造上は0.5um単位で加工できる製造プロセスを使う場合にも、あえてその2~3倍のサイズで設計したりします。すると、相対的に製造のバラツキ(=出来上がったチップごとの性能のバラツキ)が小さくなるのです。 そのため、アナログ回路や、アナログとそれほど規模でないデジタル回路なら一緒にしてしまって、センサ周辺の回路をLSIで作って自前で設計すると総合的に性能を高くできたり、現実的なコストで開発出来たりすることもあるかもしれません。小規模なマイコン(デジタル回路)程度なら、古いプロセスを使ったものは今でもあります。このような領域を狙えるのではないかと考えています。
目指すのは「作りたい人が自分で作れる」です。オープンソースの設計ソフトウェアで設計環境を容易に整えることができるようにし、製造は既存プロセスのシャトルサービス(相乗り製造)やミニマルファブを使うと良いかもしれません。それを今回、部分的に試すことも出来ました。これらを社会に組み込む(=当たり前にする)ために、オープンソース指向のLSI開発の方向性を示して、LSI開発の敷居を下げることができたら良いなと思っています。それが、これまでなかったような回路・製品・サービスに繋がり、市場の幅を広げたり、新しい市場を作ったりしないかなと考えています。
1.2. 多かった質問・意見
1.「オープンソースなLSI開発は教育とかには非常に良さそう」 この意見が今回最も多かったです。以前からもこのご意見はあって、確かに、チュートリアルを作っているので、それがそのまま教材にもなると思います。 最近、日本政府も本格的に半導体の製造強化に力を入れようとしていますが、同時に設計ができる人も増やす必要もあるかもしれません。まだ、大々的にこういった取り組みを行ってはいませんが、例えばMakeLSI:のメンバのように、興味を持って自分から飛び込んだ方はすでに作ったチュートリアルをみて試していただいたようでした。なかなか半導体は奥が深いので、興味がないと単発で終わってしまいそうです。その部分も考える必要があるのではないかと思います。
2.「ビジネスとか企業の中で実際の業務でオープンソースなツールを使ってやるということ自体がまだ具体的に見えない」 やはり、言われてしまいました。確かに私もそう思います。しかし、前述のようにその部分をもっと明確にできるようにするのが、私の来年度以降の研究テーマでもあります。 このことが、オープンソースのツールを使うことに対する抵抗感に繋がり、リスクを感じるんだと思います。それを無くすため、具体例を示すことはある程度有効です。「ある程度」と書いたのは、事例を作るだけなら簡単ですが、やるなら良い実績を事例にしたいです。そのために、有意義なことをどんどん取り組んでいきたいと思っています。今回の出展で様々なお話をさせていただきました。後述の”1.3.”にも書きますが、この辺りは常に考えて、いろいろ挑戦してみたいです。
3. 「英語版のチュートリアルも欲しい!」 「この方法をたくさんの人に知ってほしい・試してほしい」と思っていますが、確かに、そう思うのなら英語版も作るべきですね。チュートリアルを書き終えた後、何度か思っていました。 ただ1つ致命的な問題があって、個人的な話で恐縮なのですが、私は英語がまだ使いこなせていないのです… これから英語で学会発表する機会もあるので、一応、1年と少し前からまた勉強を始めています。いずれ書こうと思いますので、しばらくお待ちください。もし英訳してくれる方がいらっしゃったら、ぜひ協力していただけると嬉しいです。チュートリアル自体が書いてからもうすぐ1年経ち、方法を改善したことがあったり、ソフトのバージョンが上がって手順が変わった部分があったりするので、それを反映する作業もあります…
1.3. 今後やる必要があること・考えたこと・ネクストアクション!
・やっぱり、リスクが怖い 事例等がもっと欲しいですね。オープンソースは大まかな目標はあると思いますが、明確な目標はないように思えます。その時のトレンドの影響、開発メンバ、資金によって大きく変わります。改善とともに実践して、実績を少しずつ積み重ねて、それを見た人が「これは使える!」とまずは思わせなければ何も始まりません。それまでは他人事です。実績があまりない状態では、興味を持った一部の人々の間で実績を何とか作り出そうとしなければいけません。 開発を続けることが難しくなって、開発が停滞、最悪はいつの間にかストップしてしまいます。 事例も単に作るだけじゃなくて、やっぱり企業の方も巻き込んでやった方がより有意義な成果が出ると思っています。そのために、やはり共同研究をやったり、現場でどんなことに困っているか、何が疑問点なのかをヒアリングしたりして、それを解決するために一緒に動き出せればベストです。
・教育に展開? 子供たちに対して、これをさせるのは面白いことだと思います。ただ、現状そこまで手が回っていません。 プログラミングが小学校のカリキュラムで必修になりました。一番の目的は世の中の物の仕組み・中身を理解することだと思いますが、「自分たちで作る」というマインドも少しでも良いと思うので必要だと思います。今やプログラミングは研究者や技術者なら分野関係なく触る機会が多いです。一方で、LSI設計は電気・電子工学系の技術者でもあまり縁が無いものだと思います。まだ今がそうなっているだけで、MakeLSI:でも掲げられている「LSI開発の民主化」が進めば、プログラムを実行するのはコンピュータで、コンピュータは半導体でできているといって過言ではないので、システム全体を眺めたうえでハードに実装されている半導体の中身を理解することは十分に意味があると思います。
「現状そこまで手が回っていません。」 →と書きましたが、もし、動いてくれる方がいらっしゃったらやってください!相談の上、お手伝いもします。
・1つだけでも製品を作ってみるべきか?(設計した回路の商品化?) 多分ですが、いま日本で自作LSIを販売している人はいないと思います。設計と試作をやって、評価までやることは多いと思いますが、それを販売まですると、何か分かるかもしれません。 販売まですることを考えると、普通は利益を求めたいので「どんなものに需要があるか」くらいは調べて、どんなものを作るかを考えると思います。実際にやってみたらどうなるのか、現在は設計は出来ても製造費用が高いのでなかなかできないですが、少しやってみたいところです。
今回お話しさせていただいた方から、すでに面白そうな企画を提案していただき、動き始めたものもあります。まだ始まったばかりなので、詳細は書きません。来年度以降の本格的な研究に向けて、ここまでに書いたことも含めてできることは準備しておきたいと思います。
2. 展示を通して感じたこと ~個人的な感想も含めて~
もともと今回のセミコンは、秋田先生からアカデミア無料出展の案内をもらったのがきっかけで、出展することを決めました。ビッグサイトは昨年のMaker Faire Tokyo 2020で行ったことがあって 、展示会の経験をしていたので”楽しみ”という気持ちの方が大きかったです。
<スケジュール> 計4泊5日の長期出張でした! 12/14(火):午前中移動、午後は横河ソリューションサービス様へ見学(詳細は3へ) 12/15(水):セミコン1日目 12/16(木):セミコン2日目 12/17(金):セミコン3日目 12/18(土):午前:ゆっくり休み、午後は東京をちょっと観光して帰路へ。 自宅についたのは22:00前で、金沢は雪が積もり、車道は常に水が出ているので雪はありませんでしたが、歩道は若干溶けた雪が凍っていました…
14日は見学のあと、ホテルはビックサイト周辺で結構距離がありましたが、途中に月島があることに気づきました。「もんじゃを久しぶりに食べたいなぁ…」と思い、夜ご飯は実に5年ぶりのもんじゃを食べた後、ホテルに向かって翌日からのセミコンに向けてゆっくり休みました。
15日、ついにセミコン当日。 ブースの設営の様子とか、会場の様子とかの写真を撮りたかったのですが、まさかの会場内撮影禁止。会場に来て初耳でした…
とりあえず、並べるものなどをカバンから出して、ポスターを貼ったりいろいろと準備している間に開場しました。
まわりのブースはやっぱり製造プロセス関連の研究室ばかり。 アウェー感を感じながら、どんな方が来るのかと楽しみにしていました。
で、先に結果を書きますが、ブースを訪れた方はちょうど想定していたくらいの人数で、暇すぎず、忙しすぎず、良い感じでした。名刺を準備する時間がなかったので、A4三つ折りのリーフレットの中にプロフィールなども含めて書いたものを作っておきました。1日目開始時点で38部。 1日目終了:リーフレット残り26部(-12) 2日目終了:リーフレット残り15部(-11) 3日目終了:リーフレット残り0部(-15)
すべてを説明すると、10~15分くらいかかっていたと思います。「話が長いな…」と思われた方はすみませんでした。しかしながら、興味深いご意見いただいたり、議論もさせてもらったり非常に面白かったです。ありがとうございました。
説明を終えるたびに手や展示物の消毒をして、感染対策には十分気を付けました。あと、声をからしたくなかったのでその都度水分補給。去年のMaker Faireでは2日間の展示で、2日目終わったころに若干声をからしてしまったので、学習しました笑
最終日、16:00ごろに来られた方を最後にリーフレットを配り終わり、17:00をもって無事に終了しました。改めて、ブースに立ち寄ってくださった方、ありがとうございました! またご縁がありましたら、引き続きご支援くださいますようお願い申し上げます。
↓ここから”3. おまけ”までははほとんど単なる感想です↓
説明しているとお腹って空かないんですね^^; お昼ご飯はビックサイト内にコンビニがあったりもしたので、おにぎりとかを事前に買っておいたのですが、食べないこともありました。食べなかったものはそのまま晩ご飯へ。開催中はホテルで毎日晩酌していました笑
会場内には「グローバル肉コン」なるものもあって、キッチンカーとともにいろいろな肉料理がありました。2日目にMakeLSI:メンバのりょうすさんが来られて、色々お話しした後、多分もう15時前くらいだったと思いますが、タンドリーチキンをごちそうになりました。お腹があまり空いていなくても、本場のものはおいしかったです笑
あと、せっかく東京まで来て、こんなにも出展者が集まっているところをいろいろ回るべきだと思って、開場前や閉場後、途中に休憩がてらほんの少し回ったこともありましたが、お話を聞くまではできませんでした。機会があればぜひ次回こそは… でも、やっぱり、会場の規模感はすごかったです。出展者も大変だと思いますが、見学側も話を聞きながら回るなら1日じゃ足りないと思います笑
3. おまけ:横河ソリューションサービス様 横河ミニマルアプリケーションラボの見学
ミニマルファブは金沢大学大学院に入学する前から知っていて興味を持っていました。そして、現在共同研究で自分の作った回路が何度か製造されているわけですが、実はそのミニマルファブの実物の装置を見たことがありませんでした。せっかく東京に行くし、新型コロナウイルスの新規感染者数も落ち着いている(このブログを書いている間に10日経ちましたが、今度は変異株が今増えつつあります。タイミングに恵まれていました…)ということで、ミニマルファブの見学を打診していました。すると、横河ソリューションサービス様と都合が合い、セミコンの前日14日の午後に行ってきました。
見学させていただいたのは、横河ミニマルアプリケーションラボと呼ばれるところです。ぜひ、「回路が試作されているところを!」と思っていて、あわよくば「自分の回路がまさに試作されているところを」とも思っていましたが、共同研究の中でミニマルファブ最後の試作はちょうど前週までで終わり、別件の回路が試作されていました。装置がたくさん並べられている部屋と、実際にそこで作業されている社員の方を生で見ることができ、また、丁寧にご説明くださって本当に楽しかったです。ありがとうございました。次来るときは、講習を受けた後自分でも作業してみたいですね笑
また、ラボが設置された経緯、在り方なども教えていただきました。共同研究を終えた後もおそらく機会はあると思っているので、何か面白いことをご一緒にやってみたいです。
4. 最後に
かなりの長文でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。今回のブログに関して、さらなるご意見・ご質問等ありましたら是非コメント or 大河までお気軽にメールしてください!大河は2022年度以降少なくともあと3年間、金沢大学で、さらなるオープンソースのLSI開発、オープンソースとの上手な向き合い方の言語化をしていきます。 私はこのような研究を始めたのは2020年度からでまだ2年経ちません。「オープンソースは本当にビジネスに使えるのか?リスクがありすぎるのではないか」ということは私も思っています。その答えを言えるようになりたいのです。そのためには、設計環境を作ってそれで設計することだけじゃなく、試作にご協力していただけるのならぜひお願いしたいですが、その前後も含めてLSI開発全体の実績作りも不可欠です。ここまで読んで何か思いついたことなどでももちろんOKです。ご興味のある方、まずはご相談からでも大河までお気軽にご連絡ください! 実際にやってくれる、一緒にやってくれる方を待っています!